見出し画像

宇都宮ブレックス 23-24シーズン 序盤戦雑感まとめ

割引あり

序盤戦から各地区の上位チームと対戦がありつつも勝ち星を積み重ねることが出来ている23-24シーズンのブレックス。今シーズンのロスター的にこれくらい勝てても驚かないし、内容的にもう少し余裕のある戦いができても良いのかもと思ったり。そんなブレックスの序盤戦をざっくばらんに振り返ります。

ブレックスファンの方もそうじゃない方も、このnoteを見れば序盤戦のブレックスが大体見えてくると思います。

※有料部分もありますが、無料部分に書きたいことは全部書いてるので無料部分だけでも楽しめるかなと思います。


序盤戦の成績と振り返り

序盤戦:11勝3敗 .786 東地区2位

ここ最近では珍しい開幕戦連勝で始まった23-24シーズンは、勝率.786で順当な出だしかなと。個人的に開幕前時点で優勝候補だと思っていたA東京と名古屋D、今シーズン絶好調の三遠と戦った中でもこの成績は悪くないかなと。とはいえ、試合内容などを見ると改善して欲しい点などもあるのも事実。

ここまでの勝敗傾向

気になるのはGAME1とGAME2の勝率。GAME2は修正してしっかり勝ちきれていると言えるかもしれないけれど、負けた試合のGAME1の1Qの得点が少ないのが気になるところ。試合の入りは大事。

1ポゼッション差決着は3勝1敗だけど、負けた広島戦は4Qのオフィシャルタイムアウト後10点差から追いかけての2点差負けだった。それ以外の3勝についてはA東京、名古屋D、三遠相手にシーソーゲームをしっかり勝ち切れている。昨シーズンの1ポゼッション差決着は4勝7敗ということを考えても自信の付く序盤戦だったかなと。

東地区2位以上を確保する

東地区順位表とここまでの対戦相手

対他地区の成績

東地区:29勝39敗 .427
中地区:34勝42敗 .447
西地区:45勝27敗 .625

11月バイウィーク突入時点

これがブレックスの今シーズンの最低限のミッションだと思っている。各地区ごとの対他地区の成績を見てみると西地区が圧倒的勝率を残しており、昨シーズンのようにワイルドカードが2枠とも西地区に行く可能性が考えられる。それならば東地区2位以上を勝ち取りたい。ここまでの戦いを見ると、千葉Jが安定感が無いので大丈夫そうだと思っていたのだが…とはいえ、主力選手の長期離脱が無ければ東地区2位以上は勝ち取れる実力はあると思う。


今シーズンの特徴的なスタッツ

23-24シーズンのスタッツ

昨シーズンとは違い11勝3敗と好成績を残せているが、そのスタッツどうなん?って部分もあるので、そういうのも含めてブレックスの特徴的なスタッツをいくつか紹介。

平均得点と得点効率

平均得点:73.67(22位)→77.36(13位)
オフェンシブレーティング:90.92(18位)→91.27(14位)*
公式オフェンシブレーティング:108.79(14位)→110.12(13位)

昨シーズン(22-23)→今シーズン(23-24)
※オフェンスリバウンドを攻撃回数にカウントして計算したもの

得点面に関してはザ・中間という具合。80得点以上の試合が6/14試合と半分を超えてないんですよね。ニュービルやギャビンを加えて個々で良い部分は出ているけど、そこまで相乗効果が出ているかと言われれば現状まだまだなのかなと。HCの試合後の会見を見ても、もっと良くなるんじゃないかなとは思います。

「もう少し良い形でシュートを打てるんじゃないかっていう戦略、戦術、遂行力、連動性のところで上げれると思っているので、バイウィークが本当に勝負だと思っていて。コーチ陣との計画の中でも(序盤戦は)ディフェンスとリバウンドで頑張って、個の力を使いながら綺麗じゃないかもしれないけど勝つことが大事だと思ってる。ギャビンなんてほぼ練習できてないんで直前で怪我してしまって」(高島も指脱臼してた)

【試合後会見】2023-24シーズン 11/8(水) 北海道戦 佐々HC

シュートの試投割合の変化

ブレックスのショットチャート
昨シーズンと今シーズンのFG死闘割合と得失点の内訳の比較

試投割合の変化

3P試投割合:39.29%(12位)→45.18%(7位)
ペイント内試投割合:44.88%(20位)→46.59%(13位)
ミドルレンジ試投割合:15.83%(4位)→8.23%(21位)

昨シーズン(22-23)→今シーズン(23-24)

昨シーズンと比較しすると、2Pの試投数が減って3Pの試投数が増えている。その中でも15.83%の割合を占めていたミドルレンジが8.23%にまで減少。昨シーズン4番目にミドルレンジの試投割合が多かったチームが、今シーズンは4番目にミドルレンジの試投割合が少ないチームに変わった。現代バスケで非効率と言われている、ミドルレンジが減って3Pとペイント内のシュートが増えているのは好印象。

ペイント内得点

ペイント内シュート成功数:15.33(23位)→17.64(9位)= 35.29点
ペイント内シュート試投数:28.53(21位)→30.71(12位)
ペイント内シュート成功率:53.74%(21位)→57.44%(6位)

昨シーズン(22-23)→今シーズン(23-24)

昨シーズン30.67点でワースト2位だったペイント内得点が今シーズンは35.29点に増え9位タイ、成功率もトップ5に迫る好成績。特出している項目ではないが面白い発見が。

ビッグマンのペイント内シュート成功数

竹内 公輔:0.66→0.08
グラント・ジェレット:2.86→2.21
アイザック・フォトゥ:4.91→4.79
スコット→ギャビン:4.14→2.36

昨シーズン(22-23)→今シーズン(23-24)

ビッグマンのペイント内シュート成功数を見てみると、スコットがギャビンに変わったところを含め昨シーズンよりも減っている。ここに関しては、ビッグマンにもう少し決めて欲しいのも本音ではあるが…

メインハンドラーのペイント内シュート成功数

比江島 慎:1.72→2.36
鵤 誠司:1.07→1.50

D.J・ニュービル:3.79

昨シーズン(22-23)→今シーズン(23-24)

一方で、メインハンドラーのペイント内シュート成功数を見てみると比江島も鵤も増えている。また、新たに加わったニュービルが高確率でペイントで得点してくれているのも大きい。ハンドラー陣のペイント内得点が増えている要因のひとつは、やはりスペーシングが広がっていること。また、PnRの時にロールマンにパスを出さずにハンドラーがボールを持つ時間が長くなったことも関係している気がする。

スタメンとベンチメンバーの得点

スタメンポイント:52.18(16位)→54.64(8位)
ベンチポイント:21.48(20位)→22.71(19位)

昨シーズン(22-23)→今シーズン(23-24)

A東京とのGAME2でベンチポイントが2点という試合もあったように、今シーズンもベンチポイントが少ないのが気がかり。ちなみにスタメンポイントとベンチポイントの比率は、昨シーズンとほとんど変わっていない(±0.20%)。

特に対勝率5割以上と対勝率5割未満でのベンチポイントを比較すると…

ベンチポイント(ベンチポイントの割合)

対勝率5割以上(8試合):15.6(21.15%)
対勝率5割未満(6試合):32.2(39.23%)

という具合。端的に言うと、弱いチーム相手には点が取れるけど強いチームには点が取れない。強いチーム相手にベンチメンバーの得点が伸びるかは今後重要になってくると思う。

フリースロー

フリースロー成功数:10.50(21位)
フリースロー試投数:16.00(20位)
フリースロー成功率:65.63%(24位)
フリースロー獲得率:24.27%(18位)

フリースロー成功率最下位です!もっと決めてください!特にニュービルさん!あなたです!成功率50.0%ってなんですか!昨シーズンから25%も落ちてますよ!なんとかしてください!

オフェンスリバウンドとセカンドチャンス

オフェンスリバウンド:12.35(6位)→13.36(4位)
オフェンスリバウンド獲得率:33.01%(5位)→35.08%(2位)

昨シーズン(22-23)→今シーズン(23-24)

オフェンスリバウンドの部分は、本数も獲得率も昨シーズンよりも上がっていて良い感じだと思う。しかし、気になる点が…

セカンドチャンスでの得点:12.85(6位)→11.79(11位タイ)
セカンドチャンス/オフェンスリバウンド:1.04(14位)→0.88(22位)

セカンドチャンスでの得点を見てみると11位タイまで下がってしまう。オフェンスリバウンドが取れているならば、もっと上位でも良いはずなのに…セカンドチャンスの得点をオフェンスリバウンドで割って、オフェンスリバウンド1本辺り何点取れるかを算出してみると、ブレックスはワースト3位に入ってしまうのだ。オフェンスリバウンドは取れているだけに決めきれていないのは歯痒い。

平均失点と失点効率

平均失点:72.07(2位)→68.29(2位)
ディフェンシブレーティング:92.11(15位)→83.63(2位)*
公式ディフェンシブレーティング:106.43(10位)→97.21(2位)

昨シーズン(22-23)→今シーズン(23-24)
※オフェンスリバウンドを攻撃回数にカウントして計算したもの

ディフェンス面が優秀だからこその序盤戦の成績と言えるかもしれない。ディフェンスの質が悪いけどペースが遅いから失点が少なかった昨シーズンとは違い、今シーズンはリーグ屈指の質の高さだ。現状優勝した21-22シーズンを上回る数値をマークしているので継続していきたいところ。

ディフェンスの傾向

昨シーズンと今シーズンのFG死闘割合と得失点の内訳の比較

対戦相手の試投割合の変化

3P試投割合:40.49%(6番目に多い)→42.89%(12番目に多い)
ペイント内試投割合:45.45%(21番目に多い)→41.73%(21番目に多い)
ミドルレンジ試投割合:14.06%(6番目に多い)→15.38%(1番目に多い)

昨シーズン(22-23)→今シーズン(23-24)

ブレックスのディフェンスは、端的に言うとペイント内で打たせない守り方をしていると言えるだろう。ペイントに入らせずに効率が良くないとされるペリメーターで打たせたい。3Pを打たれる本数と割合も増えてはいるものの対戦相手の3P成功率を29.92%と抑えている。

ちなみに、現在勝率1位のA東京は、ブレックスとは逆にペイント内で多くシュートを打たせる守り方をしている。ちなみにちなみに、リーグ全体としてFGAにおける3PAの試投割合は39.48%→42.06%とやや上がっている。

ファウルが少なくフリースローを与えない

ブレックスのファウル数(順位):17.08(6番目に少ない)→16.36(1番少ない)
対戦相手のフリースロー試投数(順位):15.70(11番目に少ない)→13.0(2番目に少ない)
対戦相手のフリースロー獲得率(順位):26.12%(15番目に少ない)→21.04%(2番目に少ない)

昨シーズン(22-23)→今シーズン(23-24)

また、ファウルの数がリーグ1位の少なさで、2番目にフリースローを与えていないチーム。昨シーズンからファウルの数自体はそれほど変わっていないものの、対戦相手のフリースロー試投数は3本弱減らすことに成功している。アンドワン与え過ぎな印象は強いかもしれないけど、良い部分なので継続できるか注目していきたいところ。


開幕前の期待と不安

開幕前に書いた期待と不安について序盤戦で感じたことなどについて、ピックアップして書いてみる。

ペースアップ

ペース:79.14(24位)→83.20(16位)*
公式ペース:67.70(24位)→70.25(20位)

昨シーズン(22-23)→今シーズン(23-24)
※オフェンスリバウンドを攻撃回数にカウントして計算したもの

当社比ではあがっているが、リーグ全体で見るとまだまだ遅い方。個人的には、開幕当初よりもシーズンが進むに連れて、トランジションの意識が落ちていった印象を持った。バイウィーク前の富山戦はトランジションを出そうという意識が見て取れたけど、ターンオーバーになるケースも多く、GAME2の2Q得点が止まったのも記憶に新しい。トランジションの精度は上げて欲しい。

ハーフコートオフェンスでは、打てる場面でもパスを回したり、ビッグマンは3Pを打たずにハンドオフに行ったりというシーンが特に既存メンバーで少し多いかなとも感じたし、HCも会見で話している。これらが良くなれば、もう少しペースが上がりそう。

個の理不尽

わかってたことだけど、比江島とニュービルがいるのは強い。ビッグマンとのミスマッチだけでなく、通常のマッチアップ相手にも1on1で普通に抜いてしまうし、相手が小さかったらポストプレーでも殴れる。クラッチタイムでも思っていたよりも2人の共存が出来ていて、三遠戦GAME2では2人の脅威を囮にして得点して接戦をモノにできたのも序盤戦にして嬉しいサプライズ。

どちらかというと、比江島とニュービル以外の得点をいかに作っていくか。2人が絡みつつ他の選手が得点する形をバイウィークで増やしていければ。現にニュービルのアシスト数が多い試合は、ブレックスのチームオフェンスが機能している試合が多いので。

▼比江島

▼ニュービル

センター不在のインサイド

対戦相手のオフェンスリバウンド:9.53(2番目に少ない)→10.50(5番目に少ない)
対戦相手のオフェンスリバウンド獲得率:27.28%(2番目に低い)→27.89%(5番目に低い)
対戦相手のセカンド・チャンスからの得点:10.70(3番目に少ない)→11.50(8番目に少ない)
対戦相手のオフェンスリバウンド1本辺りの得点効率:1.12(4番目に高い)
→1.10(4番目に高い)

昨シーズン(22-23)→今シーズン(23-24)

インサイドの得点については先程触れたので、ディフェンス時のリバウンドについて。本数自体は昨シーズンよりは取られているものの、今シーズンもトップ5の成績ではある。相手にセカンド・チャンスから効率よく得点を許してしまっている点は、優勝を狙うチームとしては改善していかないと致命的な部分かなとは感じる。


これから期待したいこと

こちらは端的に短く。

オフェンスもうちょい改善できる

「バイウィークが勝負」と佐々HCが話していた通り、オフェンスがどれくらい向上していくかは気になるところ。具体的に言うと、トランジションとPnRでの連携面。トランジションではパスミスが多く決めきれないシーンが多いので修正したい。

PnRに関しては、比江島とニュービルを活かしたいがためか、スリップを使っている頻度が昨シーズンよりも多く感じた。PnRの部分の連携面はバイウィークで取り組むんじゃないかなと予想している。ダイブするにしろポップアウトするにしろもう少しビッグマンを上手に活かしていけたら更に良くなっていくと思う。12月は試合も多く、注目の試合が多いから個に頼りすぎないチームオフェンスを魅せて欲しい。

若手の活躍増えろ!

対戦相手の兼ね合いもあると思うが、徐々に高島と四家に活躍の場が増えてきたのは嬉しかった。高島は指の脱臼の影響が消えてきたという感じなのかもしれない。

四家に関しては。思ったより早くローテーションに入れたなと思った。正直、2ndユニットにプレーメイクが出来る日本人ガードがいないのはめちゃくちゃキツイ。三遠戦GAME2の時のように、ニュービルがファウルトラブルになっちゃうと鵤が出ずっぱりになってしまう。シーズン序盤のこの段階でそう思うってことは、シーズン終盤の大事な時期やポストシーズンでもそう感じる可能性が高いと思う。四家が信頼を勝ち取って今よりも多くプレータイムを勝ち取れるかは今後期待したい。高島もボールをハンドルする機会が増えるのかも見もの。

まとめ

12月の対戦日程

バイウィークでオフェンス面の修正が出来れば、今シーズンはかなり期待できそうな予感がある。ワールドカップに出ていた比江島とフォトゥのコンディション面はシーズン長いので不安は消えないけど、まず天皇杯含め13試合ある12月を無事に貯金を作って乗り越えたい所。12月終了時点の26試合で20勝以上積み上げられていたら本気で優勝が狙える。つまり12月リーグ戦9勝3敗で行く!行ける!

ここまでお読み頂きありがとうございました!
いいねや拡散していただけると嬉しいですし、引用リツイート(リポスト)で感想なども書いていただけると励みになりますし、いろいろなファンブースターの方の感想も気になります。是非教えてください。

オールスター投票もやってますか?俺はたまーにやってます!皆さん投票しましょうね!


有料部分へ

ここからは僭越ながら有料になります。今回書きたいことは無料部分に書いているので、ここまで読んでいただいただけでも有り難いです。

以下の投稿をリポスト(リツイート)すると割引価格で購入できるようです。そんなの出来たんですね!

約10000文字くらいあるようです。以下が内容。

  • ブレックス各選手について

  • B1全24チーム独断と偏見の序盤戦診断

  • 気になる3チーム

有料部分はこれらについて書いてます。軽く説明。

ブレックス各選手について
ブレックスの各選手についてもここまでの雑感を。

B1全24チーム独断と偏見の序盤戦診断

こんな感じで各チームの独断と偏見の序盤戦診断を作ってみました(YouTubeの某サッカー番組のオマージュです)。SABCで評価しつつ、コメントしていく感じです。あくまで個人の感想ですが、楽しんでもらえるかなとは思います。

気になる3チーム
独断と偏見の序盤戦診断を踏まえて個人的に気になる3チームを、スタッツを使いながらもう少し詳しく説明。

という感じの内容です。この後読んでいただける方はコンビニコーヒーを買う感覚でよろしくお願いします。


ここから先は

12,645字 / 52画像

この記事が参加している募集

Bリーグ

サポート頂いたお金はブレックスに使います!