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宇都宮ブレックスに加入したジョシュ・スコットの特徴をまとめてみた

こんにちは、hiroです。

今回はブレックスへの入団が発表されたジョシュ・スコットについて書いていこうと思います。

スコットのこれまでの経歴や、島根時代や琉球時代を踏まえたプレーの特徴、ブレックスに加入して期待すること、気になる点についてまとめてみました。一個人の考えではありますが、少しでも参考になってワクワクして頂けたら幸いです。

では早速書いていきます!

プロフィール

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ジョシュ・スコット - Josh Scott -
国籍:アメリカ合衆国
2019-2020シーズン所属チーム:琉球ゴールデンキングス(11月に怪我で退団)
年齢:26歳
身長:209cm
体重:111kg
ポジション:PF/C(琉球時代はC登録だったが17-18シーズンの島根以来PF/Cに変更)
NBAの経験:2016年はデンバー・ナゲッツで2試合、2017年はポートランド・トレイルブレイザーズで8試合、サマーリーグに出場
代表経験:無し


ブレックス加入までの経歴

スコットは高校時代から『Mr. Colorado Basketball』というコロラド州の年間最優秀選手賞に選ばれるくらい名を馳せていた選手でした。ちなみに『Mr. Colorado Basketball』には川崎のニック・ファジーカスも選ばれています。

コロラド大学に進学後もチャウンシー・ビラップス賞を3度受賞したり、パシフィック12カンファレンスの1stチームやオールディフェンシブチームに選ばれたりするような活躍を見せていたようです。パシフィック12カンファレンスといえば、UCLAやオレゴン大やアリゾナ大、ユタ大などバスケットの強豪校が集まるカンファレンスです。ちなみにスコットが選ばれた2016年のパシフィック12カンファレンス1stチームのメンバーを見てみると、今シーズンから新潟でプレーするロスコ・アレン(スタンフォード大)や、ワールドカップの日本戦でPOGに選ばれる活躍を見せたアメリカ代表のジェイレン・ブラウン(UCLA)も名を連ねています。凄い経歴です。

※恐らくチャウンシー・ビラップス賞はコロラド大学の中でのMVPだと思われます。ビラップスはコロラド大学出身のレジェンドで、NBAファイナルでMVPを獲得したこともある勝負強い名PG。間違ってたらスイマセン。

▲コロラド大学時代のハイライト

大学を卒業したスコットはNBAに入ることは出来ず、ナゲッツの一員としてサマーリーグを戦った後、マケドニアでプロキャリアをスタートさせます。このマケドニアのチームは、国内では無双状態でスコットがプレーしたシーズンも優勝して6連覇を達成したようです。

▼大学時代やマケドニア時代のスコットのスタッツ

マケドニアでのシーズンを終えた後、ブレイザーズの一員としてサマーリーグに参加。その後、B1に昇格した島根スサノオマジックに入団したという流れです。

Bリーグ最初のシーズンの島根は、ほとんどの選手が入れ替わり、外国籍選手もシーズンを通して7人もプレーしたという中で、スコットは大黒柱としてチームを牽引していました。結果的には11勝49敗で島根は降格していましましたが、スコット自身は平均18.1得点10.8リバウンド1.1ブロックと実力を証明したシーズンになったと言えますね。ちなみに、スコットがキャリアハイのリバウンド23本を奪った試合は17-18シーズンの10月に行われたブレックス戦でした。

▲23リバウンドを記録した試合のハイライト。当時ワタシが書いた一言メモ「OTの末負け、ライアンと竹内は出ずっぱりでギブス戻ってくるまでに潰れそう…スコットがインサイドを制圧」

日本に来て最初のシーズンで平均ダブルダブルのスタッツを残したスコットは、翌シーズン西地区王者の琉球ゴールデンキングスへと移籍します。当時琉球を率いていたのは、今シーズンからブレックスのアシスタントコーチに復帰した佐々宜央。当時スコット獲得の理由をこう答えていました。

チーム全体として、インサイドとトランジションの得点が課題として挙がっている中、スコットも走れる選手であり、両方で得点できるビッグマンです。昨シーズンのヒルトン・アームストロングは、僕が体現してほしかったディフェンスを見せて、リーダーシップも発揮してくれて感謝しています。ただ、今のキングスに求められているのが得点の部分であることは否めないので、その点でスコットに期待しています。また今シーズンは水曜日のゲームが非常に多くなります。1回でも水曜のゲームが入ると、選手の体力は相当に削られます。そこで本当に40分間出られるのか、アップテンポで激しいディフェンスをやろうという現代バスケットボールでは厳しいと思います。
そうなると、このシーズンのレギュレーションは、外国籍選手のスタミナが非常にキーになるところであり、20分しか出られない選手か、40分出られるかの差も大きいと思います。そして、スコットはスタミナ面でも期待できる選手です。

バスケットカウント より

要するに佐々HCが評価していたポイントは、攻守のインサイドの存在感とトランジション、スタミナということですね。

そして、スコットはその期待に応え平均17.1得点9.0リバウンドとダブルダブルに近い活躍を見せていました。しかし、そのシーズンの年末に行われたアウェイ大阪戦でシーズン絶望の大怪我を負ってしまいます。右膝蓋腱断裂という大怪我で、どんなに短くても復帰までには半年はかかるような大怪我でした。琉球の大黒柱だったスコットがシーズン絶望になった時の心境を佐々HCがこう話しています。

スコット離脱の後、ディフェンスは完全にマイナスからのスタートとなりました。例えばゴール下にボールを入れられた際、誰がどこまで寄るのか、寄らないかなど組織的な部分をやり直さないといけない。またサイズが落ちた分、トラップディフェンスなどを新たに導入しました。
オフェンスについてですが、スコットの代わりに加入したKJ(ケビン・ジョーンズ)はどちらかというとジャンプシュートが得意な選手です。スコットのようにゴール下で泥臭くプレーするタイプではないので、チームとしても攻め方を変えていかないといけない。ジェフ・エアーズとあわせ外国籍選手のアウトサイドシュートを生かすために、逆に日本人がインサイドにもっと攻めていく必要も出ている。フリースローを増やせるかが課題になっています。

12月30日、31日の横浜ビー・コルセアーズ戦、1月5日、6日の大阪エヴェッサ戦はともに1勝1敗でした。選手たちは本当に頑張ってくれていたのに、自分が選手を乗せきれずに勝たせることができなかった。スコットの故障へのショックは大きくて、それでインタビューでも「状況は厳しい」とネガティブに聞こえることを言っていて、そうなると周りもダメだなという感じになってしまいます。これは反省していますし、選手たちには申し訳なかったです

バスケットカウント より

スコットが琉球に移籍した1年目から大きな期待を寄せられていたことがわかりますね。

怪我がシーズン中に治らぬまま18-19シーズンを終えたスコットでしたが、翌シーズンの19-20シーズンも当然のように琉球と契約継続。ですが、開幕して4試合目で同じ怪我を再発してしまいます。インジュアリーリストに登録されましたが、再手術が必要でシーズンも長いこともあり、スコットは11月で琉球を去ることになります。それから少し経った後に佐々HCも琉球を去りました。

そして今年の夏、宇都宮ブレックスへの加入が発表されましたという流れです。琉球ブースターから厚い信頼を寄せられていたことは知っていましたし、琉球に戻ってきてほしいと言っている方も多かったのですが、昨シーズンクーリーがインサイドで圧倒したこともあり、スコットは不要になったと言っても良いかもしれないですね。


スタッツとプレー映像

【19-20シーズンのスタッツ】
4試合出場 4試合でスタメン 平均33.8分プレー
平均20.0得点 12.8リバウンド 1.5アシスト 0.8スティール 1.5ターンオーバー 3P 0.0/0.5 0.0% FT 75.0%
【18-19シーズンのスタッツ】
27試合出場 27試合でスタメン 平均31.9分プレー
平均17.1得点 9.0リバウンド 1.6アシスト 0.8スティール 1.4ターンオーバー 3P 0.0/0.1 50.0% FT 71.2%

▼琉球時代のハイライト

▼ミスマッチを作れば確実に点を決めれる

▼リバウンドが強い

▼個人的に好きだった琉球のセットオフェンス。来シーズンブレックスでも見れる気がします。2個目スコットほぼ関係ないけど←

▼ミスマッチが作れればアウトサイドがオープンになる。オープンスリーが打てる。これは並里のナイスパス

▼トランジションで先頭走れる

▼ディフェンスもハードワークします

▼スペイン


スコットのプレーを見て感じたプレースタイルと特徴

安定感のある『剛』のセンター
まずスコットの魅力的なところは、インサイドでどんな試合でも安定的に結果を残せるところです。ライアンが『柔』だとしたら、スコットは『剛』のタイプのビッグマンです。フィジカルも強くてペイント内は強引に決めきるシーンも多く、3シーズン日本でプレーして平均17.9得点、FG55.3%、10.3リバウンドといった具合です。もちろん彼は平均30分程度プレーして来ていますしブレックスではプレータイムもスタッツも下がると思いますが、プレータイムが減ろうとも安定した活躍が期待できます。

スリーが打てない
『剛』のタイプのビッグマンということもあり、スコットにはスリーがありません。3シーズンでスリーは1/7で、スタッツの通りスリーはほとんど打たずペイント内で勝負する選手です。大学時代から課題としてシュートレンジを広げようとしていたようですが、あまり実践では披露されていないように感じます。
昨シーズンのブレックスは、ビッグマンも外に広がり中にスペースを作ってPnRで攻め、ズレを作りながらスリーを沈めていくといったオフェンスを展開してきました。昨シーズン積み上げたオフェンスにどのようにフィットさせるのか注目です。スコットのポジション登録がCからPF/Cに変更されたのも気になるところです。

攻守にハードにプレーできる
彼はとにかくサボらず、エゴはほとんど出さず、チームファーストなプレイヤーだと思います。スクリーンをかけてダイブし、リバウンドを奪いに飛び、ディフェンスもハードにこなし、トランジションで先頭を走ったりと泥臭い仕事をしてくれる選手です。ブレックスが大切にしている部分を持っている選手だと思います。それを感じたのでスコット良い選手だなぁと思った次第です。

気になるのは怪我の具合
気になることはいくつかありますが、一番気になるのは怪我の部分です。スコットは3シーズンBリーグでプレーしていますが、60試合完走どころか実は規程試合の85%以上出場を達成したことがありません。
また、右膝の同じ箇所を怪我したという事実とトップコンディションに戻れるのか?という不安もあります。スコットはまだ27歳、27歳なので(大事なことなので2回言いました)トップパフォーマンスに戻ることは充分可能だと考えていますが、膝の怪我でバスケから離れていった選手は大勢います。
ブレックスには大怪我をして復活した選手がたくさん在籍していて、例えば田臥と喜多川は膝、ギブスや竹内公輔はアキレス腱など。彼らは怪我から復帰を目指していたり、大怪我から復帰している経験があるので学ぶこともあるでしょう。また、ブレックスの陣容ならば島根時代のや琉球時代のようにスコットに無理を強いることはないと思います。


ブレックスでスコットに期待すること

ペイント内のディフェンスとリバウンド
個人的に一番期待している部分はこの部分です。
ブレックスは昨シーズンの平均失点は72.7点とリーグ2位の成績です。ギブスや竹内公輔がいない時期に殴り勝つバスケを展開していたにも関わらず、リーグで2番目に少ない失点というのは立派だったと思っています。

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ですが、気になる点がありました。ブレックスの失点の約半分はペイント内での失点で、これはB1で一番高い割合ということです(ペイント内の失点数はB1で12位)。勿論ブレックスのディフェンスの性質上、スリーを打たせない決めさせない(スリーのディフェンススタッツはリーグトップ)、ヘルプに寄らない、ダブルチームに行かないというのが基本なので、ペイント内の失点割合が増えるのは理解しています。
スコットは単体でのディフェンス力が高く、機動力も期待できますし、身長もブレックスでは一番高い209cmです。スコット加入によってペイント内のディフェンス力向上は期待したい部分でもありますし、楽しみな部分でもあります。ペイント内の失点の割合が減り、ミドルレンジの失点の割合が増えるのが理想的ですね。そうすればペイント内の失点数が12位からトップハーフに入れると思っています。

最終的にプレータイム20分前後で12得点8リバウンド
スコットは島根や琉球で30分前後のプレータイムを求められていましたが、ブレックスはインサイドの選手層が厚いので、だいたい20分前後のプレータイムに落ち着くのかなと予想しています。怪我の影響やブレックスに馴染む時間もあると思うので、徐々にプレータイムが増えていけば良いかなと。
その中で12得点8リバウンドくらいのスタッツを残してくれたら素晴らしいなと思っています。これは昨シーズンのジェフ・ギブスと同じくらいのスタッツです。これくらいのスタッツを残せれば、30分換算に直した時に平均ダブルダブルになるので合格ではないでしょうか。

ギブスの後継者になって欲しい

上記のツイートは琉球で昨シーズンキャプテンを務めた田代直希がスコット琉球移籍が決まった時のツイートです。コレが印象に残りすぎていたので紹介しました。
話を戻すとスコットは先日27歳になったばかりです。ブレックスでいうと鵤誠司と同い年になります。鵤は誕生日が1月なのでスコットはブレックスの中では4番目に若い選手になります。
ここまでブレックスのインサイドを攻守に支えてきたギブスですが、そんな彼も今シーズン40歳を迎えます。まだまだプレーできると思いますが、スコットであれば年齢的にも成長が期待できる選手ですし、ギブスの後継者になってほしい逸材だなぁと思っています。その環境もブレックスにはあると思います。


終わりに

いかがでしたでしょうか?あくまでもここ数シーズンを見ての雑感ではありますが、個人的に好きな選手だったのでブレックスでの活躍が楽しみです。一方での、怪我から復活してトップコンディションにどれくらいで戻るのかといった部分も気になるところではあります。ですが、ピーク同様にスコットも近年ブレックスにはいなかったような外国籍選手だと思うので期待しています。

今シーズン他のB1チームの編成を見てもインサイドのローテーションを4人で行うチームは少ないと思います。現状だいたい1/3のチームでしょうか?スコットの特徴を熟知している佐々宜央もアシスタントコーチに復帰したわけですし、どのようにブレックスにフィットさせていくのか今から楽しみです!

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読んで頂きありがとうございました!

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