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『おかえりモネ』で勉強

NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』がついに最終回を迎えましたね。私はこの数年、朝の連続テレビ小説(朝ドラ)を楽しみに見ているのですが、『おかえりモネ』は初めて「もう一度全部見直したい」と思えたドラマとなりました。

朝ドラは良くも悪くも毎回注目され、視聴率はもちろん、出演者の演技や脚本などかなり批評の対象に晒されます。今回も多聞に漏れず外野が騒がしかったです。特に前半から中盤に掛けては、視聴率がもう一つという事もあり、”暗い”だのなんだのと批判が多く見受けられていました。

そんな作品でしたが、私としては一貫して高評価で、毎回楽しみにしていました。重いテーマが中心でしたし、必ずしも主人公や関わる人たちの心情に共感できたわけではなかったです。”重さ”は最終週の最後の最後まで描かれ続け、最後には一通り”回収”された作品でした。私の知る限り、これほど丁寧に描かれた朝ドラは無かったのではないかと思います。

大抵、特に終盤は物語の展開が早く、無理やり最終回の尺に合わせたかのような感じを持つことが常なのですが、『おかえりモネ』は本当に最後まで丁寧に、一足飛びになることなく描き続けた作品でした。

”外野”の評判はと言うと、中盤を過ぎて後半に差し掛かった辺りから進展が遅いと言われていたペースが、心情をゆっくりと丁寧に描く脚本という評価に代わり、どんどん応援する視聴者が増えていったようです。

大学で心理学の勉強をしているときに、小津安二郎の作品は人の心情を丁寧に描いた作品が多く、勉強になると聞き、そういった視点で小津作品を見直したことがあります。

私は『おかえりモネ』を心理職やキャリアコンサルタントが見ることを強くお勧めします。災害で受けた心の傷、他人の気持ちに寄り添う事、そこにある限界、気づきによる行動と成長・・・様々な示唆があります。

すばらしい作品です。

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