選手の引退

Vリーグを応援するようになって4シーズン目が終わる。

見だした最初の年に、東京オリンピックの出場を目指して、インドアからビーチに転向した日本代表の経験もある二人の選手を見ていたせいもあり、引退というのは自分でやりきって終わる世界がバレーボールの世界なのだ、となんとなく思ってしまった。

勇退報告というと、定型の文言が「社業に専念します」と書かれていたこともあり、十分にやり尽くしたり、Vリーガーになったけれど自分の能力の限界を感じたりして、バレーボールから仕事に転換するのだとも思っていた。

そう、選手は自分でバレーボールを終える時期を決められると思っていたのだ。


それが違うと知ったのが、2018/2019シーズン。

そのシーズン、スタメンでは無かったが、チームのピンチサーバーとしての役割を担っていた選手の勇退が発表された。そのチームでベテランの域に入っていた選手でもあったので、勝手に「後進に道を譲ったんだな」と思っていた。
黒鷲旗の前の時期に練習見学に行ったときに、その選手の大ファンの子から声をかけられて、彼女とともにその選手のところに行った時に知ったのだった。


会社から辞めるように言われた、と。


毎年、新しい選手が入ってくれば、引退する選手もいる。本当はもっと続けたいと思っていたとしても、能力が無ければ、もしくは、若い選手達の出場機会を奪っているとされれば、「仕事に専念しなさい」と言われる。

一般の企業だからこそ、上の判断が優先される、それは当たり前のことなのに、バレーボールだから、スポーツだから、ではない。特別なことはない。

逆に、スポーツを辞めても、仕事がある、という事実。それがいわゆるプロ野球やプロサッカー選手と違うところかもしれない。


Vリーグには10チームあるけれど、チームによって成り立ちがかなり違う。企業に所属する企業色の強いチームから、クラブチームとして地域に根付いていて、それぞれが違う職業を持っているチームまで。リーグのオンシーズンにバレーボールと仕事の割合も、チームによって様々。リーグ期間中は全く仕事をしないチームから夕方まで仕事をして夜に集まって練習するチームまで。

また大企業であればあるほど、外国人選手(プロ選手)に払える金額も違ってくるだろうこと。なので、Vリーグの上位と下位のチームに差が出るのは致し方ないともいえる。

そして、上位チームに所属する限り、試合にはなかなか出られないというジレンマもある。日本代表の関田選手は、その状況を打破するために、パナソニックという企業チームから堺ブレイザーズというクラブチームに移籍して出場機会をつかむことが出来た。

しかし、一度大企業に入ってしまうと、移籍というリスクはどんな選手にも起こせるものでもない。


だからこそ、選手は練習を頑張るしかなく、練習している姿を見続けていれば、その後にスタメンを再度獲得する選手もいるわけだから。試合に出られない、特にベンチアウトを宣告される場合は、地道な努力を続けるしか道はないように思うんだけれど、どうなんだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?