登録販売者制度ができる前のドラッグストア【黒色】

こんばんは、noteはかなり久しぶりのケイタです。


ふと昔の事を回顧したくなりました。秋だからかなw


さて、登録販売者という制度ができて10年以上経ちましたが、制度ができる前ってご存知ですか?


登録販売者ができる前のドラッグストアはどんな感じだったのか回顧しましょう。


法律的なはなし


法律的には全ての医薬品は薬剤師(もしくは薬種商)が店舗にいないと販売してはいけない事になっていました。


今と違って「第3類医薬品」や「指定第2類医薬品」なんて分類はありません。


今では第1類のガスター10も、指定第2類の鎮痛剤も、第3類の漢方薬やビタミン剤も、全て「医薬品」という括りのため薬剤師の常駐が必須でした。


薬剤師不在時間は販売できない決まりだったんですね。


なので営業しているドラッグストアには必ず薬剤師がいる「はず」でしたし、ひとりでは無理ですので(休み取れない)少なくとも2名は必要です。


そうすると人件費は嵩みますし(薬剤師の時給は一般の2~3倍)、残業させると残業代も大変な事になります。


さて、実際はどうだったんでしょ。



実際はどうだったか


数字で見てみましょう。


まず昨年のデータです。当然、登録販売者のみの店舗が大半となります。


2019年(登録販売者あり)

ドラッグストア店舗数 …18,000店舗
国内薬剤師数     …約30万人


そして登録販売者制度が導入される前の15年前のデータです。当然、登録販売者はいません。建前上は全店に薬剤師が常駐しています。


2005年(登録販売者なし)

店舗数 …15,000店舗
薬剤師数…約25万人


この店舗数はあくまでドラッグストアで薬局は含まれていません。


まあ無理ですね、薬剤師が不在でも営業している店舗は数多くあったのが実情です。。


法律上の「管理者」は必要なので、名義だけ存在して勤務実態のない薬剤師がいた店は多かったはずです。。


業界全体、アウトでした。


こりゃダメだよね、という事で登録販売者という制度が導入された訳です。



さて、ここでゲストを紹介します。


18年前にドラッグストアに入社した『K社員』さんです。


対話形式で振り返ってみましょう。


当時のドラッグストア


ケイタ「こんにちは、では当時のお話を聞かせて頂きますね。当時、店舗に薬剤師はどれだけいたんですか?」

K社員「そうだねー、僕がいた店は薬剤師はおじいちゃんのパート薬剤師1人だったね。10時〜21時の営業時間で平日の10時〜17時までしか勤務してなかったから、他の時間は資格者不在だったね!」


ケイタ「では土日は完全に資格者不在?」

K社員「そうだよ、あと平日も希望休出されたら不在だね。」


ケイタ「それって完全にアウトですよね。監査入ったらどうしてたんですか?」

K社員「監査が入ったら僕のいた店は『他の店に商品を取りに行ってる』って事にして、他の店にいる薬剤師を呼んでたね。だから勤務実態のない薬剤師が登録されてた覚えがあるな。」


ケイタ「お客様から『薬剤師いる?』って言われたら?」

K社員「そしたら僕らが行くんだよ、『私が薬剤師です』って言わなければ良いって店長に言われてたなw あとは名札を外して行ってた。薬剤師は名札見れば分かるからね。」


ケイタ「薬の知識はどうしてたの?」

K社員「市販薬の解説する分厚い本があった覚えがあるね。お客様から聞かれて分からなかったらその本を持ってきて『ほら、ここにこう書いてあります』って言えって教えられてたねw」


ケイタ「アウトですやん」

K社員「だからアウトなんだって」




とまあ、こんな状況を打破するために生まれた登録販売者制度。


当時はドラッグストア店員が必死に勉強していました。


僕も必死に勉強しましたね、懐かしい。


今となっては『医薬品登録販売者』という名前になり、当時よりは知名度が上がったと感じていますが、個々が研鑽して社会的立場を上げていかないといけないと感じています。


さて、今日も頑張って接客しましょうか。


ではまた。


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