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次世代自動車ハートモビル

改訂した回数『0.1』

近未来の話。

風見「ここいっつも混んどるけん、合流するんムズいわ」

誰か「あ、停まってくれたよ」

風見「よし」

風見「今運転しよるけん、代わりに『ありがとう』しといてん」

誰か「したよ」

誰か「うわ、さっきの譲ってくれたひと『ありがとうポイント』がめちゃくちゃ多いじゃん」

誰か「6000近くもある」

誰か「優しいひとなんだね」

風見「ちょい、見してん」

風見「いや、これはあれや」

風見「さっきの合流んとこの次の交差点右ん曲がってったら、合流んとこにまた戻ってこれるやろ」

誰か「うん」

風見「そのひとそこをぐるぐる周って『ありがとうポイント』を稼ぎよんやろ、たぶん」

誰か「どういうこと?」

風見「『ありがとうポイント』とか『いいね!』とか『お気に入り』とかね、あとは視聴回数とか登録者数が多いことが自分のステイタスとイコールやと思っとるようなめんどくさいひとがおるんやない?」

風見「数が多い、すなわち自分は優れとるんじゃああい」

風見「みたいな」

誰か「ふうん」

風見「姓名判断の結果がどうとか、わたしの手相には珍しい線があるのよおおとかも同じやね」

風見「そんなことで自分の存在を高く掲げられてもね」

風見「ぺらっぺら人間やけん、風に飛んでくんやない」

風見「まあ、この世なんてそんなもんやけどね」

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