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鼻水の色が黄や緑ですが大丈夫ですか?

「鼻水が緑になってきたので、抗生剤をください」

鼻水の色を気にされる保護者から、抗生剤の処方をお願いされることがあります。
おそらく、「鼻水が緑 or 黄色だから、細菌が増殖しているので、抗生剤で除菌したい」といった考え方から由来していると推察しています。

あるいは医師側が「鼻水の色が緑 or 黄色っぽくなってきたので、抗生剤を処方しておきましょう」という診療を続けていることもあるようです。
この場合、保護者からすると「鼻水の色が変わったら、抗生剤が必要なのか」という解釈モデルが出来上がります。

つまり、「この前受診した病院の先生がそうしていたから」という理由で、「緑色の鼻水には抗生剤が欲しい」と希望されるケースもあるようです。

今回は、
・緑 or 黄色の鼻水に抗生剤を投与は必要なのか?
・鼻水の何に気をつければよいか?
といった点を、科学的根拠をもって説明できればと思います。


緑色の鼻水があると抗生剤を希望する保護者が多い?

「鼻水の色が変わってきたので、抗生剤を処方してください」は、外来でもよくある相談の1つです。
実際、透明の鼻水が膿性鼻汁に変化した場合に、患者の抗生剤の処方希望がどのくらい変化するのか検討した研究1があります。

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