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ニッチな名盤#19 Spring / SPRING (1971)

Title : Spring
Artist : Spring
Release : 1971
Country : UK

A1  The Prisoner (Eight By Ten)
A2  Grail
A3  Boats
A4  Shipwrecked Soldier
B1  Golden Fleece
B2  Inside Out
B3  Song To Absent Friends (The Island)
B4  Gazing


メロトロンアルバムとしては有名です。
有名過ぎたかもしれません。

メロトロン。ご存知でしょうか。
各鍵盤に、それぞれの音階で録音された磁気テープが割り当てられ、鍵盤を押すとそれが再生される、一種のサンプリングマシンです。
ストリングス、フルート、ブラスなどの音色があります。

ストリングス隊を雇うにはコストもかかる、もっと手軽にストリングスの音をアルバムに入れたい、という趣旨の使い方もあったと思います。
ただ、メロトロン独特のチープな音色はとても味わい深いので、1つの楽器として敢えて使用されている事が多いように感じます。


で、そのメロトロンをいちいち堪能できるのが、今回ご紹介するアルバム、Springの唯一作。

1曲目、The Prisonerの冒頭で「フルート」「ストリングス」が早速登場します。
ファーっというバッキングがストリングス、主旋律がフルートですね。
2曲目 Grail の荘厳なストリングスもメロトロンかなぁ。
4曲目 Shipwrecked Soldier の中間部や、B面1曲目 Golden Fleece のリフレインは「ブラス」でしょうか。
最終曲 Gazing もメロトロンストリングスの嵐。

数々の美しい曲とともに、メロトロンサウンドをお腹いっぱいに堪能できたのではないでしょうか。
お宝アルバムです。


ちなみにこの Spring 、2ndアルバムも制作していましたが発売に至れませんでした。
その音源は現在は発表されていますので、後ほどSpotifyを貼っておきます。

そうそう。KEEF のアルバムジャケットも素晴らしいですね。
見えにくいかもしれませんが、倒れた兵士が流血し川を赤く染めている、という状況。

3面見開きジャケット 一番左の面はメンバーか


メロトロンは、1970年前後あたりの作品で結構使われていたりします。
おそらく、常備されていたレコーディングスタジオが、かなりあったのだと推察されます。
しかし、大きさ的にも値段的にも手軽&手頃になってきたシンセサイザーが台頭してきてからは、使用される頻度が少なくなっていきました。

メロトロンのサウンドに魅了されてしまったメロトロナーは多くて、使用されている作品をついつい追い求めてしまう困った人たちです。
自分もその1人。


【お気に入り3曲】
・The Prisoner (Eight By Ten)
・Grail
・Gazing 



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