2019お世話になりました。
2019大晦日を迎えた今日ですが、昨夜シド・ミードさんが亡くなったとの訃報。ご冥福をお祈りします。
僕も御多分に漏れず今年まさに日本開催されたシド・ミード展で「シド・ミードやっぱりすげえ!」熱が高まっていたところなので、とても残念です。
もっと全盛期の世界的傑作も数あれど、個人的に一番影響を受けたのは商業的に奮わなかった『ターンエーガンダム』でのデザインワークでした。
『ターンエーガンダム』が自分にとって重要な理由のひとつは、プロデューサー職につく前の大学生に「良い作品=売れる作品ではない」という悩ましい命題を与えてくれたことかもしれません。
しかしそこでのお仕事は本当にすばらしく、デザイン画集『MEAD GUNDAM』も舐めるように読みました。でも、ターンエーガンダムは作品全体も売れなかったし、メカデザインについても賛否両論でした。
「良い作品=売れる作品ではない」
→だとしたらどうするか?
という命題に対して「結局は売れるものが正義なのだ」という思想にたどり着く人も多いでしょうが(僕も20代の頃は一瞬そう思いましたが)、今は全然そうは思っていなくて。
市場原理だけに任せてしまうと、必ずしも「良い作品が売れる」わけではないからこそ我々のような仕事の人間が必要で、粘り強く「良い作品」と「売れる作品」を近づける工夫と知恵を重ねていくのが企画やプロデューサーの仕事なのだ、というのが今の考えです。
今年は『Kaiju on the Earth』シリーズがスタートし、自分の好きなもの、良いと思うものの原点に立ち返る機会が多かった一年でした。
結果的に第一弾『ボルカルス』もとても好調で感謝の限りですが、これも「怪獣」という難しい題材へのチャレンジが、安易に「売れそう」な方向じゃないからこそ応援してもらえている側面もあるのではないか?と思っています。
ものづくりって「素直であるべきだけど、安易であってはいけない」んですよね。まだまだ尊敬する先達たちの域には遠く及びませんが…ターンエーガンダムからちょうど20年経った今、そのあたりの感覚が少しずつわかってきたような気がします。
ともあれ皆さま、本年はたいへんお世話になりました。
来年もがんばりましょう!
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