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プライベートブランドはジェネリックなのか

こんばんわ、保険証に「ジェネリックで頼むぜ!」シールを貼っているケイタです。


店頭で接客した際、PBを薦めると「これってジェネリックだよね?」って言われる事が多々あるんですよ。


お互い時間ないので

「ええ、まあ、厳密には違うんですけど、そんなようなもんですねw」

とか言ってしまうんですが、今日はその「厳密」の話でも。


↓PBの記事を読んでない方はコチラを読んでください↓

理解しやすいため、解熱鎮痛剤を例にとっていきますね。


成分はCMとかでも聞いたことがあると思いますが『イブプロフェン』です。


ではいきましょう!(時間のない方はメニューから「まとめ」をどうぞ)


▼先発医薬品


新しく開発された薬は、国の審査と認可を受けてから発売となります。


これが「先発医薬品」で、特許みたいなもんですね。「独占的販売期間」といい、発売から10年間有効です。


そのメーカーしか使えないため、10年間メーカーにとって莫大な利益を生み出します。


イブプロフェンは海外で開発されましたが、日本では科研製薬が先発医薬品として「ブルフェン」を発売します。



▼後発(ジェネリック)医薬品


そして10年経つと特許が切れ、その薬は他のメーカーも作って良い事になります。


これが「ジェネリック医薬品」ですね。


カンタンに言えば、自分だけのレシピをクックパッドに公開するようなものです(と言うか、法律でさせられる)。


そうすると他のメーカーが同じ薬を発売できるようになるので、供給過剰になり薬価が下がるんですね。


なのでメーカーとしたら莫大な開発費を独占的販売期間にどれだけ回収するか、がポイントとなります。


イブプロフェンも「ブルフェン」のジェネリック医薬品が昔はあったようですが、今はほとんど使われません。そりゃお店で売ってますからね。


因みにジェネリック医薬品は、製薬名の後にメーカー名が入るのですぐ分かります。


例えばイブプロフェンの先発品のブルフェンは「ブルフェン顆粒20%」という正式名称ですが、イブプロフェンのジェネリックは「イブプロフェン顆粒20%『ツルハラ』」という名前です。



▼スイッチOTC


データも集まり、成分の安全性が確立された…と専門家の間で認められると、「評価検討会議」が厚生労働省で開かれます。


ここで認められると、晴れて市販薬として販売できる訳です。


これを「スイッチOTC」と言います。


イブプロフェンは日本で2番目のスイッチOTC薬で、1985年にエスエス製薬が「イブ」という製品名で販売を開始しました。


その後も「イブ」に様々な成分をプラスして「イブシリーズ」を展開するのですが、市販薬となってしまった以上、どのメーカーでもイブプロフェンを製品化する事は可能です。


ナロンエース、リングルアイビー等は有名なイブプロフェンの製品です。


▼プライベートブランド


そしてプライベートブランドって何だって話ですが、カンタンに言えば「有名製品をマネた自社製品」です。


そこら辺のドラッグストアに行けば必ず「イブA」のそばに似たような怪しい名前の製品があるはずです。


それは「ジェネリックから市販薬に落ちたイブプロフェンを使った有名製品をマネた自社製品」な訳です。


プライベートブランド製品については冒頭のリンク記事を参考にして下さい。


▼10秒でわかるまとめ


カンタンにまとめます。


①薬が開発される

ーーーここから病院で処方される薬ーーー

②先発医薬品として世に出る

③特許が切れ、ジェネリック医薬品となる

④安全性が認められ、市販薬として販売できる(スイッチOTC)

ーーーここから市販薬ーーー

⑤スイッチOTC化で色んなメーカーが市販薬を作る

⑥その中でもよく売れる製品を、ドラッグストアが自社製品として販売する(プライベートブランド)


こうして、非常に安く薬が手に入るようになるんですね。


イブプロフェンは60年前にリウマチの処方薬としてデビューしました。


それが2020年には数百円で買えるようになりました。


今、手元にある市販薬や処方薬はどうやって誕生し、今後どんな運命を辿るんでしょう。


服用する前に考えると、面白いですよ。



ではまた。



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