ずっと、新郎新婦に「嘘」をつかなくていい結婚式をお手伝いしたかった。
新郎新婦にとって最適な提案をすることを突き詰めて考えると「全て原価で提供する。」しか結論はありませんでした。
ずっと分かってはいたことだけど、このことを言い出せるまでにずいぶん時間がかかりました。
でも、もう逃げません。
はじめます。
ウェディング業界のどうしても「嘘」が発生する構造
まず大前提として、ここでいう「嘘」は新郎新婦を騙して暴利を貪ろうという意味合いの「嘘」ではありません。
そして、ウェディング業界には本当に新郎新婦のことを思って、真摯に向き合い、適正価格で価値提供をしている人がほとんどであることは断って起きます。
あくまで、突きつめて新郎新婦にとって最適なものを提供しようと考えても「嘘」が発生せさざるを得ない構造になってしまいっているという意味で使っています。
その構造とは商品仕入価格に対する「ブラックボックス」の存在です。
例えば、「10万円のレンタルドレスの仕入価格はお客様には分からない」というのが「ブラックボックス」の正体です。
なんだ、ビジネスなら当たり前のことじゃないかとご指摘もあるかと思いますが、そのとおりです。
しかし、結婚式においてはこれが障害となってしまいます。
なぜかというと、新郎新婦が結婚式という商品に対する知識をほとんど持っていないからです。
結婚式は人生において最初で最後のお買い物
新郎新婦にとってそのほとんどが結婚式は人生において最初で最後のお買い物になります。
つまり、無限大に拡がる結婚式における商品相場というものを理解することは購入経験があるか、この業界のプロでも無い限り不可能です。
この業界に携わっているプロでも難しいことですので尚更です。
商品知識のない状態というのは、商品提供側からすれば何でもありの状態になります。
本当はそのプランナーが良いと心の底から思っていない商品でも、取引先と交渉し利益率が高ければ採用し提供することが可能になります。
だから、結婚式において最適な価格と品質で新郎新婦に納得していただくためには、この仕入価格の「ブラックボックス」を排除する以外に方法はありません。
結婚式において「ブラックボックス」がない世界
商品仕入価格をオープンにすることは新郎新婦に対して全ての「嘘」を排除することにつながります。
世界中からその新郎新婦にとって最適な商品を探して提供することが可能になり、もちろん適正価格になります。
シンプルにいえば、提携先別の利益率など一切考慮する必要はなく、プランナーの力量次第で無限大に価値の高い結婚式を提案することが可能になります。
また、結婚式のコンセプトにおける表現手段は格段に広がり、効率を追求した結果として、提携業者からしかアイテムや演出を選べないというような制約は解放されます。
これが実現できれば結婚式は大きく変わります。
それでも「原価提供」を言い出せなかった理由
実は私達はそんな世界を夢見ながら10年間「ゼロ婚」というご祝儀だけで叶える結婚式をご提供してきました。
正直なところ、この「ゼロ婚」という商品には私達が頂いている利益分が現状でも「ブラックボックス」となっています。
先程は「ブラックボックス」を排除すれば新郎新婦にとって最適な提案ができると言ったこととは矛盾していますが、その理由はひとつ。
私が自社のプランナーを信じ切ることができなかったからです。
「ブラックボックス」の排除は当然、私達のプロデュースフィー(利益分)までもをオープンにして始めて成立します。
そうなった時に、プランナーひとりひとりがそれと向き合える力量があるかどうかに不安感があったこと、そして、なにより私がそれに向き合える覚悟がなかったことが「原価提供」を言い出せなかった理由です。
結婚式の意味に徹底的に向き合う
正直に告白するとまだお客様にプロデュースフィーを明確に提示することへの恐怖心は拭い去ることはできていません。
ただ、そこから逃げていては私達は新郎新婦が「家族を始める場」としての結婚式に心から向き合うことができないままになってしまいます。
コロナショックによって物理的な結婚式自体のあり方自体が問われる中、私達はより結婚式を挙げる「意味」を新郎新婦とともに深く追求していきたいと考えています。
この時代において「家族を始める意味」を結婚式という場で表現することによって、心から深く信頼し合える絆で結ばれた幸せな家族を増やしていくことに貢献して参ります。
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