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風邪などのウイルス感染を予防するには鼻毛は必要?

鼻毛は風邪やその他のウイルス性の感染症を予防するのに不可欠なのでしょうか?

鼻は気道の入り口にであり、有害な粒子やアレルゲンを捕らえ、気道への侵入を防ぐ重要な保護器官と考えられています。

小さな粒子は鼻から入り,3 μm以上である場合は、鼻の前部に溜まります。0.5〜3 μmの粒子は鼻粘膜でろ過され,繊毛によって鼻咽頭に運ばれ、嚥下されます。残りの0.5 μm以下の粒子は下気道へと容易に通過することが分かっています[1]。

鼻の入り口には鼻毛が存在し,5 μm以上の粒子は,この鼻毛に付着するようです [2, 3] 。
鼻毛は他の部位の毛(例えば髪の毛や腕の毛)よりも太く,大きな粒子の侵入を容易に阻止することができるように作られているようです [4] .

このような背景から、鼻毛は、私たちが呼吸する空気をろ過し、空気中のウイルスや細菌などの病原体による感染から守ってくれるという「定説」があるようです。
しかし、こういった「定説」にはよくあることですが、その歴史は科学的に検証されていないことが多いです。

鼻毛が感染症の病原菌から身を守るという考えは、100年以上前にさかのぼります。


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