茨城県の各都市の公示地価の様子

こんにちは。つくばに住む研究者です。

今回も前回と同様に公示地価のデータを取り扱います。今回の目的は、国土交通省が発表する茨城県内の公示地価の基準地点について、価格に応じて色を変えながら地図上にプロットして観察することです。

まずは茨城県の公示地価のデータを読み込みます。

from google.colab import drive
import pandas as pd
import numpy as  np

drive.mount('/content/drive')
dir_path = '/content/drive/MyDrive/Colab Notebooks/Data/2023_07/'
df = pd.read_csv(dir_path+'L01-2023P-2K_08.csv',encoding='SHIFT-JIS')

.head()を使って公示地価のデータを確認してみましょう。

df.head(3)

経度、緯度は秒表記です。今回の記事で地図上(folium)で扱う場合はこれを10進表記に変換する必要がありますので、60*60=3600で割ります。

df['緯度']= df['緯度']/3600
df['経度']= df['経度']/3600

次に、地図の表示に必要になるライブラリをインポートしていきます。

import folium
from branca.element import Figure

準備ができたので、さっそくプロットしていきましょう。

map = folium.Map(location=[df.iloc[0]['緯度'], df.iloc[0]['経度']], zoom_start=9)

for index, row in df.iterrows():
  folium.Marker(location=[row['緯度'],row['経度']]).add_to(map)

map

少し分かりにくいですが、東京都寄りの市区町村や水戸・日立などの大都市には基準地点が密集していることがわかります。一方で北部には殆どありません。

次に、これらの点を価格に応じて色分けしていきます。1平方メートルあたりの価格が高い基準点を青で、そうではない基準点を赤にして表示します。

数字に対応した色を呼び出す関数をつくります。(詳細は過去の記事を参照)

import matplotlib.cm as cm

#RGB形式をHTML形式に変換するための関数
def rgb_to_hex(rgb):
    return '%02x%02x%02x' % rgb

#数値(price), 値域v, 色域c を与えると対応した色を返す関数
def color_creator(price,v,c):
  degree = sum(price >= v)
  color = c[degree]
  color = rgb_to_hex(tuple((color[0:3]*255).astype(int)))
  return color

cという変数に赤->白->青へ変わっていくRGBのグラデーションを作成し、vという変数には対応させたい値域を設定します。地価priceが与えられた時に、vの中でいくつ目の数字に対応するのかを判定し、その番号のグラデーションを取り出します。

これで地価に対応した色付けができるようになりました。基準点について、実際に地図上にプロットをしていきます。

map = folium.Map(location=[df.iloc[0]['緯度'], df.iloc[0]['経度']], zoom_start=9)
v= np.arange(5000, 80000, 5000)
c = cm.coolwarm_r(range(0,250,int(250/len(v))))


for index, row in df.iterrows():
  folium.CircleMarker(location=[row['緯度'],row['経度']],
                      radius=5,
                      alpha = 0,
                      fill=True,
                      fill_opacity = 1,                     
                      fill_color='#'+str(color_creator(row['R5価格'],v,c)),
                      color=None

                      ).add_to(map)

map

実行結果は次のようになります。

主要都市の中心部には多くの点が集まっており、地価の高い(=青色の濃い)基準点が連なっています。地価の高い基準点をもつ都市である守谷市、つくば市、水戸市、日立市は、東京からみて北東の方向に直線的に存在していることがわかります。

主要都市について、少し拡大してみてみます。まずは守谷市とつくば市です。

守谷市とつくば市の駅周辺は県内でも地下の水準が高いようです。また、その間に存在する「みらい平」駅も同様に高いことがわかります。県庁所在地の水戸についても見てみます。

水戸駅周辺は高い地価の基準点が多く集まります。主要部の北側にある那珂川を超えてひたちなか市に入ると、地価は大きく下がるようです。細かい数は数えていませんが、水戸や守谷に比べ、つくば市の中心部は少し基準点が少ないようにも感じますね。

次回は県内の主要都市について、産業や職業別の就業者数についてみていこうと思います。

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