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【エッセイ】僕の大好きなソングライター④ アントニオ・カルロス・ジョビン

ある有名なシナリオ講師によると、優れたストーリーテラーは読者に疑問を投げかけ、意図的に空白を作る事で好奇心に働きかけるそうです。
僕がアントニオ・カルロス・ジョビンの音楽に感じるのはこの優れたストーリーテリングの特徴に近いです。

音楽を起承転結の構成を持った物語と捉えると、彼の音楽には好奇心を掻き立てる空白があり、その余韻が醸し出す独特な読後感があります。
数多の素晴らしいメロディメーカーの中でも、ことば少ななのに饒舌な語り部として唯一無二の存在感を放っています。

彼がもし映画監督だったら北野武やアキ・カウリスマキの様な絶妙なリズム感、空白、距離感で、とても印象的な作品を撮ったのではないか、なんて夢想してしまいます。

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