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【ほししいたけファンインタビュー】日本産・原木乾しいたけをすすめる会 事務局 清末 守昭 さん


1)ほししいたけ、あなたの推しポイントは?

 私の考えるほししいたけの魅力は、まず第一に、無農薬・無肥料で栽培された安心・安全な食べ物であるということです。
 第二に、ほししいたけは自然循環システムの中で作られる自然由来の食品であること。ほししいたけの一大産地である大分県では、2013年に「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」が「世界農業遺産(GIAHS)」に登録されました。
 そして第三の魅力は、ほししいたけが優秀な健康食品であるという点です。食物繊維が豊富で、骨粗鬆症予防に効果があるビタミンDなど様々な栄養成分が含まれる、私たちの健康に役立つ食品なのです。

2)ほししいたけとの出会いはいつ?どんなふうに?

 ほししいたけとの出会いについては特別な記憶はないですね。というのも私は、世界農業遺産に登録された大分県の国東半島・豊後高田市生まれで、ちょうど大分県で原木しいたけの生産が盛んになってきた頃に幼少期を過ごしました。当時の山村では炭焼きやしいたけ栽培が貴重な収入源でしたから、小さな頃からしいたけやほししいたけは、生活に根ざした非常に身近な存在だったのです。

3)清末さんは普段何をしている人ですか?

 「日本産・原木乾しいたけをすすめる会」の事務局をしています。すすめる会は、原木ほししいたけの消費拡大のための施策を行う団体です。その中で私は、ほししいたけの美味しさや栄養を知っていただくための広報業務を担当しています。ほししいたけのレシピを紹介するリーフレットを作ったり、小学校に原木を配布して子どもたちにほししいたけの生産方法を学習してもらったりと、いろいろな形でほししいたけの魅力を伝える活動をしています。

4)みなさんにどんなふうにほししいたけを楽しんで欲しいですか?

 まず、原木から作られるしいたけの美味しさを体験してほしいですね。
 今、スーパーなどで売られているしいたけのほとんどは菌床を使って栽培されたもので、原木しいたけではありません。原木しいたけは植菌してから約2年経過した後ようやく収穫することができるのですが、菌床しいたけはハウス内で温度・湿度を管理し、栄養分を加えて約3ヶ月で収穫できることから生産量が増えています。

 しかし、原木しいたけには自然の恵みが詰まっていて、焼いてしょうゆを垂らしただけでも十分に美味しい。菌床しいたけも見た目は似ていますが、実際に食べてみるとその差は歴然です。機会があれば、食べ比べていただきたいですね。

原木しいたけのおいしさは格別

 しいたけを食べたときに感じるおいしさの違いは、もちろんほししいたけに加工しても同様ですが、乾燥することによってしいたけの細胞壁が壊れ、旨み成分であるアミノ酸が流出するのでさらにおいしさが増します。
 そんな原木ほししいたけを普段から気軽に料理に使っていただきたいと思っています。一晩水につけて戻し、スライスしてから冷凍しておけば、汁物、炒め物、パスタなど、凍ったまま鍋に加えて調理できます。いつでもそのまま使える便利でナチュラルなインスタント食材になりますよ。

用途に合わせて切ってから冷凍しましょう

 林野庁統計では、1984年には16,000トンを超える生産量があった原木ほししいたけも、2021年には2,000トンにまで減少し、2023年にはさらなる減少が見込まれています。しいたけの原木の主な種類であるクヌギやコナラは、伐採後すぐに萌芽が芽吹き、二酸化炭素をどんどん吸収して原木が早く成長します。森の恵みを循環させながら地球温暖化対策にもなる、まさしくSDGsそのものの栽培方式です。皆さんに原木ほししいたけを召し上がっていただくことで生産者を応援し、日本の自然や伝統食材を長く残して欲しいと願っています。

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