俺たちの本棚

銀翼のイカロス

たまにはベストセラー本についても書いてみよう。

今回紹介するのは、あの半沢直樹シリーズ第四弾「銀翼のイカロス」だ。

半沢直樹シリーズはドラマ化されて以降、多くの読者を獲得しているシリーズだが、その特色はある意味淡々と描かれ続ける状況描写だと自分は感じている。

今回の作風もその淡々とした描写を引き継ぎながらも、怒涛のごとく展開していく状況は読むものをぐいぐいと引き込んでいく。このあたりはさすがだと感じた。

さて、今回の敵は「銀翼のイカロス」の名が示す通り、航空会社かと思いきや、その利権に渦巻く政治家やその取り巻きである。

半沢直樹の魅力の一つに勧善懲悪であるという点も挙げられると思うが、今回の政治家に向けた半沢の数々の行動も、我々の日々のうっ憤に対する溜飲を下げるに十分な爽快さを伴っている。

特に、今回の敵の一人である国交大臣がいるのだが、この国交大臣、金融のことはまるで分っていない。それどころか、その実、航空会社というものの運営がどのようになされているかも理解していない。というか理解しようとしていない。

また、この大臣がアナウンサー出身の客寄せパンダ的な議員であり、政権交代の波に乗って入閣しているという典型的な「わかっていない」政治家として描かれている。

なんとなくセリフ回しやその風貌に対する描写から、小池百合子議員をイメージしてしまった。
※いや、小池議員が「わかっていない」政治家だとは思わないがw

その「わかっていない」政治家に対して、相変わらず臆することなく突っ込んでいく半沢。それに対してヒステリックに対応する大臣。陰謀を張り巡らせる大臣の私的タスクフォースの面々。相変わらず後ろからさすようなまねをする身内の経営層。そして、バンカーとしてのけじめを求められる頭取。

前回の「ロスジェネの逆襲」で若干半沢の暴走っぷりが落ち着きを見せたかと思いきや、今作は思いっきり暴れまくっている。

筋を通す快感。

その半沢直樹の魅力が詰まった一冊だといえよう。

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