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35.集まる理由を問わずとも知性は広がる

Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸管理

(リンク先は版元である羊土社の商品ページ。)

三省堂書店池袋本店のヨンデル選書フェアでお買い上げの方に渡す特製カードに350文字のオススメ文を寄せた。以下、そのまま引用する。

田中竜馬先生とやりとりできるなんてのは、ぼくがツイッターやってて一番よかったことのひとつです。それくらい圧倒的な先生です。出る本出る本ぜんぶ売れる。おもしろい。わかりやすい。「人工呼吸器の本」なんて正直買おうと思っていなかったのに、内容があまりによくて(呼吸生理の本としては最上質)、今や誰にでもおすすめしており結果的に(なんであの病理医は人工呼吸器に詳しいんだ?)といぶかしがられるほどです。田中先生はほかにも呼吸生理やICU関連、血液ガスのご著書を次々と上梓されていますが、しかし、病理医ならまだしも(?)、なぜICUで働いている方なのにこんなにハイスピードで執筆ができるのか、世界の医者ってのはマジでやばいですね。なお日本に田中先生のお仕事を扱う美人秘書さんがいて(お会いしたことがあり)腹が立ちます。

だいたい病理医やってて人工呼吸器の本買おうと思わないでしょふつう。ぼくだって買うと思わなかったよ。でもとってもおもしろかったのでヨンデル選書(1st season)ではかなり濃厚におすすめして、かなりの量が売れました。さもありなん。

ふと今思ったんですが、インターネットがなかったずっと昔、たとえばお寺というのは単なる宗教を実現する場所ってだけじゃなくて、知性に興味がある人が集まる場所だったってのがでかいんじゃないかなー。知性の守備範囲がそれぞれ異なる人が集まってきて、なんとなく別の理由で同席してうすーい連携をすると、あるとき自分の守備範囲をちょっとだけ超えた知性の存在に気づいて、そこを読みにいくとグアッと世界が広がる、みたいなやつ。すげぇたのしい。インターネットは現代の寺なのかもしれない。ぼくは田中先生と知り合えただけでもツイッターやっててよかったなと思うよ。

(2019.11.5 35冊目)