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地球のしごと大學って何?③~NPO法人として独立。価値観転換とローカリゼーションの登竜門に~

専門学部の誕生

教養学部がスタートして2年後、2016年から専門学部が誕生しました。まず最初に始めたのが「自伐型林業学部」です。小規模で自立でき、且つ山林を長期視点で持続可能なカタチで経営する林業の手法です。まさに「地球のしごと」です。自伐型林業推進協会の代表理事、中嶋健造さんのカリスマチックな講演の効果も有り、受講者は瞬く間に集まりました(2021年春現在、自伐型林業学部だけで既に200名に近い受講生がいます)。

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続いて岡本よりたかさんとの「循環農業学部」や地産材を活用した伝統建築を学ぶ「伝統構法建築学部」など専門学部は拡大していきます。通底しているのは、自然と共生する思想を反映している仕事であることです。

仕事には「暮らし」と「務め」と「稼ぎ」の3種類有り、それ一本で生活する稼ぎを得られるものもあれば、「暮らし」領域の仕事にフォーカスしているものもあり、収入を得られる見込みは仕事モデルによって異なります。いずれも自然環境や地域社会との関係性を紡ぎ、心が豊かになる仕事にフォーカスしています。

図1

クロス受講も増えてきています。今年は教養学部、来年は循環農業学部。あるいは今年は自伐型林業学部、来年は教養学部。など年をまたいで複数受講していただいている方達です。ツワモノは4学部制覇など嬉しい連続受講も出始めました。そして実践者も増えてきました。2021年時点で約100名の方が移住または地域での実践活動を始めています(正確な数字は追えないため概算値です)。

NPO法人として独立

組織も変化しました。地球のしごと大學は株式会社アースカラーがずっと運営してきましたが、2018年12月に分離してNPO法人として独立させました。なぜなら、

市民学校は株式会社より非営利組織のほうが親和性があるから        

純粋に受益者から受講料を頂き運営するモデルだけではなく、寄付金や助成金、補助金なども獲得できるような組織にしたほうが趣旨に適うし、発展すると考えました。実際に、2020年から環境省の「地球環境基金」、経済産業省の「大企業人材等の地方での活躍推進事業」などの助成金・補助金事業にエントリーし採択されました。

また、NPO法人であれば、プロボノの採用や、自分を含めてボランタリーパワーを募りやすく、運営人材面の強化が図れることも大きいです。

改めて、この市民学校は何を目指しているのか?

改めて、地球のしごと大學が目指す先を書いてみます。もはや農山漁村への移住者を増やすという単純なことがゴールではありません。移住者を増やすだけであれば目先のニンジンをぶら下げ、従来の資本主義の延長を田舎に持ちこんだ手段は色々と考えられるでしょう。そうではなく、我々は明確にグローバリゼーション(いわゆる資本主義と市場原理主義)の終焉を予期し、成熟したローカリゼーション(地域資本主義、自律分散、質的向上)を支持します。単純に江戸時代以前に戻ろうということではなく、歴史に学び、現代のテクノロジーも活かしたローカリゼーションです。受け皿となる農山漁村をアップデートし、新しい地域の担い手となる人材を輩出していくのです。その行動を「地球のしごと」と定義しています。

缶コーヒーのCMではないですが「世界は誰かの仕事でできている」。  そう、「地球は誰かの仕事でできている」です。地球環境や地域社会に貢献する、時代の変化の先端を捉えた「しごと」を学び、実践することで多くの人の意識が変わっていきます。足元の仕事がサステナブルなものに変化することで、世界はサステナブルになるというロードマップです。

地球のしごと大學は、その価値観転換の触媒となれたらと思っています。 以下、イメージ図。

図2

違う表現をすれば、極限の分業と金融資本主義による謎の価値創造から生まれたブルシットジョブ(※)から、人間が地球で生きる上で本来とても重要な、エッセンシャルジョブへとスポットライトを当て直す。とも言えます。農林水産業や子育て教育、電気ガス水道など地域エネルギー、地域密着型の医療、飲食サービス業などです。これらエッセンシャルジョブは労働集約型で効率よく稼げる産業ではないため、資本主義経済の中では劣等扱いされています。どう考えてもおかしいです。                             ※やりがいも意義も薄いクソどうでもよい仕事のこと。引用:書籍ブルシットジョブ

私は、必要な仕事を真っ当に真摯にこなすことで大の大人が立派に食べていける世界を創りたいのです。今はそうではないから、エッセンシャルジョブに就いている大人は、「子供には継がせたくない」(きつくて稼げないから)と自己卑下してプライドを持てないため、子供に対しては勉強して都会に出ろ、と言うしかないわけです。こうして優秀な若者は田舎を捨て、都会に出て、稼げる別の仕事を探してしまうのです。

実は逆です。

稼げるブルシットジョブはいっぱいあるかもしれませんが、やりがいや誇りはそうそう持てません。そう、第一話で書いた都会の無気力サラリーマンに話は戻ってきます。稼げるかもしれないけど命が輝かない仕事の経験をした人達が農山漁村を志向しているのです。。大事なのはブルシットな仕事世界を経験したからこそ持てるマインドセットです。様々な経験を経て、本当に大事なことは何なのかに気づくという過程が重要なのです。大人が変われば子供も変わります。これから若者がカッコいいと憧れる職業は、エッセンシャルジョブである「地球のしごと」となるはずです!!!

仕事のモデル化⇒地球のしごと図鑑

ではこれからの地球のしごと、地球のエッセンシャルジョブをどう学んでいく場を創るか。教養学部を展開していると、様々な講師の方と巡り合い、現場を見る機会に恵まれます。これいいね!という仕事モデルの候補がどんどん挙がってきます。そこで私たちは、農山漁村で求められるエッセンシャルジョブを一つ一つモデル化していく、という方針を定めました。

図3

          <地球のしごとモデル図鑑 案>                ※環境省「里海ネット」WEBページ画像をもとに作成しています。

私たちは随時仕事モデル図鑑を更新し、学部展開、受講者増を目指して活動していきます。ようやくこの方向性で走れば間違いない!という確信にたどり着きました。これからの地球のしごと大學にぜひご期待ください!!!(地球のしごと大學って何?シリーズ、了)

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