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映画の思い出

地元に映画館がなく、上映は決まって市民会館だった。
初めて観た映画は、名探偵コナンの「時計仕掛けの摩天楼」。
夏休み前に配られる映画の割引券で小学生は800円で入場できた。

大スクリーンでCMも挟まず、フカフカのシートで観賞できることに大興奮で、そのまま映画の虜になってしまった。

数年後、市民会館でも映画の上映を行わなくなり、市外に電車やバスで出かけて映画を観まくった。

お小遣い制ではなかった我が家。
風呂掃除、食器洗い、洗車、親の肩叩きなどでコツコツ貯めたお金で、映画やカードなど好きなものを買った。

そのうち地元にゲオが出来て、個人的に湧いた。
自室でDVDを見たいがために、誕生日プレゼントにパソコンが欲しいと家族にねだった。
ただ、厳しい家庭だったため「映画を見るから欲しい」では納得されないと思い、「高校のホームページを見たり、エントリーシートを作るのにパソコンがないと不便だから、早急に欲しい」と言った。

一家の大黒柱が「わかった」と頷いたので、新品のノート型が来ると思ってウキウキしていたら、なんと中古のWindows98でブラウン管テレビのような重たいデスクトップが来た。
意気揚々と親戚の家から貰ってきたと言う。
白かったであろうボディは日焼けで黄ばんでおり、DVDどころかフロッピーディスクの差し込み口しかない。
MOもSDも入らなくて、学校から持ち帰ったデータをどうすることも出来なかったが、一太郎で観たい映画リストを作成することでタイピングスキルだけが上がった。


これでは役に立たないし、インターネット回線もないから高校のホームページどころの話では無いと再度熱いプレゼンをした。
新しい回線工事と新品のノート型パソコンが手元に来る頃にはもうクリスマスを2日後に控えていた。

同級生たちが入学願書の提出期限が近くてわたわたしている冬休みに、私はゲオで借りてきた「Back To The Future」の1~3を密閉型ヘッドホンをつけて連続観賞しており、受験関係で使用していないところを見つかり、こっぴどく叱られた。
ついでにエッチな映像とか保存してるのもバレてパソコンを初期化された。

映画と聞くと、このエピソードを思い出す。

大学時代も映画研究部に所属し、観るだけでなく撮る側にも回った。
編集も楽しく、動画の知識も得られたことはいい経験だった。
本当に人生の宝だと思う。


つい最近てんかんが見つかり、あんなに好きだった映画館が苦手になってしまったので、アマプラを契約した。

光に過敏に反応してしまうので、以前のように長時間画面に張り付くのが不可能になったが、一時停止して休憩ができること、観た映画がリストに保存されるため管理が楽なことに助けられている。

明るい部屋でポップコーン食べながら観る映画も悪くない。


これからも体とうまく付き合いながら大好きな映画を観ていたい。


#映画にまつわる思い出


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