漢方薬の正しい飲み方
薬局に行くと、いろんな漢方薬が売っています。
薬局で買ったり、病院で処方されたりして飲んだことが多い方も多いと思います。
でも、漢方薬の効果を十分に発揮するためには飲み方にコツがあるのを知っていますか?
実は普通の西洋医学をメインに勉強した医師は知らない人も多いので、是非覚えておいてください。
漢方薬の正しい飲み方
私が漢方診療科の先生に教えてもらった正しい飲み方は
①空腹時に飲む
②〇〇湯はお湯に溶かして飲む
③美味しいと感じる漢方薬を飲む
ということです。
①空腹時に飲む
漢方薬が処方されるときは「食前」や「食間」に服用と書かれていることが多いと思います。
ちなみに「食間」というのは「食事と食事の間のお腹が空いている時」という意味です。
「食事をしている間(食事の最中)」ではないので間違えないでくださいね。
何故空腹の時に飲むかというと、体への吸収が良いからだと言われています。
漢方薬を構成する生薬の吸収には腸内細菌が関与していて、食事よりも先に漢方薬が届いた方が分解しやすいとか、
漢方薬が食べ物の影響を受けやすいなど、理由は諸説ありますが、
古くから漢方薬は空腹時に飲むものだったため、その飲み方が一番効果があると考えられています。
②〇〇湯はお湯に溶かして飲む
漢方薬に〇〇湯、〇〇散、〇〇丸などの名前がついています。
これは、効果がある飲み方がつけられているんです。
本来は葛根湯や麻黄湯など、「湯」がつく漢方薬は漢方薬を煎じて作られた薬湯を飲んでいました。
肥満などで使う防風通聖散など、「散」がつく漢方薬は散剤のまま、
冷えや頻尿などで使う八味地黄丸などの「丸」がつく漢方薬は粉を丸めて丸薬で、
この形の服用方法が効果のある飲み方として作られていました。
でも、現在売られている漢方薬はほとんどが「エキス剤」です。
煎じて作られた薬湯の成分を抽出して顆粒状にしたものがエキス剤です。
そのため、同じ形にしたほうが効果が高いと言われています。
なので、葛根湯や麻黄湯はお湯に溶かして飲む方が良いと言われています。
漢方薬の効果は「薬を飲んで消化器から吸収される」だけでなく、「匂いを嗅ぐ」ことでも発揮されます。
なので、熱いお湯で溶いた葛根湯を匂いをかぎながらゆっくり飲むと、より効果が出るようです。
③美味しいと感じる漢方薬を飲む
漢方の先生に聞いて一番興味深かったのは
「体に合う漢方は美味しい」
ということでした。
漢方外来にかかると、漢方薬の試し飲みをすることがあります。
自分の体に合った漢方薬は美味しいと感じるそうです。
なので、その漢方薬が美味しいと思えたらその漢方薬が効くから処方する。
美味しくなくて飲めない時は効かないから出さない。
と判断しているそうです。
同じ漢方薬でも、人によって味の感じ方が違うし、
同じ人でも飲むタイミングによって、飲みやすい飲みにくいが変わります。
どんなに苦くて飲みにくそうな漢方薬でも、効果がある人は「苦いけど、飲めます」となるそうです。
なので、「この漢方薬飲みにくい」と思ったら、飲んでも効果が低いので飲まなくてOKです。
せっかく飲むなら、一番効果が出る方法で漢方薬を使ってほしいなと思います。
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