大ヴァンガ祭2024環境考察【ヴァンガード】

はじめまして
辺境の地・徳島でヴァンガードやってるドリフトやろうと申します

今回は、先日開催された大ヴァンガ祭2024のスタンダード、トリオファイトのデータをまとめて環境考察をしていきたいと思います
集計したデータだけでも有意義なものになっていると思いますので、そこだけでも見ていっていただければ幸いです
また、以前書いた環境考察の分布とチーム採用率の考え方の記事もあわせて読んでいただけるとうれしいです

読むにあたって、以下の点にご注意ください
・あくまで今回の大ヴァンガ祭2024のトリオファイトのデータのみを見ている点
・筆者の主観が混じっている、いちプレイヤーの意見に過ぎない点


●はじめに

今回の大ヴァンガ祭2024のスタンダード、トリオファイトの参加チームは580チームで総勢1740人が参加
AグループとBグループ、それぞれ290チームに分かれて予選は6回戦で行われました

優勝を目指して勝ちに来ているチームや、大きなイベントを楽しむために来ているチームなど幅広い層のプレイヤーが参加していました
フェスティバルブースター2024(以下、フェスブ)の先行販売カードも使用できるということで、まだ世間に認知されていない構築で結果を残すチームも散見されました

●全体分布からみる考察

まずは全体分布からそれぞれのデッキの特徴を紹介しつつ、環境を考察していきます

weekly_vg_20240507_09.jpg (1100×619) (cf-vanguard.com)
↑よりわかりやすい公式の画像は、こちらのリンクからご確認ください

まず分布1位はヴァルガ

盤面に展開したユニットを手札に変換して後続のパーツやガード値を引き込める点や、Vの効果の関係で殴り順が固定化されやすい点などの使いやすさが魅力のデッキです
ドライブが強いときの押し付け性能も高く、ゲームテンポも速いので、試合を早く終わらせてチームの相談に回れるところも分布が多い要因でしょう

続いて同率2位のレザエル

癖のないV効果でアグロから耐久など様々なデッキタイプがあるが、他と比べると決定力に欠けることが難点
今大会ではフェスブの新規カード「聖堂満たす慈愛の聖歌」(以下、聖歌)とリィエルを採用した、耐久型が注目されています
聖歌を使って、序盤にトリガーを出してアグロしながらガードとして利用したり、レザエルで蘇生した完全ガードを使い回したりしつつ、バインドされたカードを再利用しながらリィエルで完全ガードができるので、とにかく硬いデッキです
ディヴァインスキルによる山札回復もあるので、相手の山札切れまで耐えきれるようになっていますが、時間切れが怖いところです
今後、環境でよく見るようになる要注意デッキになりそうです

次は同率2位のブラグドマイヤー(以下、ブラグド)

ディヴァインスキルによる守護者封じの押し付けが強いデッキ
先攻を取るだけで、順当に4ターン目のディヴァインスキルでイージーウィンすることも多いですが、殴り順でディヴァインスキルをチラつかせながらリソースを削る器用な動きもできます

最後の同率2位はゾルガネイダール(以下、ゾルガ)

影纏いでガード札を回収してゲームを伸ばしながら、バインドのオーダーを稼いで高火力で相手のリソースを削るデッキ
オーダーの種類と採用枚数で個性が出る点や、状況に合わせてどのオーダーを使用するか、など構築力と臨機応変に対応できるプレイヤースキルが求められます

上位4デッキ以外にも有力デッキが続いています

分布5位はエバ

高いデッキ圧縮力と耐久力、星上昇を活かしたダメージコントロールが魅力のデッキ
イミグラーの登場により楽園エバへのライドが安定し、新規オーダー「悠久なる凍土へ還れ」で耐久力に磨きがかかりました
安定感はありますが、若干火力不足なのがネックです

分布6位はブリッツ

デバフと焼きによる押し付け性能がとにかく高いデッキ
ハルダリードの採用でパーツの引き込みがより得意になったが、リソースの少なさによる守りの薄さが難点

続いて分布7位はシラヌイ

4月からライドラインと超トリガーに規制が入ったものの、クレストによる打点上昇と支配、Rスタンドによる連パンはまだまだ健在です
超トリガーやヴォルドーンなどのフェスブの新規カードや、コロコロコミックのPR「天へと導く絆の翼」などで構築の幅が地味に広がっています

ドラジュエルド(以下、ドラジュ)はシラヌイと同率の分布7位

ビフロンスの追加で安定感が増し、フェスブでは新規の清浄の盾も追加されたことが追い風です
ダメトリを打ち消せる連パンや後列焼き、後3からのVの星上昇などデッキパワーは高く、まだまだ戦えることから分布を伸ばしています

続いて分布2%の極光

シトラスの追加により連パンができるようになり、フェスブでの盾の追加も影響していそうです
ミューナやリーフルロイヤーなど後列でアドを稼ぐカードが多いので、焼きの無いデッキに対して強く戦えます
また、対面はG4セラスのケアなどの特殊な立ち回りを要求されるので、練習していないときに不意に当たると意外と厄介です
前回の札幌ちほうカップから引き続き一定数使用者がいるようです

最後は極光と同率のリアノーン

フレンドリーブロッコリーを採用してアグロしながらヴィヴァーチェを引きにいく構築や、レザエル同様にフェスブの新規オーダー「花薫る街のお菓子屋さん」を採用してディアンサなどで蘇生した完全ガードを使い回す構築も見られました
ドライブでの上振れが狙える点はいいですが、ヴィヴァーチェに乗るまでの遅さが少し気になります

その他のデッキの分布は31%で、大ヴァンガ祭という参加者の多い大きなイベントならではの雑多なデッキ分布も見られます

上位4デッキが全体使用率10%越え、チーム採用率33%以上の環境の中心となっていて、今後も分布が多そうな要注意のデッキ群です
最新シリーズのメインVとして幅広いプレイヤーに使われていて、今後の強化も期待できるため、分布を大きく減らすことは今後もなさそうです
相手のチーム内に少なくとも4つのうちどれか1つが入っている可能性は高く、今後もこの分布が続くようであれば頻繁にあたる対面となります
練習をする際は重点的に対面しておいたほうがよさそうです

それに続く、エバ、ブリッツ、シラヌイ、ドラジュはデッキパワーは高いものの分布が少ない良い立ち位置になっています
今後も分布の低さによる選抜枠を意識したデッキとして、一定数の数がいるデッキ群になりそうです
デッキパワー自体は高いので、これらも対面練習は重要になってきそうです

●予選全勝、1敗ラインからみる考察

ここからは予選で全勝、1敗ラインのデッキの分布から、実際にどのデッキが勝ち上がっているのか、予選を最後まで戦い抜けるのかを見ていきます

以下は当日会場に張り出されていた予選結果の張り紙です

以下がAグループ、Bグループを合わせた全勝デッキ分布と1敗ラインまでのデッキ分布です

まず前提として、今回のトリオファイトは予選が6回戦でした
回戦数が多かったので、全体分布でも多かったデッキがちゃんと勝っていて、逆に全体分布でその他に当てはまっていたデッキは分布を大きく減らしています

ちほうカップでは予選が3回戦と少ないこともあったりして、1敗ラインまでの分布は色々なデッキに散ることが多いですが、今回のように6回戦もやると環境でどのデッキがしっかりと勝ちを重ねられるのかがハッキリしていると思います

全勝分布の最多はゾルガとなっており、上手いプレイヤーが堅実に勝っている印象です
次にレザエル、ヴァルガ、ブラグドと続いていて、全体分布も多くちゃんと勝てるデッキであることがわかります

1敗ラインの分布を見てみるとヴァルガが1位
そこにレザエル、ブラグド、ゾルガ、シラヌイが続いています

中でも注目するべきはシラヌイです
全体分布では4%と上位4つの運命者組と比べると数が少なかったですが、1敗ラインになると分布が増加していて、環境でもまだまだ戦えることを示しています

もちろん、運命者組はアニメなどの影響もあって使用者数が多かったり、シラヌイを持ち込むチームがいわゆる競技志向の勝ちを目指しているチームであったり、という可能性もあります

結果としてシラヌイは分布の少なさのわりに勝ちをしっかり狙えるいい立ち位置のデッキであったと考えられます
この結果を踏まえて次回以降の分布の推移が要注意なデッキです

また、ドラジュ、エバ、ブリッツと全体分布にいたデッキが続いていて、それなりに勝てています
これらのデッキも長い予選で全勝、1敗ラインを狙ううえで有力な候補であることがわかります

極光、リアノーン、ルアード、ラスカリア、Mygoも少しいて、3枠目の選抜枠として採用されていると考えられます
個人的に特に注目したいのはルアードです

シラヌイ同様フェスブの新規で構築の幅が広がっており、竜皇ルアードという強力なフィニッシャーにつなげられれば環境でもそれなりに戦えそうです
構築が固まってくるとまた数を増やしそうな気がしています

●ライドライン選抜に関する考察

個人的な考えとして、今回のような6回戦という長い予選を勝ち抜くために、環境の上位と渡り合って戦えるのは、1敗ライン分布の5%以上が境界だと考えています

ヴァルガ、レザエル、ブラグド、ゾルガ、シラヌイ、ドラジュ、エバ、ブリッツ
以上の8デッキは全体分布、1敗ライン分布から見ると、全勝チームの中に入ってくる可能性が高く、これらから3つを選択したチームは1敗のライドライン選抜で予選を抜けることが難しくなるのではないかと考えられます
1敗ラインのライドライン選抜抜けを狙うならば、上記8デッキ以外のデッキから自信のあるものを持っていくのがよさそうです

ただ、全勝チームの編成についてはその日の時の運も関わってきます
例として、今回の大ヴァンガ祭のトリオファイトではAグループとBグループの2グループにブロックが分かれており、それぞれの全勝、予選抜け、1敗ラインの分布を見るとわかりやすいです

特にわかりやすいドラジュに着目して見ていきます
Aグループでは全勝チームにドラジュがおらず、予選抜けを見るとドラジュの分布数は5です
そして1敗ラインまで分布を広げてみてもドラジュの分布数は5であり、ドラジュ採用チームはすべて1敗ラインの選抜枠として予選を上がっています

一方、Bグループでは全勝チームにドラジュがいます
予選抜けのドラジュの分布数は2ですが、1敗ラインの分布数は6となっています
Bグループではたまたま全勝チームにドラジュがいたことによって、ドラジュが選抜枠として機能していません

このようにその日の全勝チームの編成次第なところもあるので、先述した8デッキが一概に選抜枠になれないとは限りません
上位4つのヴァルガ、レザエル、ブラグド、ゾルガは全体の分布も多いですが、シラヌイ、ドラジュ、エバ、ブリッツは全体分布が少なめなので、上位4つと比べると全勝チームにいる確率は下がります
環境上位と戦えるデッキパワーでありながら、ワンチャンの選抜狙いとして採用するのもありです

また、ライドライン選抜を狙ううえでもう一つ重要なのが予選の回戦数です
当然、予選が3回と6回ではチーム採用デッキの考え方は異なってきます

6回戦であれば最後まで戦い抜ける1敗ラインを考えると、ある程度のデッキパワーが必要になってきます
しかし、3回戦であれば2-1でもライドライン選抜の土俵に立てます
先攻の押し付けが強いデッキで実質的なじゃんけん勝負に持ち込んだり、後手でもまくりやすいマスクスデッキを選んだり、チーム内での上振れの噛み合いで勝てる編成を考えやすいです

参加チーム数から予選の回戦数を予測してチーム編成を考えることが大切になってきます

さらに、申し込みしたチームのほとんどが当選する公式のWGPのほうが幅広い層のプレイヤーが参加するので、全体分布で雑多なその他のデッキが増える傾向にあります
今回のシラヌイのようなカードパワーは高いのに使用率が少ないデッキもしばしば見られます

ちほうカップについては、去年までは全国各地を飛び回って権利獲得を狙うプレイヤーが多く、環境上位の分布が増えてその他のデッキは数を減らす傾向にありました
しかし、今年からは地方優先枠があるので、微妙に傾向が読みづらい状況です
ただ前回の札幌ちほうカップの分布を見ると、先述の傾向と大きく変わらないような気はしています

●今後の環境予想

ここからは完全に筆者の個人的な予想です
いちプレイヤーの意見としてお読みください

環境の中心としてヴァルガ、レザエル、ブラグド、ゾルガの4デッキが台頭することは変わりなさそうです

・レザエル
特に注意したいのが聖歌採用型の耐久レザエルです

トリガーを投げてアグロしながら、完全ガードも使い回し、リィエルとディヴァインスキルでトリガーを山札に返す無駄のない動きが強みです
焼きの無いデッキに対して無類の強さを誇るので、ここをケアした構築や立ち回りは重要になってくるのではないでしょうか

例えば、ゾルガは「怨毒の握撃」で後列に触れるようにしたり、トルデリーゼを使って3ラインすべてで高火力が出るようして完ガをたくさん使わせるようにしたり、などがありそうです
シラヌイは支配によって盤面に触れるので有利に立ち回れそうです
他のデッキではゲームが長引くだけ不利なので、アグロ気味なプレイを心がけたりしてもいいかもしれません

レザエルを使用する側は、時間切れにならないように自分のプレイを早くする練習が必要でしょう

・ヴァルガ
新たなアタッカーのエイニオンラッシュの登場でより攻撃的な構築にできるようになり、今後も分布は多いと思われます

動きが単調な分、受け方がしっかりしていればケアできる部分も多いので、ヴァルガ対面が苦手な人はそこを意識して練習するとよさそうです

・ブラグド
構築段階で、ディヴァインスキルでゲームを決めるのか、ディヴァインスキルや殴り方でリソースを削って戦うのかで構築が変わってきます
火力の出るスワラーで前のめりに攻めるか、アルウィムを使ってディヴァインスキルで仕留めきれなくてもリソース差を広げるか、など要検討です

また、頻発するであろうミラーの練習も必須になりそうです
今後は聖歌レザエルが守護者封じをすり抜けてくる点が心配です

・ゾルガ
環境に合わせて柔軟に構築を変化させることで、対応できそうなので大きく数を減らすことはないと思います
先述のように相手の盤面に触れるカードや火力増強のトルデリーゼが強そうです


次点のデッキ群としてシラヌイ、ドラジュ、エバ、ブリッツが挙げられます

札幌ちほうカップと今回の大ヴァンガ祭の分布を見ると大きな変化はありませんが、この流れを読んで、デッキパワーが高くしっかり勝ちにいけて、ワンチャンで選抜を狙える点から分布が増える可能性はあると考えています

・シラヌイ
フェスブの新規やコロコロPRで構築の幅が広がった点が注目ポイントだと思います

・ドラジュ
ビフロンスの追加が大きく、フェスブでは構築が変わることはなさそうなので、対面でのダメージの受け方など立ち回りを忘れている人は復習が必要そうです

・エバ
フェスブ新規のヴァルトロッサ&ライエルが強く使えそうです
楽園エバや研究オーダーを山札に返しながら、オブスクデイトのスペコも狙える点が優秀です

・ブリッツ
現在ハルダリード採用が主流ですが、元々ライドラインやフライハイツでパーツを持ってくるのは得意で火力も十分出せます
個人的には、リソースの細いブリッツでは、単純にドローでガード値を引き込んで次のターンに繋げられるアインスのほうが強いと思っているので、アインス採用型が増えると1敗ライン分布がもう少し増えるかなと思っています


その他の選抜狙いのデッキ候補として極光、ルアード、ケイオス、Mygo、リアノーンもたまに見かけることがありそうだと思っています

・極光
先述しましたが、特殊な立ち回りを求められるため不意にあたるとプレミする人も多いと思います
リソース獲得手段の増加や連パンユニットの追加が追い風で、デリィバイオレットやテイザーラージュなどのからめ手もあるので意表をつきやすいです

また、相手の盤面に触れるのでレザエルとも戦えそうです
札幌ちほうカップと今回の大ヴァンガ祭を見ると、今後も少ないながら分布に入ってきそうだと思います

・ルアード
ルアードはレザエル同様、聖歌を入れることで持ち前の耐久力をさらに伸ばすことができます
レザエルと異なり明確なフィニッシュ手段である竜皇ルアードがある点が優秀です
また、フェスブ新規のブレディアークもアグロから必要札の回収までできて非常に便利で、シラヌイ同様構築の幅が広がっていて、環境に合わせた強い構築が見つかると化けそうな予感がしています

・ケイオス
ケイオスは押し付け性能が高く、どの対面でも勝てる可能性があるところが優秀です

ただキャラトリガーの値段が高い点はネックなので、他と比べると見かけることは少ないかもしれません

・Mygo!!!!!
Mygoは名称持ちトリガーの追加が大きな追い風になっていて、相変わらずの連パン性能の高さが優秀です

ヴァルガのような速いデッキに先攻を取られるとキツいことも多いですが、CBの使い方やダメージの受け方、リソースの稼ぎ方を見直せば、まだ戦えそうだと思っています

・リアノーン
アグロやガード札としても使えるフレンドリーブロッコリーの追加がいい感じです

また、レザエル同様、お菓子屋さんを使って完全ガードを使い回せるようになったので、ヴィヴァーチェまでつなぎやすくなったところが注目ポイントです


●おわりに

随分と長くなってしまいましたが今回はこれで終了です
私自身、田舎のプレイヤーなので環境に対する理解が浅い点もあったとは思いますが、いかがだったでしょうか
いつもなんとなく見ている全体分布だけでなく、他のデータも集計してみると新たな発見があって意外と楽しいものです
みなさんもこの記事をきっかけに自分なりの環境考察をしてみてはいかがでしょうか

質問や感想、ご意見などありましたらX(@drifting YARO)のDMに送っていただければと思います

当サイトに利用しているカード画像等は、カードファイト!! ヴァンガード公式ポータルサイト(http://cf-vanguard.com/) より、ガイドラインに従って転載しております。該当画像の再利用(転載・配布等)は禁止しております。
©bushiroad All Rights Reserved.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?