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乳幼児のスクリーンタイムの考え方

かつてはテレビ・ラジオといった機器がメディアの中心でしたが、近年ではスマホやタブレットといった新しい技術が導入され、就学前の乳幼児は現在の大人とは異なる環境で育っています。

スマホ・タブレットといった新しいメディアに関して、双方向性が保たれていれば教育的なポテンシャルはあるのかもしれません。
しかし、急速に脳が発達する重要な乳幼児期に、これらスクリーン機器を使いすぎる事による健康・発達への悪影響の懸念もあります。

今回は、0〜5歳におけるスクリーン機器(テレビ、スマホ、タブレットなど)において、
・何歳から使用しても良い?
・教育的コンテンツのメリットは?
・どのような環境下で使用すべき?
・健康上のデメリットは?
・発達上のデメリットは?
・家族(主に保護者)が気をつけるべきことは?
といった素朴な疑問に科学的根拠をもって答えられるよう、noteを執筆しました。

スクリーンタイムの推奨時間

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スクリーンタイムとは、テレビ・スマホ・タブレットなど電子機器の画面を視聴する時間のことを言います。
2016年のアメリカ小児科学会(AAP)からの声明によると(1)、乳幼児におけるスクリーンタイムは、
• 2〜5歳は1時間未満
• 2歳未満は0時間(テレビ・スマホなどを見せない)
が望ましいと推奨しています。
(*注釈: 2015年までは、2〜5歳は2時間未満としていましたが、2016年に厳しくなりました)。

アメリカだけではなく、オーストラリアでも、同様の基準を推奨(2)しているようです。
やや基準が厳しいと感じる保護者の方々が多いと思いますが(私もそう思いました)、この推奨の科学的根拠はどこから来ているのでしょうか?

ここからは、この推奨の科学的根拠と考え方を解説していきましょう。

[ポイント]
米国や豪州の小児科学会は、小児のスクリーンタイムを以下のように推奨している
・2歳未満:0時間
・2〜5歳:1時間まで

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