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あいまいで不確実だからこそ、面白い。色彩と心の関係

先日、近所のお花屋さんに、お花を買いに行ったときのこと。

上の写真のガーベラを選んだのですが、こういう色のチョイスって、わたしにしては珍しいんです。

普段だったらたぶん、ピンクは入れない。
イエロー&オレンジ系で5本、統一するはず。
でも、なぜかピンクが入ってる。

こういうときって無意識が働いていると思うので、

「あら~、わたし、今日はピンクな気分なのかしら♥」なんて思いながら、ガーベラを片手に自宅に戻ってきたのですが、

ピンクのもつメッセージ:
無条件の愛、ありのままの自分を受け容れる、女性性、思いやり、女性的な直感のエネルギー、目覚め、など

玄関に着いたら、なんてこたぁない。

わたしが選んだガーベラの色の組み合わせは、シューズクローゼットの上に飾ってあるゴーギャンのポストカードの色づかいと、まるっきしおんなじだったのでした。笑

脳は外的刺激に影響を受けやすい

つまり、わたしの無意識は、ピンクを欲していたというよりは、いつのまにかゴーギャンの絵の色づかいを記憶していた。そして、ガーベラでそれを再現したかった、のだと思います。

とはいえ、なんせ無意識のことなので、本当にそうだったのかはわかりません。
過去でも未来でもなく、今このタイミングでそれを再現したということは、やっぱりそのとき心のどこかでピンクを欲していたっていう可能性だってあります。

こういうところが、色彩心理学の難しいところなんですよね。

例えば、オーラソーマのコンサルテーションでは、100本以上のカラーボトルから直感で4本を選んでいただくのですが、直感を使うことにあまり慣れていらっしゃらない方の場合、意図的に好きな色ばかり選んでしまうとか、4本の配色をつい美しくコーディネイトしたくなってしまうとか、そういうことも起こり得ます。

それに、人間の脳は外的刺激に影響を受けやすいので「その日たまたま道端ですれ違ったインパクトのある人が着ていた服の色が頭から離れなくて、その色と同じ配色のボトルにどうしても目がいってしまう」とか(笑)、そんなこともあるかもしれません。

わたしたちオーラソーマのプラクティショナーやティーチャーがコンサルテーションの際、必ず白い服をまとうのも、わたしたちの見た目がクライアントのみなさんに外的な色の情報を与えるのを避ける、という意図があります。

選んだ色を通して、自分の無意識に気づいていく

色彩心理を心のメンテナンスに用いるときは、その人の無意識が何色を求めているのかが軸になってくるのですが、いざ「直感で色を選ぶ」という作業をするときに「意図」や「刷り込み」が介入してくると、当然のことながら、診断結果やセッションのゴールに多少のブレが生じる可能性があります。

ただ、そこに多かれ少なかれ介入があったとしても、わたしたちが選んだ色は、わたしたちの心模様を実によく映し出しているというのは、わたし自身、これまでずっと色彩心理を探求し、多くのクライアントさんに接している中で、日々実感を強めていることです。

冒頭のガーベラの話に戻ると、その理由や背景にあるものがなんであれ、わたしの無意識がピンクを選んだという事実がそこにあります。

その事実をきっかけに、「今のわたしにはピンクのエネルギーが必要なのかもしれないから、明日はピンクの服を着てみようかな」などと新たな指針を決めるもよし、「そっか~、わたしってほんとにゴーギャンのこの絵が好きなんだな、へぇ~」とスルーするもよし。笑

色を選ぶという行為を通して、自分自身の”普段は見えない深い部分”に気づくのって、単純に楽しいんですよね。

あいまいで不確実ってことは、可能性がいくらでも開かれているってことでもあって、それもまたすごく自由で楽しい感じがします。

「ね、色って不思議だよね! 面白いよねー!」ってみんなと一緒に盛り上がりたいし、実際に盛り上がれるとすごくうれしいし、楽しい。

わたしがカラーセラピストとして活動しているいちばんの理由は、そんなシンプルな喜びにあるのかもしれません。

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