レガシー徒然草

"カルドハイム"発売。
そして彗星の如く現れた《ティボルト》デッキに対し、早速ルール改訂や禁止改定の議論が沸き上がっている。

画像1

はじめに断ると、本記は改訂の是非を論じた記事ではない。
私は現在、レガシーを含めて競技的なMtGからは距離を取っている。即ちMagic Onlineはプレイしていないし、《ティボルト》の脅威を体感したこともない。メタゲームの推移も"Lands"の進化も詳しく把握しておらず、論じられる立場にないというのが正しいだろう。
あくまでレガシーロートルの独り言として読んでもらえると幸いだ。

〇改訂について

先ほど私は、MtGから距離を取ったと述べた。目標とする大会が無い現状、恐らくこれは珍しいことではない。声高に改訂の是非を議論しているプレイヤーも、半数以上は《ティボルト》デッキと直接的に対峙したことは無いのではないだろうか。
私はそれを否定する気は毛頭無く、特に肯定するつもりもない。
ただ、それが単純に「自身のデッキが勝てないこと」に起因しているのではない、とは考えている。

その原因を端的に言うなら、「インフレの速さに辟易したから」ではないだろうか。

レガシーという環境は、明らかに強力なカードであっても過去30年弱の歴史がその強さの逸脱を許さず、向き合い続けることを要求する。スタンダードでは禁止すれば良いが、レガシーではそう簡単なことではない。
悪い悪い言い方をするならば、今のレガシーは「バランス調整に失敗したカード」のゴミ箱になっている。

"エルドレインの王権"以降、FIRE理論によりカードパワーは大きく向上し、結果「レガシー級」と呼ばれるカードが激増した。新たなセットが発売される度に環境は激変し、既存のデッキを過去にし続けている。
そして昨今の「レガシー級」の面々に共通しているのが、「アドバンテージの獲得能力が高いこと」、あるいは「マウント能力が著しく高い」ことだ。

画像2

嘗て、レガシーには「《渦まく知識》は温存しろ」という格言があった。一方で今は積極的なドローで脅威を叩きつけた方が良い、と言われている。《オーコ》を守れば1枚で勝てるし、失ったリソースは《秘儀術士》と《ウーロ》が取り戻してくれる。

近しい考え方としては《宝船の巡航》《時を超えた探索》が使えた、過去のURデルバーに通ずるものがあるかもしれない。だがその探査スペル2種は禁止になっているし、今論点としたいのは単体のカードでもない。既に毒は回ってしまっているのだ。

環境の変化を喜び、積極的なプレイを楽しむ層がいるのは当然だし、彼らにとっては理想的な環境と言えるかもしれない。
ただ、1枚のアドバンテージに一喜一憂し、《渦まく知識》の使い方が勝敗を分けたレガシーは、もう存在しない。少なくとも、今は。
私を含め、こうした繊細なレガシーを好むプレイヤーが今、声を上げているのではないだろうか。

"令和のMtG"と揶揄される現環境に向き合うのか、このまま離れるのか。
結論を急ぐ必要は無くとも、その日は決して遠くはなさそうだ。



〇あとがき

個人的に現環境で一番悪いカードを挙げるなら、《否定の力》だ。マナを要求しないピッチスペルはアドバンテージの転化先として最高で、スペルが強力なレガシー環境で《否認》はまず腐らない。初動を弾かれやすくなったコンボやプリズンが高い初手の質を求められるのに対し、RUGデルバーやSnowkoのアドバンテージの回復はあまりに簡単すぎる。これが無ければ《秘儀術士》や《オーコ》がここまでのマウント能力を得ることは無かったし、《ウーロ》は跋扈していない。





〇あとがき2

「お前ブレスト撃たねーだろ」「ローム追放私怨乙」といったツッコミは無しでお願いします。本論に追放テキストは関係ありません。余計なのは間違いないですが笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?