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忘れがちなドローンの禁止領域!小型無人機等飛行禁止法盲点と対策

ドローンの世界にようこそ、どうもこんにちは!
ドローンBusiness研究所ヒロユキです。

こちらのnoteでは、週一回程度のペースで、ドローンに関わる様々な情報を発信していきます。どうぞ宜しくお願いいたします。

ご覧をいただいている皆さんは航空法にある「特定飛行」をご存じの方は多いと思います。「特定飛行」に於いて、100g以上のドローンは該当する場所や飛ばし方により許可・承認の申請が必要になります。
その対象が100g以上のドローンという事で「100g未満のトイドローンなら申請が不要だよ」「トイドローンどこでも飛ばせるよ」といった会話や認識も散見されます。

しかし航空法に該当しないドローンについても守るべき法律があるのです。
それが、平成28年法律第9号、重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律、いわゆる「小型無人機等飛行禁止法」です。

そこで今回は「小型無人機等飛行禁止法」について解説いたします。重要施設周辺のドローン飛行制限について理解していきましょう。

小型無人機等飛行禁止法における規制について

まずこの小型無人機等飛行禁止法の概要ですが、重要施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上空における小型無人機等の飛行を原則禁止とするものです。平成28年に制定された法律であり、この法律は、該当する施設の周辺地域におけるドローンの飛行を制限し、国内の重要な施設の安全確保を目的としています。

重要施設の定義と範囲 「小型無人機等飛行禁止法」における重要施設とは、以下のような施設が含まれます。

対象施設


小型無人機等禁止法に基づき指定する施設
・国の重要な施設等
 国会議事堂、内閣総理大臣官邸、最高裁判所、皇居等
 危機管理行政機関の庁舎
 対象政党事務所
・対象外国公館等
・対象防衛関係施設(令和元年改正で追加)
・対象空港(令和2年改正で追加)
・対象原子力事業所

特措法に基づき指定する施設
・大会会場等(令和元年改正で追加)
・空港(令和元年改正で追加)

これらの施設の周辺地域において、ドローンの飛行が制限されます。
この情報をご存じだとしても、事前に飛行させる空域を入念にチェックしていないと、飛行する近隣に該当する施設が位置している事があるかもしれません。危機管理行政機関の庁舎と言われても一般の方にはわかりませんし、業務での撮影の場合には、これらを把握していないで飛行不可となった場合、自社の信用にもかかわる事態になることも懸念されます。
また上記にありますように特措法で追加される施設もあるため、新たな情報にアンテナを張ることも必要です。

規制の対象となる小型無人機等の飛行


また、本法の「小型無人機」は、航空法の「無人航空機」と異なり重量による除外規定がないため、100g未満のトイドローンやラジコン機なども対象となります。具体的には下記の様な機体の飛行が対象です。

①小型無人機を飛行させる
無人飛行機(ラジコン飛行機等)、無人滑空機 無人回転翼航空機(ドローン等)、無人飛行船 等

②特定航空用機器を用いて人が飛行する
気球、ハンググライダー、パラグライダー 等

①につては、構造上人が乗ることができないもののうち遠隔操作や自動操縦で飛行させることができるもの全てが対象です。
②は、該当する機体において人が飛行でき進路や高度などコントロールできるものが対象となります。従ってここから言えるのは、該当する施設の付近(おおよそ300m)に於いては、多くの飛行可能な機体を安易に飛ばすにはリスクがあるという事をパイロットは理解し、慎重に対応する事が不可欠なわけです。

警察庁 小型無人機等飛行禁止法関係 小型無人機等飛行禁止法の概要


すぎな行政書士事務所国の重要施設等の周辺地域の上空

違反に対する警察官等による命令・措置とは

ここまで見てきました対象施設に於いて規制の対象となる飛行を行った場合、以下のような罰則が科されます。※警察官等以外には、 海上保安官(海域),皇宮護衛官(皇居・御所),施設警護自衛官(防衛関係施設),空港管理者等(空港)も対象。

警察官等は、違反者に対して、機器の退去その他の必要な措置をとることを命令することができる。
やむを得ない限度において、小型無人機等の飛行の妨害、機器の破損その他の必要な措置をとることができる。
命令に違反した場合は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金(レッドゾーンの飛行は命令の有無を問わず罰則適用)

警察庁 小型無人機等飛行禁止法関係 違反に対する措置等

飛行禁止の例外と通報手続き

下記の場合に限り、小型無人機等の飛行禁止に関する規定は適用されません。

・対象施設の管理者又はその同意を得た者による飛行
・土地の所有者等が当該土地の上空において行う飛行
・土地の所有者の同意を得た者が、同意を得た土地の上空において行う飛行
・国又は地方公共団体の業務を実施するために行う飛行

ただし、対象防衛関係施設及び対象空港の敷地又は区域の上空においては、「土地の所有者若しくは占有者が当該土地の上空において行う飛行」「国又は地方公共団体の業務を実施するために行う飛行」であっても、対象施設の管理者の同意が必要です。 

飛行禁止の例外にあたる場合であっても、対象施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上空で小型無人機等を飛行させる場合、都道府県公安委員会等への通報が必要です。

最後に

「小型無人機等飛行禁止法」は、日本の重要機関の安全を保護するために施設制定された法律です。
該当する施設の周辺地域におけるドローン飛行が禁止されており、違反したパイロットには罰則があります。
ドローンを正しく運用するためには、この法律を順守し、公共の安全と秩序を尊重することが重要となるのです。

それでは、またお会いしましょう!

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