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Eruption/炎の導火線

幼少期。

幼稚園から 小学校への過渡期に

どうして将来なりたいものなど

書かなければならなかったんだろう。

まだ産まれて 数年しか生きていない

そんな僕らが 何になりたいかなんて

TVや映画 近所の書店で立ち読みした雑誌

地元の街や 旅先で見たもの 触れたもの

そして 親や友だちから得た 知識や経験

そんなものの中に ぐらいしかなかった。


大半は無意識に ただ流されるように

大きな渦の中 コントロールされた情報によって

僕らの未来へのレールは 予め敷かれていた

そんな記憶さえ覚える。


だけど


たったひとつ


誰にもコントロールされない瞬間があった


中学生の頃 どうしても観たいと友だちを誘った
学園祭のバンド演奏。


脳天を貫き


雷鳴のように鳴り響く


歪んだギターサウンド



いったい何が起きた?

とにかく とにかくだ。

僕の魂と身体は

その得体の知れない

歪んだ何かに ビビビっと キてしまった。

理由なんて なんでもいい。

確かなのは この瞬間

僕にはこれしかないのだと。

自らの意思で これがやりたいのだと。

なんの迷いもなく

その得体の知れない "ひずみ" を僕は選んだ。


自らの意思で 何かを選択したのは

これが人生で 初めてだったように思う。


様々な選択を 両親に決められ

流されるままに 歩かされてきた僕にとって

その雷鳴のような爆音だけが

確かな道標となってくれた。


それは 十数年経った今でも

何ひとつ かたちを変えることなく

僕のゆく道を 煌々と照らし続ける

一筋の 希望の光 となった。


迷うな



導火線に火をつけろ


そして 燃え上がり続けろ



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