教育・研究に関する抱負


1.日本の高等教育及び日本の大学のおかれている状況とその課題について
昨今、コロナ渦中では地域経済の低迷は深刻な問題となった。このためには、地域密接な課題解決が可能なプログラム化や事業創生の在り方等は、教育、研究にとっても欠かせない目標となる。ユニバーサル型とグルーバル+ローカル=グローカル化を基調としたビジネスリーダーシップをとれる人材育成は必須となるだろう。とくに起業モデルの策定、経営戦略、経営施策などはさらに重点に置かなければならない。地域に貢献できしかもイノベーティブな人材を育成する学習環境を学際的に、横断的に支援していく必要がある。

2.本大学の現在の課題と将来の展望について課題への取り組み及び問題解決の具体的計画と将来あるべき姿について
経営学分野の教育を、マーケティング戦略の指標で大まかにとらえるとするならば
① セグメンテーション Segmentation(細分化): 地域協働に合い、革新的な分野で成果を上げるという地域貢献の使命がある。
② ディファレンシエーションDifferentiation (差別化、特異性): 他企業との比較において、独自性、特異性、しかも新機性をいかに示せるかを重視する。
近年はサービスマーケティングが注目されている。例えば、私がかつて学んだ東京都立産業技術大学院大学の地域イノベーション講座では、『離島、過疎地における地域ビジネス案』を学生らに投げかけ、観光協会や地元企業と組んだ活性化策、さらには『これからの食・農・健康の事業デザインに向けて』をテーマに、NECとタイアップした地域医療情報網の事業デザイン案などを競合プレゼンさせていた。このように、今後は学生の多様で自主的な発案を尊重し、地域貢献のためのサービスマーケティング、起業ノウハウなどに重点をおいた企業経営学のカリキュラムを随時に提供していきたい。

3.学生指導において、学部及び大学への貢献について
学生指導については、ケーススタディ(事例研究)、ケースメソッド(事例研究の技法)の両面で教材開発を行い、実践的なフィールド視察を重視する。参考までに、経営学、マーケティング学などの基礎科目に加え、地域課題を抽出し解決策へと導くデザイン思考・システム思考の技法は必須となるだろう。KJ法による課題整理、ワークデザイン、TRIZ等のシステム設計技術、加えてプレゼン演習はぜひ習得していただきたい科目と考える。ところで、私は産業技術大学院大学でPBLを体験した。
問題解決学習のケースメソッド技法と集団によるプロジェクト学習などの実践的体験を習得し、PBLの教育における有効性と必要性を実感した。PBLには2つの学習意味がある。
*Problem Based Learning(問題解決学習):実世界で直面する問題やシナリオの解決を通し、基礎と実世界とを繋ぐ知識の習得、問題解決に関する能力や態度等を身につける学習を指す。
*Project Based Learning(プロジェクト学習):企業環境に関する解決すべき複雑な問題や問い、仮説をプロジェクトとして解決・検証していく学習を指す。
以上、「地域の経営戦略をもって社会を俯瞰する」というマインドと実践的なPBLを推進したい。
入試募集活動・就職活動については、優秀な先輩の学習体験談、地域貢献の成功体験実話などを特集し、学生の親和性とやる気を助長することを目指すメディアミックスを実現する。

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