補聴器診療のいろは2019 Day1

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『美しくないものをひとに売りつけるのはなんと罪なことかといつも思う。美しくないものを人に勧めることがどれほど大変なことかきっと補聴器メーカはわかっていない。(聴覚評論家 中川雅文)』

高級車のディーラーは、ヒストリーを語ることはあっても、そのスペックを細々とは説明しない。いいものはいい。デザインがすべてを体現している。見た目で「購買欲」をわき立たせ、語らずとも機能を体現してくれている。見るだけで欲しいという気持ちにしてくれる。工業製品はデザインがすべてだと思う。

補聴器は、この30年、ぶさいくなスタイルのものしか投入されてこなかった。待てど暮らせど不細工ばかり。インダストリーデザイナはいったいなにをやっているんだ!

補聴器メーカーの怠慢は、ぼくらに、「お見合い叔母さん」を強いている。みためのわるいダサい人を「素敵な型(方)ですよ。お似合いです」とか「きこえ(結婚)は見た目じゃわかりません。」とか適当なことを言いつつ、あとはやたら意味不明のスペックの説明。クライアントはうんざりしている。音のはなしはうんちくじゃない、聞くだけでわかる。無理くりカップリングするみたいなぼくらの日々の臨床はほんとストレスがおおい。

今回はそんな地味でベタな補聴器あきないの作法を再整理していくことにします。(ここからあとがツィートのつづきとなります。)


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