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犬も人間も『リーダー』が居ないと不安定になる

よく初心者の方が陥ってしまうケースで、犬をリーダーにしてしまうパターンがあります。

犬はパックと呼ばれる集団で本来生きている動物です。通常8から16頭前後で群れを形成します。そしてその中に必ずパックリーダーがいます。パックリーダーは常に状態が安定していて、先頭で狩りをして獲物を捕らえます。2番手3番手がいてリーダーの右腕として狩りを務め、それ以外の犬は吠えて相手を追い込めたり集団に危険を知らせたりします。

我が家は常に5匹以上のわんこがいますが、必ずリーダーと2番手、3番手、平民にわかれます。(笑)これは集団を作るうえで自然と発生するバランスなようです。

私がニュージーランドでファームステイをしていた時も、シープドッグたちは見事に集団の連携プレーで見事に羊の群れを移動させていました。

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生まれたばかりの子犬にとっては、まずは母犬がリーダーとなります。おっぱいを飲むように促したり、離れて危ないほうに行くと優しく噛んで連れ戻したりします。

そして大きくなってくると、パックリーダーに従って狩りの仕方や食事の順序などを教わっていくのです。

人間に飼育されるようになった今でも、犬の脳(神経系)はそのままなので子犬は母犬、もしくはパックリーダーの役割を本能的に求めます。母犬やリーダーの役割とは、大きく2つあります。

・食べさせること
・叱ること

メインはこの2つです。

これって実は人間の子供も同じなんです。子供は本能的に親に対してこの2つを求めています。つまりリーダーを求めているんです。

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生まれてすぐに一人で餌を食べて生きていく魚とは違って、犬やひとは絶対的にリーダーが必要なんです。しかし人間の世界でもたまに食べさせることはしても、叱ることができない親御さんも見受けられます。

そうすると、どうなるか。

子供や子犬が、逆転してリーダーの座を努めなければいけなくなります。

もちろんそんな資質はないのに。でも、生まれて一緒にいる人間を選べない子犬もこどもも、本能的に自分がリーダーの役割を担ってしまいます。

そうなるとどうなるかというと、常に不安を抱えて狂暴化します。いわゆる『不良』とされる子供たちは、親が親の役割を果たせずに信頼できるリーダーがいないがために、自分がリーダーにならざるを得ずに不安を抱えた子供の姿です。

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犬の場合も、生きていく手本を示してくれる親から切り離されて、あたらしく親代わりになる人間が、パックリーダーとして不適切な行動をとると、立場が逆転してストレス行動に出るんです。

動物としての本質を理解することは、自分が人間として生きていくためにも、またほかの動物を育てる時にも、とても役立ちます。


私は、人間なので人間のことはよくわからないのですが、動物の生態を子供のころから学ぶことによって、動物を通して人間を深く理解出来たりするんです。

何事も、まずは本来の自然の姿として捉えて、そこから寄り添う。そういったアプローチが本当の意味の『理解』の第一歩だと感じています。

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