プラネテス
プラネテスは幸村誠氏による傑作宇宙青春漫画である。
最初に友人にこの作品を進められた時には
「プラネテスはきっと気に入ると思うよ」
「テプラネスってどんなん?」
「なんで、ラべリングマシンの話にするかな!」
などとたわいもない冗談を言い合ったものだ。
この作品は、今よりも少し宇宙進出が行われるようになっている未来の物語だ。
その世界では、多くの人々が宇宙からもたらせられている資源をもとに日々を暮している。
主人公のハチはそんな宇宙に蔓延するデブリを回収する「デブリ屋」として日々を忙殺されながらも、自らの宇宙船を持つという、まさに夢物語に思いをはせている。
この作品の素晴らしいポイントは、表現しようとしているテーマが宇宙という舞台でかすむことなく表現され続けていることにあると思う。
そのテーマとは「愛」であり「夢」であり「青春」だ。
テーマだけ取ると、宇宙である必然性はまったくと言って感じられないが、日常の一部となった宇宙という舞台によって、この作品のテーマを深く掘り下げて感じさせてくれる作りになっている。
たとえば、物語の顔とも呼べる第一話では、ハチの同僚であるユーリがなぜ宇宙にとどまり続けるのかを彼の抑揚の少ないともとられがちなかすかな心情描写をもとに表現している。
ぜひ、読んだことのないみなさんは、下のリンクから第一話だけでも試し読みしてみてもらいたい。
この話は何度読んでも泣いてしまうくらいの名作だ。
家族、友人、同僚、敵。
その多くのつながりを感じさせてくれる作品でもある。
宇宙という究極の孤独と隣り合わせの世界で、それらのつながりは暗闇に光る星々のように美しく、そして失い難いものとして浮き彫りにされていく。
感動のラストでのハチのセリフは、半ばあきらめにも似たつながりへの渇望ともとれる。
皆さんは、どのようにお感じになるだろうか?
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とりあえず感動の一話を読んでみたくなったらこちら。
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コミックをそろえてみたくなった方はこちら
アニメーションもちょっと展開がちがいますが、オモロイです。
プラネテス DVD-BOX 【EMOTION the Best】
ブルーレイにもなってます。