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中根聡太選手、次の夢へ


ジャンプ誌の最新号で、影山の回想シーンを見て、中根選手のことを思い出していた。

高校時代に石川選手、武智選手と味方として戦い、中央大学との最後のインカレ準決勝では、筑波大学の「絶対勝つ!」という強い信念が伝わってきた試合。その中心にいたのが、彼らを対戦相手として倒すという気持ちを前面に出していた、セッターでキャプテンの中根聡太選手だった。

星城高校のレギュラーセッターなので、それまでも何度か試合を見たことはあったのだけれど、この試合(これも職場でこっそりとDAZN観戦)の印象は強烈だった。翌日の早稲田大学との決勝戦では、燃え尽きた感も感じさせたほどだった。

そして、大学最後の試合となる天皇杯、堺ブレイザーズにジャイアントキリングして勝ち進んだQFでジェイテクトと対戦した。この大会をもって大学バレーを卒業し、ジェイテクトSTINGSに進む中根選手との対戦は、実はとってもワクワクして見ていた。(アイスショー優先だったので、慌てて駆けつけた東京体育館。同期内定の郡選手、西田選手は帯同していたんだと思う。)

このとき、カジースキ選手が「世界で通用するサーブ」を見せつける7連続サービスエースを見せて筑波大学を翻弄したのだが、それでも筑波の選手は果敢にジェイテクトに挑み、ジェイテクトの選手も手を抜かずVリーグのチームとしての力を見せた。

そして、その時に中根選手のコメントがこちら。


そして、その後すぐにジェイテクトに合流し、年があけた最初の試合で、二枚替えとして西田選手と中根選手はコートに立った。

中根選手が最初にトスを上げたのが、当時高校生の西田選手だった。本当に何の躊躇もなく。そこから西田有志というプレーヤーが注目を集めることになった。

翌日のJT戦、私が最初にジェイテクトのユニホームを着ている中根選手を撮った写真。


その後は、なかなかコートに立つ姿が見られず、ベンチアウトのこともあり、同時期にデビューした西田選手との差をどう感じているのだろう、と勝手に中根選手の心配をする日々が続いた。チームとしてのまとまりも良かったり悪かったりと安定しない頃だったので、試合のたびにセッターが中根選手だったら…と思うこともしばしばあった。


結果や記録以上に記憶と心に残る選手。田中さんの言葉は素晴らしい!

そして、迎えた2018の黒鷲旗。研修に参加していたので、直前の練習はほとんど参加できていなかったという中根選手と郡選手。二人とも、そんなことは感じさせないほどに準優勝に貢献した活躍を見せてくれた。

最後の写真は、私が個人的にすごくグッときた瞬間。アーマツ監督最後の試合を優勝という形で締めくくることができなかったけれど、二人の信頼感が凄く伝わってくる写真。

そして、アーマツを贈る言葉、中根選手のツイートが凄く印象的。

この悔しさをバネにあきらめなかったことが、今季のジェイテクトSTINGSの優勝に繋がったのだと思うと、この時のツイートからこれまでを見続けてこられたことが、ファンとしては凄く幸せだったのだと思う。

高崎アリーナでの決勝戦は、ご存じの通り、無観客での試合となったので、中根選手をはじめとするジェイテクトSTINGSの優勝の瞬間を、目の前で見ることができなかった。けれど、配信でテレビ放映で十分に彼らの力強さを見せてくれた。

最後、チャレンジで優勝が決まった瞬間、顔の前で手を合わせるようにした西田選手が探してハグしたのが、中根選手だった。この二人の絆は強いんだな、と思って、繰り返しその瞬間を見ていた。


でも、西田選手も中根選手も、それが一緒にプレーする残りわずかな試合だとわかっていたからこそ、なんだと思うと、胸が熱くなる。


そして、今日、中根選手の引退が公式サイトで発表された。

ジェイテクトSTINGSでの2年間は本当にバレーボールが楽しい、
大好きなんだと更にバレーボールへの愛と情熱が膨む毎日でした。

そして、今年のリーグで優勝することができ、最高の花道を作れたのも、チームメート、スタッフ、ファンの皆様の支えがあったからです。
また、僕のような小さい選手をVリーグという大きな舞台で活躍する機会を与えてくださった、ジェイテクトの方々には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。これからは、僕の夢である、指導者として1人前になれるように日々精進していきたいとおもいます。最後に、僕はこのチームが大好きです。

これからもジェイテクトSTINGSの応援、並びに中根聡太を応援して頂けたら幸いです。
本当にありがとうございました。  


こんな言葉を紡がれたら、ファンとしては「もっとセッターとして成長する姿を見たかった」という気持ちはあっても、中根選手が自分の夢である、指導者として一人前になっていく姿を応援したいと思うじゃないか!!
Vリーガーになって、そして、リーグ優勝を成し遂げた経験は、指導者としてはかけがえのないものになったと思うので、次の夢に向かって突き進んで欲しい。そう素直に思える言葉だった。


そして、彼の次のステージでの切磋琢磨がプレーヤーとして戦い続ける同期の西田選手、郡選手、海外でプレーする石川選手、川口選手など、沢山の人への刺激となることは間違いないと確信している。


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