抗菌薬と胃薬の併用が死亡リスクを上げる?!

普段から胃薬を常用している人は、注意したいデータが発表されました。

なんと、胃薬の一種であはランソプラゾールと抗菌薬のセフトリアキソンを併用すると、死亡リスクが上がるというのです。

ランソプラゾールとセフトリアキソンとは?

ランソプラゾールとはプロトンポンプ阻害薬(PPI)という胃薬です。

胃潰瘍や逆流性食道炎に対して処方されますが、脳梗塞や心筋梗塞後の血液をサラサラにする薬(抗凝固薬や抗血小板薬)と一緒に出されることも多い、とてもありふれた薬です。


セフトリアキソンは第3世代セフェム系という抗菌薬です。

肺炎など呼吸器疾患によく出されますが、比較的何にでもよく効く抗菌薬なので、他の感染症にもよく使われます。

おそらく日本では一番処方される点滴抗菌薬だと思います。

どちらもよく使用する薬なので、併用する可能性も高いんですよね。

実際の研究結果

2016年にランソプラゾールとセフトリアキソンとの併用で心電図の補正QT時間(QTc)が延長することが報告されています。

QTcが延長するとどうなるかと言うと、
致死性の不整脈か起こりやすくなります。
ただ、実際はどうかということまでは示されていませんでした。

それを研究したカナダの論文が2023年10月のJAMAに掲載されました。 

セフトリアキソンによる治療を受けた患者で、入院中にプロトンポンプ阻害薬(PPI)を併用した症例を対象とする後ろ向きコホート研究を行いました。

その結果、ランソプラゾールを併用していた患者は他のPPIを併用した患者よりも心室性不整脈や心停止を起こすリスクが高かったことがわかりました。

まとめ

自分が何の薬を飲んでいるか、これからどんな薬か使われるか、把握しましょう。

もし感染症を起こして抗菌薬を使う際には、
胃薬を飲んでいたら、薬の相性が悪くないか、医師や薬剤師に確認してください。

別の病院から処方される薬まで医師が把握していない場合もあるので、必ず伝えてくださいね。

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