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【生の魚が冷凍パックで食べられるなんて】

#漬け丼の井川

「約束に遅れるぞ、急げ。日本人はせっかちだから」
「そうなの?」
「なにしろ、魚が焼けるのも待てないぐらいだからな」

かつて観た、アメリカ映画のワンシーンだ。
セールスマンが急ぎの商談で、日系の会社に向かっている。その途上で、日本人の魚の生食を皮肉っているのだ。

それが今じゃ、どうだろう。

外国の観光客が滞在時に食べた日本料理は、「寿司」(68.3%)が突出して多く、唯一半数を超えている。2023年、農林中央金庫による最新の調査結果だ。

以下は「天ぷら(47.2%)、「ステーキ・焼肉」(46.9%)、「ラーメン」(46.3%)、「うどん・そば」(45.8%)などの順。
魚の生食は、今や世界のトレンドってわけだ。

本来、生食できる魚は鮮度の高い貴重品だ。
うま味が最大になる絶妙なタイミングで出される、鯛やヒラメ。
こりこりした歯触りがクセになるカンパチ。

そういえば、イタリアのカルパッチョも生魚だ。
フランス料理にだって、生はある。生が好きなのは、日本人の専売特許じゃない。

だけど、生の魚を冷凍にして、解凍すればそのまま食べられる技術と品質が、日本以外のどこの国にあるだろう。

焼津以外のどれだけのメーカーに、その技術と品質があるだろう。