【ヴァンガード】トリオファイトの環境考察における分布について
はじめまして
辺境の地・徳島でヴァンガードをやっているドリフトやろうといいます
今回はトリオファイトにおける環境考察について書いていきます
自分の考え方を言語化した備忘録のようなものなのですが、最後まで読んでいただけると幸いです
●はじめに
2024年のデラックスがスタートして、各大会に出場するチームで話し合いや練習をしている方々も多いと思います
どんなデッキが流行っているのか、どのデッキを持っていくのか、強いデッキ3つで予選全勝を狙うのか、流行りから外したデッキでライドライン選抜を狙うのか、どのデッキと重点的に対面の練習をするのか、考えられることはたくさんあります
私自身もチームメイトと議論を重ねているところです
そんな中、トリオファイトの環境考察における分布について書いていきたいと思います
●トリオファイトにおける分布
環境を考察するうえで最も大切な要素のひとつである使用率、分布について考えていきます
分布を表すものとしてよく見かけるのが円グラフです
公式からも大型大会の開催後に週ヴァンで公開されているので、よく目にすることがあると思います
ただ、この円グラフを用いた分布だけでは、今のVGの主な大会形式であるトリオファイトにおいて、環境考察をするには不十分だと考えています
トリオファイトにおいて環境考察をするために重要なのは、全体での使用率はもちろん、そこから導き出されるチーム採用率だと考えています
トリオファイトでは分布の多いデッキに対して、自分があたりそうなデッキとして考えると同時に、チームの誰かがあたりそうなデッキとして考えることも重要になってきます
3人1組のチーム戦である以上、個々人の勝敗も重要ですが、最終的にはチームで勝てるかどうかが大事です
自分が負けても他の2人が勝てばチームとしては勝ちになるので、個人戦ではリスキーなデッキもトリオファイトでは選択肢に入ってきます
また、ライドライン選抜もチーム単位なので、環境トップを3つ持っていくのか、選抜狙いで何枠か外すのかも大事なポイントになってきます
チーム採用率が高そうな環境トップのデッキに対して有利なデッキを選択したり構築を寄せたりすれば、ライドライン選抜をより狙いやすくなります
最近の環境でわかりやすい例を挙げると、分布の多いシラヌイに対して有利なMorfonicaの採用や、スタンドによる連パンをするデッキが多いことを見越したカウンターヒールの採用などがあります
ここからは過去の実例をもとに個人戦とトリオファイトでの、分布からみる環境考察をしていきます
●分布の考察 個人戦
まずは個人戦の実例から考えていきます
2023年10月2日に千葉で行われたデラックス2023予選大会(個人戦)の分布を見ていきます(「天輪飛翔」発売直後の環境)
https://cf-vanguard.com/wordpress/wp-content/uploads/weekly_vg_20231003.pdf
↑よりわかりやすい公式の画像は、こちらのリンクから6ページ目をご確認ください
分布が10%以上のデッキは上から順に、ドラジュエルドが20%、ユースベルクが14%、リアノーンが10%となっています
これらを合わせると全体の44%となっており、この3デッキが環境の中心であることがわかります
また、その下の分布10%に満たないデッキも9デッキあり、「その他」の分布も24%で全体の約1/4を占めています
予選を4回戦と仮定すると、上位3デッキには1~2回程度あたることが予想できるので、次の大会ではそこに有利に戦えるデッキを選択するかどうか考えることができます
全体の分布として雑多なデッキも多いので、上位3デッキではないデッキを持ち込んで1敗ラインに入れればライドライン選抜で予選を上がれる可能性が高くなるでしょう
当時でいうとオルフィストやアコードのような押し付けと後手まくりがしやすいデッキは良かったのかもしれません
また、上位3デッキのデッキパワーが高いので、単純に自分もその3つから好きなものを選択して全勝を狙いに行くのもありです
このように、個人戦であれば円グラフによる分布を見るだけでも、環境の傾向を踏まえて次の大会にどのデッキを持ち込むか考えることができます
●分布の考察 トリオファイト
続いてトリオファイトの実例を見ていきます
2023年3月5日に京都で開催されたちほうカップの分布を見ていきます(「ストライドデッキセット メサイア」発売直後の環境、クロノジェットとエバは規制前)
https://cf-vanguard.com/wordpress/wp-content/uploads/weekly_vg_20230307.pdf
↑よりわかりやすい公式の画像は、こちらのリンクから5ページ目をご確認ください
参加者は80チーム240人で、分布が10%以上のデッキは、クロノジェットが22%、エバが19%、メサイアが16%となっています
3つ合わせて57%と半数を超えており、環境の中核をなしています
続いて、全体分布から計算した使用者数とチーム採用率を見ていきましょう
クロノジェットは使用者数が53人
使用者数はそのまま採用チーム数になるので80チーム中53チーム、全体の約2/3である66%のチームがクロノジェットを採用しています
仮に予選を4回戦とすると、個人で考えると全体の約1/5なので、0~2回程度あたることが予想できます
しかし、チーム単位で考えると全体の約2/3で採用されているので、2~4回はメンバーの誰かがあたることが予想できます
エバは使用者数46人でチーム採用率58%、メサイアは使用者数38人でチーム採用率48%となっていて、この上位3デッキはチーム単位で考えるとあたる可能性が高いデッキであることがわかります
チームの編成としても上位3デッキや、上位3デッキのうち2デッキに何かを組み合わせたものが多そうだと予想できます
これをもとに次の大会に持ち込むデッキを考えていきます
上位3デッキの特徴は以下のようなものがあります
・クロノジェットとメサイアはクレストでゲームが伸びるほど打点が上がる
・エバはリソース獲得力の高さから安定感と終盤の圧縮された山からのトリガーが強くロングゲームが得意
・当時のクロノジェットとエバはスワラーやコンバイン・ラッシャーが採用されており速いゲームにも対応することができる(規制前)
ライドライン選抜を狙うにしても、明らかに数の多い上位3デッキに食らいつけるデッキであることが最低条件であり、以下のような特徴のデッキがよさそうです
①ブレはあるものの最大値が高く自分の動きを押し付けるデッキ
②超越2デッキに対抗できるようなゲームレンジの短いデッキ
分布上のデッキを当てはめると、①はVスタンドで上振れが狙えるオバロやミネルヴァ、デバフと除去で押し付けが強いブリッツ、②はアグロできて連パンとデッキ圧縮も可能なメガロノヅチ
他には特殊な例として、プレイ難度のせいでデッキパワーのわりに分布の少ないえびすもいます
分布・チーム採用率と合わせて、環境上位デッキとそれに続く3枠目のデッキの特徴を抑えておくことが重要です
実際には、当時はクロノジェットとエバの規制や仮面竜奏の発売があったので、それらの要因も考慮した環境考察が必要でした
●その他の環境考察要因
このように、トリオファイトにおいては円グラフからわかる全体分布だけではなく、チーム採用率も一緒に見ていくことで、チーム編成を考える要素が増えて、環境考察が一歩進んだものになります
もちろん、決勝進出チームや全勝と3-1ラインのチームの分布を見たり、実際のデッキ構築を確認したりするとさらに深い環境考察ができます
新弾発売前ならSNSで事前の評価を調べて流行りそうなデッキを予測することも重要です
今回は、チーム編成の部分にフォーカスをあてて書いていきましたが、持ち込むデッキが決まっている場合でも今回のような環境考察は大事になってきます
環境の中心デッキを重点的に対面して有利・不利を知ったうえでプレイの方向性を模索したり、カウンターヒールなどで構築段階から苦手なデッキに対してメタをはったり、対策を練ることができます
●おわりに
いかがだったでしょうか
トリオファイトにおいて、円グラフの全体分布だけでなくチームの採用率も加味して環境を見てみると、チームでの議論もより深まるのではないでしょうか
3人1組、せっかくのチーム戦です
当日の対戦中の相談だけでなく、事前の議論も含めてトリオファイトを楽しみましょう!
質問や感想、ご意見などありましたらX(@drifting YARO)のDMに送っていただければと思います
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