ブロックチェーン上で住所を証明、DEXの分散型Relay、スマート・コントラクト銀行など (週刊Akademia News 7月31日号)
週刊Akademia Newsとは?
ブロックチェーン事業者の支援を行うDRI Akademiaが先週取り上げて解説したニュースの中から、一部のニュースをピックアップして冒頭部分だけを公開しています。
今週取り上げるのは以下のニュースです。
・POA networkがブロックチェーン上で住所を証明する"PoPA"を開発
・DEXのための分散型Relayプロトコル"Paradigm"が発表
・スマート・コントラクト銀行 “Marble” がリリース
POA networkが、ブロックチェーン上で住所を証明する"PoPA"を開発
PoPA(Proof of Physical Address・住所の証明)は、 個人の住所を、それぞれの秘密鍵を保有するウォレット・アドレスと直接接続する。これにより、個人の身元を確認する際にブロックチェーンを用いることができる。
PoPAの検証方法は簡単で、名前と住所をフォームへ記載し提出すると、確認コード付きのハガキが自動的に郵送される。その確認コードをフォームに記入すると、住所の確認証明がブロックチェーンに登録される。
ハガキを通して住所を証明しても、偽装する方法は存在するために、どんなものにも使える強力な証明にはならないだろう。しかし、一定の抑止力にはなる。この抑止力を、POAチェーンのようなバリデーターを信頼する必要があるチェーンのバリデータ選定に有効活用しようとしているのがPoPAだ。
DEXのための分散型Relayプロトコル"Paradigm"が発表
新しい分散型RelayプロトコルとプラットフォームParadigmが発表された。
これは、"0x protocol"のようなプロジェクトに類似する取引所のインタフェースと、既存の決済ロジックを組み合わせた、ハイブリッドなDEXに特化したプロトコルとされている。
Paradigmが分散型のRelayプロトコルを作成することで、ハイブリッド型DEXモデルにおける従来の「Relayer」の役割がより重視される。Paradigmのモデルでは、「Relayers」はもはや従来のRelayプロセスの責任を負わない。代わりに純粋に注文のマッチングに責任を負うので「Matcher」という名前になる。Paradigmチームは現在、最初のMatcherを開発しており、シンプルで直感的な取引経験を目指している。
スマート・コントラクト銀行 “Marble” がリリース
MarbleはEthereumブロックチェーン上のオープンソースでできた銀行である。Marbleのスマートコントラクトは、ETHとERC20トークンを保有しており、公平で低リスクなレンディングプロトコルを目指している。
最初のサービスとして、「フラッシュレンディング」というコンセプトのものを提供する。現在すでにパブリックベータ版がEthereumメインネットにデプロイされている。
フラッシュレンディングは、ETHとERC20トークンを借りて、Ethereumの裁定取引(アービトラージ)を利用できるようにするものである。スマートコントラクトは、同じ取引の範囲内で資金が銀行に戻される限り、借入後に任意のアービトラージのコードを実行することができる。
Marbleの利用方法は、スマートコントラクトで利益を生む一つのアイデアだと考えられる。今後、スマートコントラクトを用いた取引効率化によるビジネスが多く生まれてくる事だろう。
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