22-23シーズンの宇都宮ブレックス
昨シーズンでCS優勝し、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ22-23シーズン。10月負け越しから始まり、大きな波に乗れず初めてCS進出を逃した22-23シーズンの宇都宮ブレックスをざっくばらんにまとめてみましたので良かったらご覧ください。
有料部分もありますが、無料部分でも約6000文字ありますので楽しんで頂けるはずです。
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今シーズン:22-23シーズン
昨シーズン:21-22シーズン
来シーズン:23-24シーズン
22-23シーズンのブレックスの成績
22-23シーズンの成績を細かくまとめてみました!
22-23シーズン:32勝28敗.533
東地区3位 全体勝率9位
昨シーズンは優勝しちゃったから関係なかったのだが、今シーズンに関してはとても苦しいシーズンでした。
昨シーズンに引き続き地区優勝争いに一度も絡むことが出来なかったブレックス。この2シーズンで千葉JとA東京との差がかなり開いた印象。世代交代をしつつ強さを維持している2チームと、世代交代を進められなかったブレックス。それを重く感じたシーズンであり、来シーズンの課題を突きつけられたとも言えるかなと。
佐々宜央政権1年目はBリーグになってからブレックス過去最低の勝率だった。来シーズンはここから上がるだけ。と思いたいところだ。
序盤戦(20試合):10勝10敗 .500 全体10位タイ
ここからは試合数を区切って振り返っていく。
昨シーズン以上に苦しんだ序盤戦。開幕から琉球、A東京、千葉Jといった上位チームとの実力差を見せつけられ、マブンガが10月が終わったタイミングで早々にチームを去った。11月は笠井が試合に絡みだし、対戦相手にも恵まれながら5連勝を記録するも、河村勇輝の大爆発で連敗し、ジェレットが合流したばかりだった時期。
中盤戦(20試合):11勝9敗 .550 全体9位タイ
特指で加入した高島が6thマンとして定着しつつも、比江島が離脱しオフェンスで苦戦して負けが混んだ。徐々にディフェンスが安定し、2ndユニットのPGが定着しない中で荒谷をPGで試しトランジションを意識してうまく行ったり行かなかったりしていた時期。色々と試しているけどしっくりくる答えが出ない。西地区の強豪にもいい試合を見せていたのだが、そこから更に飛躍させることが出来なかった。
天皇杯:準決勝敗退(初戦敗退)
昨シーズン優勝したことで、今年もスーパーウルトラシードで準決勝からの登場となった天皇杯は千葉Jに完敗。開始から千葉Jのディフェンスを打開できず、比江島とフォトゥがそれぞれ20得点ずつと引っ張ったものの、他の選手の得点が伸びず力の差を見せつけられた。来シーズンは下から上がっていこう。
EASL:グループステージ敗退
本来H&A方式だったEASLは各国のコロナ事情もあり、3月に日本で集中開催となったEASL。1グループ4チームなのだが対戦するのは2チームのみという特殊なレギュレーションで、ブレックスはTNTトロパンギガとベイエリアドラゴンズと対戦。TNT戦は圧勝するもベイエリア戦は激闘の末敗戦、グループステージで敗退することとなった。しかし、日本以外のアジアの強豪チームと対戦できる貴重な機会でとても面白かったし、また出て欲しいと思わせてくれる大会だった。
終盤戦(20試合):11勝9敗 .550 全体8位
本来ならば2月のバイウィークが明けてスパートを掛ける時期のはずだった。連勝し続けなければ後が無いという状況で、積み上げてきたものはほとんど見られず。ブレックスよりも順位の低いチーム相手にもホームで連勝することが出来ず初めてのCS出場消滅。HCが「ショッキングな状況」と口にするほどで、難しい状況の中戦っていたように見えたが、最後は満身創痍の中でもブレックスらしい粘り強い戦いが見られてよかった。
チャンピオンシップ:出場ならず
4月8日の茨城戦の敗戦でCS進出の可能性が消滅。Bリーグになって初めてCSに出られなかった。正直、開幕前ロスターが決まった時は「昨シーズンよりも厳しくなりそうだけどなんとかCS行けたら良いな」と思っていたけど、昨シーズン以上に強豪チームとの差があった。
対東地区:25勝13敗.536 全体9位
ここからは条件別の成績を見ていこう。
簡単な試合は無かったが、東地区全体では勝ち越すことが出来た。千葉JとA東京には苦しい試合が多かったし、こことの差を埋めるためにオフから頑張って欲しいところ。茨城相手に1勝3敗だったのは、戦った時期的な意味でも苦しかった。
対中地区:8勝8敗.500 全体15位タイ
中地区は実力的には3つの地区の中で一番弱いと言えるのだが、中地区相手に貯金を作ることが出来なかった。ここで貯金を作れていたら、もう少しCS争いに絡めていたと思う。横浜BCと信州には初勝利からの連勝を献上し、CSを目指す上で重要な時期に戦ったSR渋谷と三遠にはホームで連勝することが出来なかった。
対西地区:9勝7敗.563 全体7位タイ
西地区の下位チームには取りこぼすことはなかったけど、最後まで地区優勝を争った琉球と島根には勝てず。個人的には沖縄アリーナに行けてよかった。来シーズンは島根と佐賀に行きたい。
ホーム:13勝17敗.433 全体14位
なかなかホームで勝てなかった今シーズン。Bリーグ以降クラブワーストのホーム勝率で、勝率5割に乗せることが出来なかったのは素直に残念。ホームでの平均観客数は4163.07人で4000人を超えた。招待チケットは今まで以上に配っていたり、ホーム最終戦を日環アリーナで行ったりと、いろいろと頑張っていたと思う。新アリーナはよ。
アウェイ:19勝11敗.633 全体6位タイ
千葉JとA東京との対戦は3試合ホームだったり、西地区の4強で琉球以外はホームでの対戦だったりと、比較的強い相手がホームに流れた影響はあるが、昨シーズン程ではないものの全体で見ても悪くないアウェイの勝率だと思う。実はBリーグ開幕以降ホームよりもアウェイの方が勝率の高いブレックス。
対勝率5割未満:29勝11敗.725 全体8位
昨シーズンは勝率5割未満の相手には22勝4敗とほとんど取りこぼすことはなかったブレックスだが、今シーズンはアップダウンが激しく安定感がなかったこともあり、チーム状況が下降気味の時には取りこぼす試合が多かった印象。具体的には12月下旬と3月下旬~4月上旬あたり。
対勝率5割以上:3勝17敗.150 全体20位
今シーズン勝率5割以上だったチームはCS出場の8チームとブレックスの計9チーム。故にブレックスのCS進出チーム相手の成績になるわけだが…今シーズンはことごとく勝てなかった。昨シーズンの1/4の勝率だ。勝率5割以上が相手だった時は70.15得点、78.50失点と良くなかった。編成や戦術などいろいろと考えさせられる内容かなと。
22-23シーズンのブレックスの特徴
CS進出チームを紹介するnoteを書いたのだが、たくさんの方に読んで頂きました。ありがとうございました。今回のCSでブレックスは出ていないので、上記のnoteと同じような形式でブレックスについて書いてみた。
今シーズンの特徴的なスタッツ
昨シーズンでも課題と言っていたオフェンスは、今シーズン更に悪化してしまった。平均得点はワースト3位、オフェンシブレーティングはワースト7位と大苦戦。シーズンが進むにつれてスタッツ的には良くなったが、大きく改善することはなくシーズンを終えた。
では昨シーズンからどこが悪くなったのか。まず、ペイント内で得点が出来なくなってしまった。というよりもペイント内でシュートを打つことすら出来なくなってしまったと言ったほうが正しいかもしれない。FGにおけるペイント内シュートの試投割合は昨シーズンから約10%も減っており、ペイント内得点も7.19点減った。昨シーズンリーグトップクラスだったペイント内の攻撃がリーグワーストレベルにまで落ちてしまった点は、今シーズンのオフェンスが悪くなってしまった一番の要因と言えるだろう。
ペイント内の得点が減ったことでスコットとフォトゥの得点も昨シーズンよりも減ってしまった。故にリーグ全体でも外国籍選手+帰化orアジア特別枠の得点が一番少ないチームになってしまった。総得点における外国籍選手+帰化orアジア特別枠の得点割合が低かったので、逆に日本人選手の得点割合が一番多いチームがブレックスだった。今シーズンのチーム内得点王、比江島が特に頑張った。
ここ数シーズンのブレックスはフリースロー成功率の低さが話題になっていた。しかし、今シーズンそれ以上に問題だったのがフリースローを貰えなくなってしまったことだ。昨シーズンもリーグ中位レベルだったのだが、インサイドを攻められなくなってしまった外国籍選手がフリースローを貰う機会が減ってしまい、リーグワーストレベルでフリースローを貰えなかった。
続いてディフェンス面。昨シーズン、ブレックスがCS優勝したベースがリーグ最高のディフェンスだった。平均失点自体は昨シーズン同様少ないのだが、これはリーグで一番遅いペースのバスケをしていたからこそ。質の部分で見ると、中の上とそこまで良くなかったのが今シーズン。特に序盤戦は攻守に噛み合わず、オフェンスの悪さがディフェンスにも影響してしまったと思う。
守り方的には継続路線ということもあって、昨シーズン同様にペイント内で打たせないチームだったブレックス。それが数値にも現れている。気になるのが、昨シーズンから成功率が約5%上がってしまっていること。序盤戦20試合の相手のペイント内成功率が57.32%でボトムハーフに入るくらい悪かったことが影響していると思う。
昨シーズンからの比較で言うならば、相手にターンオーバーを誘発させられなかった点も大きい。昨シーズンは相手にターンオーバーをさせていた数も割合もリーグ上位だったブレックスが、今シーズンは真逆の位置にいる。ターンオーバーからの得点もそれに比例して悪くなってしまった。
最後くらいは良かった部分に触れて終わろう。オフェンスリバウンドは昨シーズンと同等の強さを見せている。獲得率自体は約1%下がっているものの、相手にオフェンスリバウンドをやらせないことで優位に立つことが出来ていた。
シチュエーション別勝敗傾向
今シーズンのブレックスはとにかく得点を取れるかが生命線だった。80得点以上だった試合は20勝2敗で勝率.909。これは千葉Jに次いで2番目に高い勝率。しかし、80得点以上を記録した試合は5番目に少なかった。
勝ち越してはいるが、外国籍選手が3人揃わない状態で戦った試合は22試合もあり、昨シーズンの5試合から約4倍に増えていたのも今シーズンの成績に響いたと思う。編成と起用法。
対勝率6割以上相手のスタッツ
前述通り、強豪に勝てていないのだからスタッツが悪くなっているに決まっているわけで。気になる点をいくつか紹介する。
平均得点が勝率6割以上が相手になると70点を下回ってしまう。ちょうど4点減っているわけだが、日本人選手の得点が41.57点→37.00点と、日本人選手の得点がそのまま減っていると言える。鵤、遠藤、比江島の3人に加えて高島の4人以外にも強豪相手に活躍できるタレントが欲しいのが正直なところ。
これまでブレックスが武器にしていたオフェンスリバウンド。獲得率ベースで見ると今シーズン平均では、相手よりも約5%高くオフェンスリバウンドを回収していた。しかし、勝率6割以上の相手になるとオフェンスリバウンド獲得率で上回られている。
あとはシンプルにディフェンス面が良くなかったです。全てのシュート成功率がシーズン平均に比べて上がっていて、昨シーズンのような的を絞って守ることが出来なかった印象です。
ブレックスの22-23シーズン印象に残っている試合
個人的に印象に残っている試合をいくつかピックアップしてみた。現地であまり勝ち試合を見ることが出来ず残念だったけど、いい試合もありました。あなたが印象に残っているのはどの試合ですか?
2022/10/01 琉球戦 GAME1
琉球 81-52 宇都宮
2022/10/02 琉球戦 GAME2
琉球 85-70 宇都宮
期待と不安と楽しみと色々な感情が混ざりあった22-23シーズン開幕戦は昨シーズンのファイナルと同じカード。楽しみにしていた沖縄アリーナでポジティブな面はありながらも『今シーズンは厳しいかもな…』という現実を突き付けられた試合でした。GAME1は琉球のフィジカルなディフェンスに対応できず完璧に止められ得点できずフルボッコの完敗。GAME2は苦しい中でも、後半はマブンガと融合した可能性を感じた試合だったんだけど…まさか1ヶ月後マブンガが退団するとは(泣)でも、また行きたいな沖縄アリーナ。
↓沖縄アリーナ行く時の参考にどうぞ
2023/03/03 EASL ベイエリア戦
宇都宮 90-96 ベイエリア
EASLのベイエリアドラゴンズ戦は見ていて楽しい試合だった。圧倒的な個人技とサイズのあるベイエリア相手に負けず劣らずの接戦を演じたブレックス。前半は比江島、後半は高島が大爆発。竹内公輔の渋い活躍もあり、ジェレットもすごく輝いていた。どんなに良いディフェンスをしてもそれを上回るベイエリアの個人技はすごかった。Bリーグでは超スローペースな試合運びをするブレックスだが、EASLのようにペースの速い試合の方が個人的には好きだしワクワクした。国内では味わうことの出来ない感覚をまた味わいたい。
2023/04/22 秋田戦 GAME2
秋田 80-85 宇都宮
CS進出が消滅した後に行われた東地区3位攻防戦。GAME1で完勝した後のGAME2はスタートのメンバーが悪く、ベンチメンバーが見事に立て直した試合だった。しかしながら、不用意なTOVから流れを失い、秋田が高確率で3Pを沈め最大18点ビハインドを負う。そこから我慢強いディフェンスとリバウンドで、笠井や喜多川の得点が勝利の可能性を繋ぎ止め、ジェレットが攻守に持ち味の身体能力を発揮。フォトゥの3連続スリーのサプライズもあり、ここぞで託されたシュートを決めきり勝利に導いたエース比江島。久しぶりに苦しい試合をチーム全員で勝ち取ったと感じたのがこの試合だった。
2023/05/07 千葉J戦 GAME2
宇都宮 82-80 千葉J
恐らくこれを読んでいるブレックスファンの方に「どの試合が印象に残っているか?」を聞いたら99%がこの試合を答えるだろう。前日リーグ最高勝率を更新した千葉J相手に、出た選手がそれぞれの役割を全うしたと思う。特にヒーローインタビューに選ばれた3人。高島は富樫のマークを任されながら、要所要所でスリーを沈めてアリーナを沸かせた。ジェレットはチーム最長のプレータイムの中で得点、リバウンド、アシスト、ブロックとあらゆる場面で存在感を発揮。そして、なんと言っても比江島が凄かった。今シーズン最強の千葉Jをしても、比江島で来るとわかっていても止められない。富樫とローもめちゃくちゃ凄かったんだよ。オーバータイムになってたら千葉Jが勝っていた絵が容易に想像できるくらいに。それをも上回ったエース比江島。苦しいシーズンだったけど、最後まで応援できて良かったなと思える試合でした。
無料部分 終わりに
こちらについても触れておかないといけないと思いました。B-rAidsの皆さん、これまで応援の先導ありがとうございました。ブレアリの圧倒的ホームコートアドバンテージを作り上げていたのは、B-rAidsの皆さんがあってのものだと感じています。声出しが解禁されて嬉しい反面、コロナ禍前のような声の圧力はまだ感じられていないし、無くなってしまったコールも使えたらもっと会場のボルテージが上がるのになぁと思う場面もしばしば。時代に合わせて変わっていかないといけないことは理解しているけど、今回の決定は個人的にはすごく残念なものでした。これからのブレックスの応援がどのようになっていくかはわからないけど、「声」による応援がブレックスに根付いたB-rAidsの活動や貢献はファンの人達は忘れないと思います。改めて、ファンが誇れる応援を先導頂きありがとうございました。
ということで苦しかった今シーズンを振り返りました。
今シーズンの悔しさを来シーズン晴らせるように、ちゃんと補強してくれよな!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
良かった、面白かった、不満、ふざけるな、などなど。今シーズンに関してもこのnoteに関しても、それぞれ色んな感情があると思います。いいねや拡散していただけると嬉しいですし、引用リツイートで感想なども書いていただけると励みになりますし、単純にいろいろなブレックスファンの今シーズンの感想も気になります。是非教えてください。
ここから先は有料になります。こんな感じの内容を書いています。
200円です。普段ローソンで飲んでるコーヒーの値段です。あんまり読む人もいないと思うので好き勝手書いてます。なので、もしかすると不快に思う表現もあるかもしれませんがご了承ください。
ここまで読んで頂いただけでも嬉しいです。感謝!
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