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宇都宮ブレックス 22-23シーズン 前半戦 雑感まとめ

10月の雑感まとめはこれまでnoteを書いてきた中でも、ネガティブ要素が多かったが反応はそれなりに良かった。気がする。読んでいただいた方ありがとうございます。今回はバイウィーク明けから主に年末年始までのブレックスをざっくばらんに振り返っておく。

※今回扱うスタッツは2023/01/02(信州戦)までのものになります。

バイウィーク明け〜オールスター前の成績と変わったこと

オールスター前の第17節(仙台戦)までの勝ち星推移

11月は対戦相手も相まってB1唯一の5連勝で終えることが出来たブレックスだったが、12月になると失速し3勝8敗。2022年は負け越しで終えた。新年一発目のホームゲーム名古屋D戦を1勝1敗で終え、続く水曜日の仙台戦に勝利するも、Bリーグ以降一番悪かった17-18シーズンの成績を下回ってしまった。

過去5シーズンのCS進出チームの年越し前の勝率

過去の成績を見てみると、直近3シーズンのCSでは年越し前の段階で勝率5割を超えていないチームはCSには出られていない。前回のnoteで9,10月の勝率が5割未満だとCSに出ることは厳しいと書いたが、あの時以上に厳しい状況にある。更に第17節を終えた段階で勝率5割超えのチームが11チームと、今シーズンは例年以上にレベルが高い。

ベンチ外だった笠井の起用と難しさ

10月は3試合の出場に留まった笠井がバイウィーク明けから2ndユニットのPGに名乗り出た。ベンチ外だった選手が一番ブレックスメンタリティを表現してくれていたことはとても良かったが、オフェンス面では存在感を示せず。シュート成功率が悪いことは開幕前からわかっていたが、オフェンス時に捨てられてしまうのは厳しく、ボール運びも見ていてヒヤヒヤする。また、PGと関係ないが、ジェミンはベンチにすら入れない試合が増えてきてしまっている。マブンガは既にいなくなってしまったが、夏に獲得した選手たちが苦しい状況だ。

比江島の離脱

比江島出場試合:比江島欠場試合
ORtg 88.40:84.45(-3.94)
DRtg 93.33:100.64(+7.31)
NetRtg -4.93:-16.19(-11.26)

比江島出場時と欠場時のRtg

シンプルに痛かった比江島の離脱。比江島がいれば勝ち星が増えていたかは正直微妙だと思うが、比江島がいるだけでも攻守に大きいと感じた。「比江島がいないから勝てないと思われたくない」という発言などもあったけど、比江島がいない試合は見ていてしんどかった。比江島がいないからといって、荒谷もジェミンも比江島がいなくなった分のプレータイムが増えたわけではないので、ペリメーター陣のサイズ不足という面でも痛かったと感じたし、鵤と遠藤の疲労も増えていたと思う。

新戦力の組み込み

マブンガの代わりに来たジェレットと、特別指定選手で来た高島が12月中旬から加わったが、なかなか勝ち星に結びついていない。ジェレットに関しては、noteに書いたとおり2月から試合に出ていなかったこともありトップフォームという感じではない気がしているし、スコットとフォトゥとは違いゴールに背を向けてから始まるプレーがあまり得意ではないように見えるので、使い方を考えてあげたいところ。高島に関しては、加入1ヶ月もしないうちに一番信頼できる日本人の控え選手になったと思う。対人ディフェンスも良いし、オフェンスも思い切りが良いのでファンの心を鷲掴み。週3で試合があると練習する時間が確保できないけど、時間が経つことに良くなると思う。期待しましょう。


スタッツで見るブレックス

オフェンススタッツの気になるところ

10月終了時→第15節(年末年始の試合)終了時

平均得点:66.8(最下位)→71.2(最下位)
FGM:24.3(最下位)→26.1(最下位)
FGA:59.3(23位)→63.2(18位)
FG%:41.01%(23位)→41.35%(23位)
2PM:17.3(22位)→18.0(23位)
2PA:36.3(22位)→38.8(15位)
2P%:47.71%(22位)→46.28%(最下位)
3PM:7.0(21位タイ)→8.2(14位タイ)
IPM(ペイント内得点):13.3(最下位)→14.5(最下位)
IPA:26.7(22位)→28.8(21位)
IP%:50.00%(最下位)→50.40%(23位)
FT%:68.03%(22位)→69.73%(21位)

AST:16.8(最下位)→18.7(20位)
速攻:5.8(23位)→8.0(22位)
TOVからの得点:8.9(最下位)→11.5(23位)
スターティング5の平均得点:46.0(22位)→50.3(17位)

二桁得点者:2.9(23位)→2.9(最下位)
eFG%:46.91%(最下位)→47.81%(最下位)
TS%:50.19%(最下位)→50.87%(最下位)
ORtg:84.33(23位)→87.59(22位)
Poss:79.19(最下位)→81.28(23位)

前回紹介した悪かったオフェンススタッツ

試合を見ていたら分かる通り、10月終了時点からさほど良くなっていない。この中で注目したい項目は2つ。

3PM(スリーの成功数)

第15節(年末年始の試合)終了時

ここが良くならなかったら、もっと酷い勝率だったと思う。比江島は怪我をする前まで上位にランクインするだけの高確率で決めているし、遠藤が10月の28.57%から約2ヶ月間は約45%と高確率でシーズン平均40%近くに復調したことがとても大きい。ただ、この2人以外の成功率を見てしまうと胸が苦しくなる…

二桁得点者

第15節(年末年始の試合)終了時

ブレックスはB1で唯一平均の二桁得点者が3人を下回っている。だからといって満遍なく得点が取れているわけでもない。4人以上が二桁得点した試合は5勝2敗と勝ち越している(それ以外6勝13敗)。比江島やフォトゥの離脱ということもあったが、誰がステップアップ出来るか?
ちなみに鵤は勝ち試合で平均8.1得点、負け試合では3.7得点と得点が倍違ってくる。3P%に関しては勝ち試合では36.96%、負け試合では20.83%という感じ。鵤マジで頑張れ、PG厳しいとはいえ頑張ってくれ。

ディフェンススタッツの気になるところ

第15節(年末年始の試合)終了時

前回のnoteでも少し触れたディフェンスについて。
昨シーズン最強だったディフェンスは、今シーズン平均失点5位。一見「悪くないじゃん」と思うかもしれない。はっきり言おう、ブレックスのディフェンスは良くない。

第15節(年末年始の試合)終了時

今シーズンは昨シーズンの1位から18位まで急降下。今シーズンはワースト7位だ。平均失点が5位で少ないのは、リーグで一番遅いペースの試合をしているからで、攻められる回数も他に比べて少なければ失点も少ないよねって話で質は落ちている。ディフェンスで気になる項目をいくつか紹介。

opp 3P%

第15節(年末年始の試合)終了時

単刀直入に言うと3Pを高確率で決められすぎだ。傾向として昨シーズンから34.72%→33.43%とリーグ全体の3P%が落ちているのだが、ブレックスはリーグ平均以上の3P%で決められている。ここを修正出来ればもう少し勝てると思う。実際今回のスタッツに含まれていない接戦に持ち込めた名古屋D戦と仙台戦では低く抑えることが出来ていた。

1人の日本人選手に15点以上取られた試合数

21-22シーズン:17試合/56試合(30.36%)
22-23シーズン:10試合/26試合(38.46%)

第15節(年末年始の試合)終了時

1人の日本人選手に15点以上取られた試合数を調べてみたら昨シーズン以上に多かった。15得点以上取られていない試合でも日本人選手に14点取られた試合が4試合ある。抑えるべき日本人選手を抑えられていないと言えるだろう。河村に34点取られたし、藤井に18点取られたし、フリッピンに15点取られたし、安藤周人に19点取られたし、岡田侑大に27点取られたし、齊藤に16点取られたし。言い出したら切りがないくらいやられている。

ブレックスのインサイドは武器なのか?

選手、コーチ陣は揃って「ブレックスはインサイドが武器」と言う。ファンも同じ認識かもしれない。実際にブレックスのインサイドが武器なのかを昨シーズンのスタッツと比較して見てみようと思う。

ペイント内得点
21-22シーズン:37.86得点(5位)
22-23シーズン:29.00得点(24位)

総得点におけるペイント内得点の割合
21-22シーズン:47.44%(5位)
22-23シーズン:40.73%(22位)

ペイント内シュート成功率
21-22シーズン:57.33%(8位)
22-23シーズン:50.40%(23位)

第15節(年末年始の試合)終了時

ご覧の通り、昨シーズンに比べてペイント内で得点できなくなっている。対戦相手からしても一番抑えるべきポイントであると思うし、その対策を上回ることが出来ていない。昨シーズンペイント内シュート成功率で60%を超えていた比江島とスコットが、昨シーズンに比べて10%以上確率を落としている。この2人はペイント内で多く得点していた中心選手なので、チームスタッツにも影響大。また、比江島と遠藤以外の選手の3P成功率がめちゃくちゃ悪いので、インサイドを潰しに行きやすいとも言えるかもしれない。

オフェンスリバウンド
21-22シーズン:12.13(5位)
22-23シーズン:12.50(5位)

オフェンスリバウンド獲得率
21-22シーズン:34.00%(2位)
22-23シーズン:32.40%(7位)

セカンドチャンスからの得点
21-22シーズン:12.91(5位)
22-23シーズン:12.58(8位)

第15節(年末年始の試合)終了時

オフェンスリバウンドの数とセカンドチャンスからの得点は昨シーズンとほとんど変わらないが、獲得率が少し落ちている。ただ、マブンガがいた10月とそれ以降を比較してみると28.36%→34.43%と回復していることがわかったので、オフェンスリバウンドに関してはいい傾向になるつつある。

ペイント内失点
21-22シーズン:28.82失点(1位)
22-23シーズン:31.15得点(3位)

総得点におけるペイント内失点の割合
21-22シーズン:41.68%(3位)
22-23シーズン:41.65%(4位)

対戦相手のペイント内シュート成功率
21-22シーズン:49.18%(1位)
22-23シーズン:56.41%(13位)

第15節(年末年始の試合)終了時

昨シーズン最強だったペイント内のディフェンス。ペイント内の失点は昨シーズンほどではないもののトップ3の成績でペイント内の失点の割合も少ない。一方で対戦相手のペイント内シュート成功率が7%以上も上昇しているが気になる。昨シーズン1位だった項目がボトムハーフへ。思い当たることがあるので後ほど。

対戦相手のオフェンスリバウンド
21-22シーズン:9.75(3位)
22-23シーズン:9.92(3位)

対戦相手のオフェンスリバウンド獲得率
21-22シーズン:27.15%(4位)
22-23シーズン:28.76%(4位)

セカンドチャンスからの失点
21-22シーズン:9.91(4位)
22-23シーズン:11.65(13位)

第15節(年末年始の試合)終了時

相手にも多くオフェンスリバウンドを取られているイメージのある今シーズン。スタッツ的には以外にも昨シーズンとほとんど変わりなし。相手に取られているオフェンスリバウンドの数はほぼほぼ変わっていないもののセカンドチャンスからの失点が増えているので、悪い印象が残っているのかなと。
失点が増えている要員として考えられるのが、ペイント内に侵入を許して、ビッグマンがブロックに飛ぶことでセカンドチャンスを拾われる。また、オフェンスリバウンドを取られてスクランブルな状態になってミスマッチが出来てしまうことも考えられるでしょうか。

結論:リバウンドの強さは変わらずブレックスの武器。ペイント内の得失点の効率に関してはむしろ弱点になってしまっている。何とか改善したい。


何が悪いのか?を考える

何かが悪いから勝てない。オフェンス面とディフェンス面でひとつずつ良くないと思ったところを上げていく。上げた出したらきりがないので今回はひとつずつ。あと悪いことばかり書くのは気が重い。

【オフェンス】打つべき時に打たずにジリ貧

Q.今後のオフェンスの課題は?
A.打てるところで打たずに結局手詰まりになって苦しいシュートでエアボールが今日結構あったと思う。それは昨日も似たような状況があって、そこは変えようと思えば変えられる部分だと思う。

『【試合後会見】2022-23シーズン 12/25(日) アウェー 茨城戦 町田AC(HC代行)会見』より

そもそもオフェンスシステムが良くないと思うけど、今回は置いておくとして。町田HC代行の試合後の会見で語っていたし、最近ブレアリで解説する機会が多い網野さんも指摘している点。何ならアウェイ信州戦で解説していた齋藤さんも同じことを指摘していた。簡単にズレを作れないんだから打つべき時に打て。ただでさえペースが遅いチームなのに、余計に重くなってしまう。

2023/01/15現在で見逃し配信で見れる気になったシーン

・12/24 茨城戦GAME1 4Q8:10
・12/31 信州戦GAME1 3Q1:10
・1/1 信州戦GAME2 3Q0:33
・1/11 仙台戦 4Q7:50
などなど…

【ディフェンス】仕掛けた後が良くない

ショウディフェンスの時にやられすぎている気がする。ハイライトはそのシーンが流れます。2人がボールマンに引っ張られてカッティングからゴール下をやられたり、ショートロールでコーナースリーを許したりといったシーンが多いと思う。ボールマンへのプレッシャーもそうだし、ビッグマンの出るタイミングも重要だと思うけど、そこが少しズレただけで失点に直結してしまう。シュートが外れていてもワイドオープンで打たれているシーンが多いので個人的にモヤモヤ。何年か前のSR渋谷みたいだなぁと思ってしまいました。

2023/01/15現在で見逃し配信で見れる気になったシーン

・12/16 川崎戦GAME1 2Q2:50
・12/16 川崎戦GAME1 4Q3:41
・12/31 信州戦GAME1 4Q9:15
・1/7 名古屋D戦GAME1 1Q10:00
・1/7 名古屋D戦GAME1 2Q7:58
などなど…

こちらは2-2-1ゾーンプレス時。フリースロー成功後やタイムアウト明けに使われることが多く、フロントコートに入られたらマンツーマンに可変するディフェンスなのだが、ブレックスが仕掛けているはずなのに逆に失点に直結している。フロントコートに入られマンツーマンに可変する時にミスマッチになってしまうことが多々あり、注視していた12月は失点するシーンをよく見かけた。特に信州は配置で意図的にミスマッチを作りに来てたのでお見事だった。また、プレッシャー強めで前から当たるゾーンプレスを今シーズンは使うこともあるけど、キャッチアップが遅れてミスマッチを与えてしまっているのでやらない方が良いと思う。リターンよりもリスクの方が大きすぎるなと。

2023/01/15現在で見逃し配信で見れる気になったシーン

12/24 茨城戦GAME1 1Q0:59
12/24 茨城戦GAME1 1Q2:48
・12/24 茨城戦GAME1 4Q3:07
・12/31 信州戦GAME1 3Q4:20
・12/31 信州戦GAME1 3Q3:58
などなど…


CS進出に向けて気になること

2023/01/15 現在のワイルドカード順位表

B1東地区は千葉ジェッツとアルバルク東京が止まらないので、1位2位フィニッシュが堅いだろう。勝率5割に満たないブレックスは今シーズンもワイルドカードを争う戦いになる。

勝率5割以上の相手にいかに勝っていくか

対勝率5割以上:2勝13敗 .133(残り13試合)
対勝率5割未満:11勝3敗 .786(残り18試合)

2023/01/15現在の順位より

勝率5割未満の相手には好成績を残しているものの、勝率5割以上の成績を残しているチーム相手に2勝しか出来ていないブレックス。CSに出場するならば、対勝率5割以上相手にも対等に戦えるだけの実力と結果が欲しい後半戦。特にバイウィーク前のホーム広島戦とFE名古屋戦は非常に重要。北海道と新潟は全勝することを前提として、広島とFE名古屋に勝ち越すことが出来ればバイウィーク前に勝率を5割に戻すことが出来る。オールスター明けからバイウィーク前まで8勝1敗で進めないと行けない計算だが、これくらいやらないとCS進出は間に合わない。まずはここから。

比江島・荒谷・高島の3枚並べ

PG事情が苦しいブレックスに一石を投じそうな比江島・荒谷・高島の190cmを3枚並べる布陣。仙台戦で4分間披露したこの布陣は、前線からプレッシャーをかける高島と、ハンドラーとしてオフェンスを組み立てていた荒谷の持ち味が見れてすごく好印象だった。2人とも比江島におんぶに抱っこ状態ではないことが良い。名古屋DもPG無しの同じような布陣を使っていたけど、ポイントはペイントに入れるハンドラーを2枚並べること。比江島・荒谷・高島を並べる布陣を今後どれくらい起用するかは個人的には楽しみ。

勝て勝て勝て勝てホームやぞ!

ホーム:5勝8敗 .385(残り17試合)
アウェイ:8勝8敗 .500(残り14試合)

2023/01/15現在

Jリーグのとあるチームの横断幕にこんなものがある。後半戦はホームでの試合の方が多いので、ファンの声援を背に勝ちを伸ばして欲しい。勝つことも大事だし、内容も大事。そうすれば観客数も増えていくと思う。


おわりに

10月の成績が3勝6敗だったので、それ以降の成績を見れば10勝10敗。良くなっている部分はあると思うし、ジェレットと高島の使い方の最適解を見つけられると良いなぁと思う。今回触れてないけど、天皇杯とEASL強敵ぞろいだけど勝ちたい。

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次は2月のバイウィーク辺りに書くか、それ以降は休み無くずっと試合が続くのでシーズンが終わったらブレックスについてまとめようと思います。

読んでいただきありがとうございました!

P.S.今回はあまりいい感じに書けませんでした。ご了承ください。

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