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自由でいることの代償

はい皆様こんにちはDee-Sです。今回はあまり多くの方におススメ出来ない事なんですが、自分が敢えて生きる道として選択しているDJとしてのスタンスについてお話ししようと思います。

長年DJ活動をしていると色んな方々からご友人や知り合いをご紹介頂く機会が多いのですが、実は自分が一番困る質問があります。例えばクラブなんかで、こういう会話、よくある話だと思うのですが…

友人A 「そうそうB君、紹介するよ。僕の友人のDee-Sさんです。」
Dee-S「毎度どうも、Dee-Sです。よろしくお願い致します!」
友人B「初めましてBです。よろしくお願い致します。ところでDee-Sさんは何をやられているんですか?」
Dee-S「普段は普通のしがないサラリーマンですよ。たまにDJを週末にやる程度で」
友人B「へー、そうなんですね。ジャンルは何をやられているんですか?
Dee-S「…(暫く考える)まぁ、色々です」

上記太線の「ジャンルは何をやられているんですか?」が一番困るのです。そもそも会話を膨らませるために社交辞令で聞く場合が殆どだと思ってはいるのですが、真面目に答えようとすると話がメチャクチャ長くなるし、そこまでの情報は今現在求めてない、となるのを避けて敢えてうやむやにしがちです。

単純な話、自分のDJスタイルを簡潔なワードで括ることが出来ないくらい、いろんな音楽でDJするもんだから説明に困ってしまうんです。もうコレはセルフプロデュース面であまりにも失敗しているし機会損失も相当あると個人的に思っています。それでも自分が生きる道として選択した「あらゆる音楽を自分らしくアウトプットする、ジャンル = 俺」を貫いています。

正直なところHip HopのDJ、とかHouse DJとワンジャンル括りで売っていった方がリスナーには分かりやすいし、その手のジャンルのパーティーでDJオファーも頂きやすいと思います。「何が何でもDJとして成功したい」という方はそのようにセルフプロデュースした方が良い結果を産むと思います。

では何で敢えて分かりにくい、伝わりにくい事を続けているの?

答えは「時代の変化とともに自身のスタイルをどんどんアップデートすることで表現力も広がるし、ジャンルに縛られる事の無い自由な存在になれるから」です。

この記事を記載している段階で自分がプレイする音楽ジャンルはGarage/Loft Classicsに代表される70年代から80年代のDisco、その流れを汲んで誕生したHouseをベースにサブジャンルはItalo Disco/New Wave/EBM/Freestyle/Deep House/Acid House/Tech House/Progressive House/Trance/UK Hard house/Electro House/Melodic House/Nu Disco/Balearic/Chill Out/Slo-Motion House/Minimal Techno/Peak Time Technoと網羅しており、更にNu Rave/Rave Classics/Jungle/DnB/Break Beats辺りも守備範囲なので現行ダンスミュージックの殆どに手を出して、その中からいくつかをチョイスしてDJしているのが現状なので、単純化することが全然出来ないのです。

それに加えて、皆様も当然「マイブーム」ってあるじゃないですか。そのマイブームも私は毎年コロコロ変わるし一般的にブレイクスルーする以前のジャンル名が定着していないケースも当然あります。なので説明しても大体の方は頭の上に「???」が浮かんでしまっているケースも多いです。

でもやっぱり目指すべき道は「ジャンル名 = 俺」というスタイルなのです。例として「Dee-SがGarage Classicsをやると、どんなプレイなのか?」「Dee-SがやるProgressive Houseはどんな曲をチョイスして、どんな世界観でDJしてくれるんだろう」「Dee-Sは最近どの辺を定期観測しているんだろう」という想像を皆様にしてもらいたいなぁ、なんて身勝手な想いがあります。これは何を言わんとしているのかというとDee-Sという「物差し」「審美眼」をより多くの方に知ってもらいたいのです。

どんな音楽好きでも必ず「物差し」「審美眼」を持っていると思います。ロックだったら、こんな感じなのが好き、Hip Hopならこんな感じなのが刺さる。Houseだったらこんな曲だと身体が勝手に動く、とか。ジャンルは違えど自身が「好き」と感じる曲ってある一定の基準があると思うんですよね。その基準ってよくよく考えるとある一定の法則があったり、筋が通っていたり、自分だけが理解していて他人には絶対伝わらないこと、ありませんか?

自分はその「物差し」「審美眼」でDJの良し悪しを判断してもらえる未来に期待しているんです。安易なタグで纏められるようなDJではない、そんな存在になりたいと思っているのです。自由とは「多くの不自由」が伴います。こんな事をやっていたら一般層から支持されることなんかほぼ無いですし理解もされません。でも、これを貫かないと自分の活動の筋が通らないのです。

売れる、という事をとうの昔に諦めていますし、もういい年齢です。ならば自分が選択した「自由」を追い求めて謳歌した方が自分にとって幸せだと思って現在もDJブースに立ち続けています。この考え方は若い方々には到底理解できないとは思いますが、自分はこの道を選びました。日々苦労と勉強の連続でラクではない道ですが、この道と言えるか分からない道を開拓していくのもまた人生かな、なんて思っています。

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