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ザ・ハントが描くSNS監視社会のディストピア

階級社会で選ばれし上流階級が選ばれし下流階級を合法的にハントする話。
やたらと白人や黒人に対する差別はいけないという話がハンター側から出てくるので、いやいやお前らが一番肉体的に下流として彼らを差別してるじゃん、と思ってみていたが、ハントされる側の発言に過敏になっていたり、やたらと個人的に恨まれるようなことしてないか?と聞いてくるあたりが伏線だったとは。
格差社会問題という大きな問題に見せかけながら、結局は個人的怨恨というか嘘から出たまことというか、SNS社会問題風刺だったのか、と納得。
ジョージオーウェルの動物農場という作品が引き合いに出され、陰謀論によって農場を追い出されたスノーボールは陰謀論によって会社をリストラされたハンターにも見立てられるし、ハンターによってハントに引きずり出された主人公という見立てもできる。
ジョージオーウェルというと1984に代表されるように、政府の監視・検閲による管理社会批判が有名だが、現代においては、政府→国民という管理ではなく、国民⇔国民という、SNSによる相互監視・管理社会になっており、パノプティコンのような自律訓練型のさらにタチが悪くなった究極の管理社会が到来している、というディストピアなのだと言える

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