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宇都宮ブレックスに加入したグラント・ジェレットについて

こんにちは、hiroです。
今回のnoteはブレックスに新加入したグラント・ジェレットについて色々と書いていきたいと思います!いつもより短く書いたつもりです!ぜひご覧ください!

これまでの簡単な経歴

アリゾナ大学で1年のみプレーしアーリーエントリー。アリゾナ大学時代のチームメイトには、群馬でプレーするケーレブ・ターズースキーとA千葉でプレーするブランドン・アシュリーがいる(NBAでプレーするソロモン・ヒルともチームメイト)。2013年のNBAドラフトでポートランド・トレイルブレイザーズから全体40位で指名され、ドラフト後オクラホマシティ・サンダーにトレードされる。しかし、NBAでプレータイムを勝ち取ることができず、レギュラーシーズンの出場は8試合のみ。NBAを後にし3年間はGリーグを中心にプレーしており、Gリーグ時代には琉球でプレーするジャック・クーリーともチームメイトだった。

▼ジェレットとクーリーがともにプレーした試合のハイライト

18-19シーズンにシーホース三河に加入。当時の三河は、その前のシーズンでB1最高勝率を残しながらも優勝できず、比江島慎と橋本竜馬が退団し再建モードになったシーズン。また、当時は外国籍は3人契約できるものの2人しかベンチ登録ができないというクソレギュレーションだった。(口が悪くて申し訳ない)

開幕からアイザック・バッツ、ジェームズ・サザランドを中心に起用していたためジェレットは中々プレーができず。バッツが11月下旬にインジュアリーリストに登録されて新たに獲得したケネディ・ミークスが存在感を示すと、バッツがインジュアリーリストを出たタイミング(12月25日)でジェレットは三河を退団。ブレックスが三河と対戦した時は既にジェレットは退団していたので、ブレックスファンで覚えている人は少ないと思う。

三河を退団した後はヨーロッパを転々とし、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ドイツ、トルコ、ロシアとヨーロッパの中でもリーグのレベルが高い環境でプレー。ドイツで所属したチームは以前フォトゥが所属したチームと同じで、フォトゥが2シーズン所属した後に入れ違いでジェレットが加入している。フォトゥがストーリーに上げていたメッセージはこれのことである。

ちなみに、ジェレットとフォトゥは同じエージェント。その流れで加入した可能性はありそうだ。


ジェレットの特徴

グラント・ジェレット - Grant Jerrett -
国籍:アメリカ
リリース時の年齢:29歳 身長:208cm 体重:105kg
ポジション:PF

レギュラーシーズン
9試合 21:03出場 10.1得点 4.6リバウンド 1.1アシスト 2P55% 3P44% FT93% 0.3スティール 0.6ブロック 1.4ターンオーバー 2.2ファウル +1.6

Europe Cup
10試合 21.0分出場 8.5得点 5.2リバウンド 0.9アシスト FG52.2% 2P53.6% 3P45.5% FT71.4% 0.4スティール 1.6ブロック 0.3ターンオーバー 1.6ファウル +7.7

プロフィールと昨シーズンのスタッツ

ジェレット、フォトゥ、スコットの外国籍3人が93年生まれの同い年。三河時代から体重が5kg増量しており、ウィングスパンが7.2フィート(約219.5cm)とPF登録の選手の中では大柄なジェレット。シュートは右利きだけど、ワンハンドダンクは左手が多い印象。そんなジェレットのプレーの特徴を簡単にまとめる。

スリーポイントが上手

彼の一番の特徴がスリーポイント。三河時代は6本のスリーを決めた試合もあるほどで、当時のツイートを遡ってみるとジェレットのスリーの高確率っぷりに度肝を抜かれたバスケファンが多かった。それもそのはずで、NBAにドラフトされた際に一番の評価ポイントがスリーポイントだった。直近3シーズンでも4割近い高確率でスリーを決めている。彼にスリーを打たせるセットやピックアンドポップが見られたら良さげだと思うし、スペーシングで味方を助けられるだろう。三河ではピンダウンをかける側ではなく、かけられる側でスリーを決めていた。
三河を出た後はスリーの試投数があまり多く無いが、昨シーズンのフィーラーくらい(3PA 2.9本)打たせても良いのかなと思う。

▼ジェレットが三河で3Pを6本決めた試合のハイライト

すごく献身的な選手

昨シーズン所属していたロシアのチームの試合を何試合か見てみて感じたのがすごく献身的な選手ということ。一回のオフェンスの間に何度もピックに行ってはダイブを繰り返す。今ブレックスのビッグマンがやっているようなピックだったり、リムランといった動きはすぐにでもやってくれると思う。あと、地味にパスが上手です。

▼見た試合のうちのひとつ

https://www.fiba.basketball/europecup/21-22/game/2010/Avtodor-Saratov-UNAHOTELS-Reggio-Emilia#|tab=boxscore

ディフェンス面は少し心配かも?

ディフェンスは少し気になるところ。三河時代のハイライトを軽く見ただけでも「大丈夫か?」と思うシーンがいくつかあった。昨シーズンプレーしていたチームのピックに対する守り方が基本的にドロップで、ブレックスはショウに出たり色々と仕掛けるチームなので、横の動きについて行けるかは心配。NBAドラフト時はディフェンス面とリバウンド面が弱点と言われていたようだが、昨シーズンの試合を見た感じは三河時代よりは良くなっているとは思う(思いたい)。

フリースローは上手

最後にブレックスファンならどうしても気になってしまうフリースロー成功率。昨シーズンはレギュラーシーズンで25/27と92.6%という高確率。もしかするとブレックスで一番信頼できるフリースローシューターになるかもしれない。


マブンガからジェレットに変わる影響

ジェレットはマブンガと違うタイプの選手。ジェレットが加わったことでどう変わるのか考えてみる。

マブンガ獲得の意図(おさらい)

簡単に言うと、テーブスとフィーラーがいなくなったセカンドユニットをマブンガ中心でオフェンスを組み立てる。マブンガの個人技を活かしながらギャップを作って日本人選手が絡んでいくことが理想だった。ギャップを中々作れないベテランたちが「マブンガ加入で喜んでいる(HC談)」のも理解できるし、ベテランが退団せずに残留させたことを考えれば意図のある補強だったと思う。良い悪いは別として。

ジェレット加入で期待すること

インサイドの負担減
一番に挙げられるのが、インサイド陣の負担が減ること。平均プレータイムが30分近くあるスコットとフォトゥの負担を減らさないといけない現状がある。とりあえず2人が大きな怪我無く戦えたことは良かった。

スリーポイントが増える?
実は2022/12/13現在チームの3P成功率がリーグ4位と好調なブレックス。3PAは19位とアテンプトが多いわけではないものの、リーグ2位の50.0%で決めている比江島とバイウィーク明け46.9%と波に乗った遠藤の2人がチームの3P成功率を押し上げている(他のメンバーは…)。そこにスリーが得意なビッグマンのジェレットが加わるわけです。彼をどのようにブレックスに組み込んでいくかは気になるところですが、ジェレットの武器であるスリーを上手に組み込んで欲しいところ。三河でも見せていたジェレットにスリーを打たせるようなセットが見られると良いなぁ。

オフェンスのスペーシングが広がる
スリーが得意なジェレットはコーナーステイができる選手。先程書いたように、スコットとフォトゥのポストプレーの時に外で待っていても脅威になるシュート力がある。また、ポップアウトでフリーならスリーポイントを狙うこともできるし、ビッグマンを釣り出せればインサイドにスペースができるのでハンドラーがアタックしやすい状態が生まれやすい。

ジェレット加入でも解決できないこと

日本人選手のプレーメイク
一方でジェレットが加入しても解決できないこともある。それは日本人選手またはジェミンを中心にプレーメイクを行わないといけないこと。荒谷と笠井でセカンドユニットのオフェンスを組み立てて欲しいところだが、現状はスタメン組を混ぜながら試合を進めている。それが悪いことではないけれど、スタメン組の負担が大きいと感じているブレックスファンも多いのではなかろうか。ジェレットにアリウープを出すも、ポップアウトでスリーを打たせるも、日本人選手が演出しないといけないのだ。
当初予定していた戦術マブンガが使えなくなってしまった以上、荒谷と笠井の成長が待たれるし(個人的にはジェミンもここに割って入ってほしいが)、ジェレットを加えて行くタイミングで特指の高島もローテーションに組み込むかもしれない。可能性は低いと思ってたけど、早いタイミングでの獲得だったのでありえそうな気がしてきた。

ビッグラインナップ
ボールハンドラーのできるマブンガと違うジェレットの加入により、ビッグラインナップをやる可能性は低くなったのかなと。ジェレットはスリーが得意とはいえ、ビッグラインナップをやるならばブレックスのオフェンスシステムを変えないと機能しないと思う。ロシター、ギブス、スコットを並べた時も書いたし、結局オフェンスが機能不全でうまく行かず優勝できなかった。そもそも、ビッグラインナップを仕込めるだけの時間は無いのが現実かな。


合流してからが本番

ジェレットの契約が発表されて「やったー!」ではあるけれど、ここからが本番なわけで。ここからが難しいのです。

コンディションが良いとは限らない

ジェレットは昨シーズンはロシアでプレーしていたが、ウクライナ侵攻が始まり退団。記録として残っている最後の公式戦出場は2月18日なので、約10ヶ月公式戦をプレーしていないのは少し気になるところ。トレーニングはしていたとは思うけど、試合勘が戻るのは少し時間がかかるかもしれない。

練習する時間がない

11㈰ 富山戦
12㈪ 休み
13㈫ 前日練習スカウティング
14㈬ 秋田戦
15㈭ 移動&コンディション調整スカウティング
16㈮ 川崎戦
17㈯ 川崎戦
18㈰ 休み

考えられる1週間の日程

週3試合の過密日程が始まってしまったので、今週はまともに練習ができないだろう。幸いなことに翌週はEASLが無くなった関係で週末2試合のみで練習できる時間がある。もしかすると、そこまでコンディション調整をして、クリスマスゲームの茨城戦のデビューということも考えられるかもしれない。いきなり使って怪我をするのが一番怖い。1月はEASLの水曜ゲーム2試合が無くなったりオールスターがあったり、2月上旬は週末のみと12月よりも日程的には余裕がある。選手のコンディション的にハードな練習はできないだろうけど、連携を高めるにはありがたい期間なのかなとも思う。2月15日には天皇杯の準決勝があるので、そこまでにチームとして形が見えたら良いなと。昨シーズンみたいな残念な試合にならないことを祈りたい。

おわりに

ジェレットは魅力的な特徴を持った選手で楽しみな半面、時間もなく不安も多いのが本音である。ここからチームを仕上げていくには時間が短すぎるし、ブレックスも成長するだろうが他のチームも同じように成長していく。

現状勝率を5割以上に持っていくことが出来たけど、WC的にも2位以上に入れていないので厳しい戦いが続く。もったいないミスや負けが出てくるとは思うけど、成長痛だと思って温かくも時には厳しく応援していきたいと思う。

よろしければ、いいねやリツイートもよろしくおねがいします。リプライや引用リツイートで感想もお待ちしてますよ。投げ銭も非常にありがたいですm(__)m笑

読んでいただきありがとうございました!


【おまけ】高島紳司について

ありかじめ言っておきますと、インカレで大東文化大学の試合を1試合見て、試合ハイライト数試合を見たくらいのレベルですので、本当におまけ程度で見てください。

持ち味はシュート力とディフェンス

高島 紳司 - Shinji Takashima -
国籍:日本
リリース時の年齢:22歳 身長:191cm 体重:86kg
ポジション:SG

リーグ戦
26試合 27:17出場 8.0得点 2.7リバウンド 1.4アシスト 2P43.31% 3P26.67% FT65.00% 1.3スティール 0.3ブロック 1.0ターンオーバー 1.4ファウル

リーグ戦平均スタッツは個人で集計

高島といえば昨シーズンの大阪でプレーした川崎戦と島根戦だと思う。13試合の出場で平均19:21 6.2得点をあげており、スリーの成功率は15/32 46.9%だった。美しいアーチのシュートは入りだしたら止まらない。だが、オータムリーグのスタッツを見ると、昨シーズンの大阪の活躍からは信じ難いような成功率だと思ったのが正直なところ。あと、意外とコーナーにいることが多いなと思ったのだけど、どうなのだろうか。大東文化を見ていた方いたら教えてほしいです。

また、大学に来てディフェンスが鍛えられたと言っており、それも持ち味と語っていた。確かに試合を見ると大東文化はディフェンスで色々と仕掛けていたしフィジカルに守れていたので、ブレックスでも更に成長して欲しい。

参考にしている選手は比江島

Q 選手として影響を受けたり、映像をたくさん見るなど参考にしている人は?
「自分はすごくBリーグを見ています。宇都宮ブレックスの比江島(慎)選手だったり、アルバルク東京の田中(大貴)選手は自分と同じポジションなので、ステップやピック&ロールがすごくうまいので、そういうところは参考にしています」

オータムリーグ出場選手インタビューより

比江島だけでなく、ディフェンスの上手な鵤と遠藤もいる。試合に絡む場合、役割的にはセカンドユニットで荒谷と同じ役割になると思う。もしくはスポットアップ要員か。良いお手本がいるので、どんどん吸収して活躍する姿を見れたら嬉しい。

油の乗った選手を獲れないなら育てるしかない?

世代交代がうまくいっていないブレックス。20代の油の乗った選手を獲得できていない。獲得しないのかできないのかはわからないけど、獲れないとなれば育てるしかないのかなと。荒谷、ジェミンに加えて高島。一見同じポジションに固まってるとも言えるけど、若い選手たちが競争してプレータイムを勝ち取ることはすごく良いことだと思う。これまでのブレックスには競争がなかった。スタメン組を脅かすくらいの存在が出てきて欲しいのが本音だけど、先も見据えて若手の才能を伸ばしつつ今シーズンを戦って欲しい(勝ちながら育てることが難しいことは理解してます)。


参考サイト

グラント・ジェレット

高島 紳司


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