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オネアミスの翼

青春物語、好きですか?

本作は、1987年に公開されたガイナックス制作の長編アニメーション映画だ。

当時としては、ヒロインがあまり美麗ではなく、ある程度は受けたものの製作費8億円に対して配給収入は3億4700万円にとどまるなど、ガイナックスの経営を圧迫した作品でもある。

※ちなみにガイナックスはこの赤字を補てんするために「トップをねらえ」の制作をしているという経緯がある。

物語は地球によく似た惑星にあるオネアミス王国の若者たちを描いている。

物語冒頭、「学校を卒業する2か月前、そんなものにはなれないってことを、成績表が教えてくれた」というあきらめたようなセリフが飛び出してくる。

このセリフは、我々団塊ジュニアと呼ばれる世代を強烈に風刺している。

生まれた時から、多くのライバルの中で育ち、競争に次ぐ競争にまみれ、どこか一部であきらめざるを得なかった我々の心を代弁するようなセリフだと言えると思う。

主人公のシロツグはそんなあきらめきった若者として描かれるが、出会いを通じて仲間たちとなにかに打ち込むことに酔いしれ、いつしか仲間たちとロケットを作り上げていく。

今、この作品を見直してみると、ただ打ち込むことがこれほどに心地よく映ることに、ある種の驚きを感じることだろう。

日々の作業に追われ、競争に敗れ、さげすまれ、それでも夢に打ち込んでいく姿は、すがすがしささえ感じることができる。

もしあなたが、何かがいやになっているのなら、この作品を見直してみるのもいいかもしれない。

忘れていた「青春」がそこにはあるから。

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