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風邪っぴき日記

1日のほとんどをベッドで過ごすという生活は余りにも久しぶりで、そして人は意外にも寝ていられるということに気がついた。


11日夕方。 寒いのか暑いのかわからなくて、それでも指先まで迸る悪寒に耐えきれず、布団に丸まり目を閉じていた。
娘を幼稚園に迎えにいく為に早く帰ってきたオットが、寝室にやってくるや否や「何この部屋、めちゃくちゃ暑い」といって窓を開けた。さらさらと窓から流れ込むひんやりとした空気がやけに心地よくて再び目を閉じた。
39度を超えた頭の中でふんわりと『もうこのまま死んでもいいのかもしれない』と思った。一番幸せな時期に死ねるのが一番幸せかもしれない。そんなことを考えながら再び眠りに落ちた。

12日早朝

熱は少し下がって意識もかなりハッキリしていた。頭に冷えピタが貼ってあり、枕元にはポカリスエットと、カントリーマアムと、じゃがりこが置いてあった。
しかしやっぱり、お粥とかうどんとかが食べたいな…と思いリビングダイニングへ行くと、ソファベットの上でオットとムスメが洗濯物と一緒になって眠っていた。
部屋は散らかり、シンクを見ると昨夜は2人でコンビニの弁当とおはぎで腹を満たしたということがなんとなく伝わってきた。
床に散らかったアイスの小袋と棒、カントリーマアムの小袋を拾い上げながら冷静に『死ねないな…』と思った。
私が今死んだらこの2人はゴミ屋敷で不健康な食生活を送るか、年老いた義母が生活の面倒を見て疲れ果てているかのどちらかである。
麺を茹でただけの簡易的な冷やし中華を食べ後片付けをしていると、目覚めたオットに『カントリーマアム食べた?ちゃんと食べないとだめだよ』と言われた。カントリーマアムはおやつではなくて食事のつもりだったらしい。絶望の替え玉に私は皿を洗うのもやめて寝室に戻ることにした。

12日夜

熱は37.5まで下がり、今こうして日記を書いている。
山盛りの仕事は忘れて、今日はゆっくり寝ることにした。

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