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NSCでの初ネタ見せ大スベり事件  ~双子ネタをやらなくては~

今までに何百本の双子ネタを作ってきただろうか。

ベタなものから映画の様なものまで様々なネタを作ってきた。

漫才でもコントでも。

そりゃ、双子だから双子ネタ作るでしょ!って思うかもしれないが、

NSC入りたての時には双子ネタを作ろうなんて全く考えていなかった。

双子ネタをやるきっかけは、

NSCでの初ネタ見せ大スベり事件があったから。

僕たちは熊本から上京し、1年間バイトしてお金を貯めて東京NSC14期生として入った。(結局ギャンブルし過ぎて、二人ともお金借りて入った)

子供の頃から漫才をたくさん見てきたし、自分たちでも何本か作った事があった。

だからなのか、なんか変な自信はあった。

そして僕たちは作戦を立ててNSCを攻略しようとしていた。

まず、NSCに通っていたり詳しい人を探し、話を聞き情報を集めプランを立てた。

3ヵ月間は様子を見て周りの芸人のレベルを探る。

発声やダンスや演技などは必要最低限の出席でよい。

ネタ見せの授業は全部出席して、先生が他の芸人へのダメ出しをしてる内容を分析。

面白い人を見つけたら近づいて仲良くなる。

そして初めてのネタ見せでぶちかまして、周りをあっと驚かせて名を轟かせる。

結果的にこの作戦は失敗に終わり、双子ネタを始めるきっかけとなる。

東京NSC14期生は約600人いて、クラスはA~Fまであって各100人いた。

僕たちはA組だった。なので最初は基本的にA組の人としか授業が一緒にはならなかった。

分析好きな僕は、ノートを広げA組のネタ見せをしたコンビやトリオの名前を書き、その横に⭕❌を付けた。

カゲヤマに真っ先に❌を付けた事を覚えている。

自分でも最低な野郎だと思う。

ダイは持ち前の主人公気質を生かし、組を関係なく面白い人に近づき、仲良くなった。

相席スタート山添曰く、

F組の授業終わり、壁にもたれ掛かったA組のダイが山添に

「君面白いね、自己紹介遅れました、俺はダイタクのダイ。以後お見知り置きを」

と言ってきたらしい。

同じDNAを持つ人間だが、よくこんな事言えるなと思う。

1回もネタを見せない双子が、3ヵ月間こんな事ばかりしていたので、信じられないくらいハードルが上がっていた。

そんな事になっているとは知らない僕たちは、3ヵ月間の沈黙を破り、満を持して初めてのネタ見せをした。

カゲヤマ曰く、

ネタ見せ表にダイタクって名前が書いてあった時に、A組がざわついたらしい。

ついにあの双子が動き出した。

一体どんな双子ネタをやるのかと。

しかし僕たちがやったその時のネタは、学校の全校集会で気持ち悪くなって保健室行く奴いたよな!っていうベタな普通の漫才。

たしか、朝食でミノ食べ過ぎたみたいなボケがあった。

大スベりをした。

A組が静まり返った。

これはネタがつまらないからと言うよりも、

あの尖り散らしていた双子のネタがめちゃくちゃ普通だったからだ。

先生からも、君たち双子なのになんでそんな普通のネタやってるの?と言われた。

青天の霹靂だった。

この時初めて、双子をネタにしなければならないのか!と思った。

今では考えられないが、僕たちは双子をネタにするという発想すらなかった。

子どもの頃に見ていた面白い漫才を僕たちもやればいいとしか思っていなかったのだ。

幸か不幸か、これを期に僕たちは双子ネタを始めた。

幸か不幸か、初めて作った双子ネタでA組が爆笑した。

幸か不幸か、だから今でも双子ネタを作っている。

今からガスト行ってダイとネタ作りです。

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