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"The Hunchback of Notre Dame"

"The Hunchback of Notre Dame"「ノートルダムの鐘」、観劇記です。(ミュージカルが好きで毎日B'wayなどのミュージカル関連の動画を観るのが楽しみだった為、英語が喋りたくて英語の勉強の為にも原題を大事にしていきます)

これは、初めて心から人に「観て、考えて欲しい」と思ったミュージカル作品になります。

日本では劇団四季さんが上演されていますが、スタートはドイツから始まり、ディズニーシアトリカルプロダクションが作っているにも関わらず、アメリカではプレビュー公演等を実施してもブロードウェイでの上演はしなかった作品。(何か間違ってたらごめんなさい)

私は高校の頃ドイツに留学していたので何となく「あ、やっぱり日本人とドイツ人って似てるのかなぁ」と思った1件でした。似てると思いませんか。他の海外の方と比べると、ドイツ人と日本人、似てる所あると思うんですよね。

そんなハンチバックですが、実はめっちゃハッピーエンド・めっちゃコメディ好きのポジティブ・お気楽人間の私にとってはここまでグッと心に刺さったのは初めての作品。

私が観に行けたのは数年前、東京公演も終わり京都劇場で上演されている時でした。夏休みが3日間与えられたので、「そうだ、ミュージカルの旅に出よう」と決心し【京都→大阪→名古屋】の四季劇場を、全部根性でぴったりのチケットとって3日間で3公演回りきったという、とても楽しかったけどハードでもあった旅があったのですが、その記念すべき1日目に観劇したものでした。

元々四季好きのミュージカル仲間からも「これが1番になった」など、本当に良いという噂も兼ねがね聞いてはいたのですが、何と言っても原作はヴィクトル・ユーゴーの悲劇、文学。大人向けの作品と聞き、女性が虐げられるシーンが個人的に何故か非常に嫌いである私にとっては、それもあると聞きちょっと気が進まない作品でした。だから最初の日に選んだのかも。(あとの観劇予定作品がハッピーものだったので)

でも、私"Out There"が大っ好きで。あれこそ私の好きなI wish songの1位といっても過言ではない素晴らしさ。いかにいつもの自分たちの日常が有難いか、途中言及する歌詞がありますが、そこの辺りもう言葉が出ません(ちなみにアニメ映画版歌詞も原作英語歌詞も色々ありますが、劇団四季舞台版の「陽ざしの中へ」の歌詞が1番好きです)。

あと初代携帯のアドレスとか「(トプシーターヴィーデイは1月6日)」とかする位には映画版の曲も好きでした(”Got help”は歌っていた時代よく歌ってました)。

そんな感じで観劇したハンチバックですが、ソワレで京都劇場で観ました。京都劇場、あんなにアクセス良くて絶対迷わないと思ったのに迷った自分に改めてビックリした日でした。(駅直結劇場で迷う奴、ここにいた)

京都タワーを横目に「ヤバい!」と走りつつ迷ったけど何とか劇場に着き、目をつけていたグッズを買い、水分とったり化粧室行ったり何やらしたりで準備を整え、何とか余裕を持って客席へ。(観劇の前や幕間は要水分補給!)

緞帳がないので舞台装置が開演前から見れる作品。何となく怖い感じもしますが、大人向けの作品ということで、良い「圧」を感じました。

開演。割愛。終演。

実はスタンディングはしましたが、泣いたりしなかったんです(まあ滅多に泣かないのですが・・・)。が、「うーん・・・」と思って帰り際に追加で予定していなかったグッズを購入(物販のお姉さんに「まだ買うの?」的な顔をされる)。夕飯買って駅前のホテルに帰って、Spotifyでサントラを繰り返し流す。

―結果、このサントラを旅に出てる間ずっと繰り返して聞いてました。じわじわ来たということですね。一言で言うと、「もっと多くの人に観て欲しい」でした。席、空いてた所もあり、人を連れて来たかった。

特にこれから世の中を作っていく若者が観るべき作品だと思いました。「大人向き」と言われる理由も理解できるのですが、あれは若者こそに観て欲しいと私は思いました。勿論若者以外もですが、観て、考えて欲しい。Who is a monsterで、who is a manなのかを。曲を聞いて、歌詞を理解してくれるだけでもいい。

演出が、特に素晴らしかったと初めて思いました。それまで私はあまり演出面って興味惹かれなかったんですが、ハンチバックに関してはあの舞台装置の中であの演出、特に最初と最後の所の演出のメッセージ性に敵うものは今の所ないと思っています。あれは、今思うとよく泣かなかったな私・・・。

ネタバレはしたくないのであまり踏み込んでは書きませんが、差別とか、今いる自分たちの世の中のこととか、今までの時代の歴史とか、考えさせられる作品です。今でも自分が立ち止まる時にこのミュージカルの曲を聞いて、前に進む力をもらいます。私の好きな「ダンスと歌」の弾ける超楽しいミュージカルではないですが、これほど「生きる力」を訴えてくる作品も他にないです。

ちなみに帰ってから原作をむさぼり読みましたが、やはり文学、でした。原作とミュージカル、そしてディズニーのアニメ映画はそれぞれ結末が違うのですが、ミュージカルももっと原作寄りでも観てみたかったとも思いました。

それで、休み明けはずっとデスクにベルのキーチェーン置いて、サントラ流しながら仕事しましたわぁ。本当に心に刺さってとれなかった。


ちなみに余談ですが、作曲家のアランメンケンはこの中で「聖堂の鐘」をイメージして音の動きを作ったそうです。多分。そんな記事をどこかで読んで、更に聞いてて「あ!!」と私も気づきました。彼のそういった所は他ディズニー作品でも垣間見られる所があるのですが、本当にアランメンケンの音楽がなければ、今の私もここにはいなかった。


そしてもう一つ余談ですが、このソワレを観る前に、京都に到着してホテルに荷物を置いてから、かの有名な「車折神社」にお参りに行きました(今思うと無事辿り着けて良かった・・・)。おみくじ、大吉だったんです。それでお守りを買いましてですね、それをそのあとまあ半年間位色々ありまして、ずっと辛い時とかも上着のポケットに入れて握りしめながら闘っていたのですが、ある日そんな大事なお守りを失くしてしまいまして。

すごくショックで。ただお守りをなくした時って「役目を果たした」と捉えなさいと言われまして。私は「ミュージカルの作曲家になれますように」という想いを込めて進んでいたのですが、その直後でした。2作品のオリジナルミュージカルの作曲・編曲・音楽監督を任して頂けることが正式に決まったのは。「ああ」と思いました。ありがとうございました。


話は戻りましてそんな余談もあったハンチバックですが、まだ観られていない方へのオススメ曲は劇団四季版の「陽ざしのなかへ」「いつか」「石になろう」そして「フィナーレ(特に最後の所)」です。Spotifyとかだったら聴けると思うので、是非作品を観られていなくても、歌詞を聞いて考えてみて欲しい。

そして私はもう1回観たい。

観劇記になっていない気もしますが、「心に刺さる作品No.1」、"The Hunchback of Notre Dame"でした。


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