見出し画像

【琉球コラソン】東江太輝選手 〜”逆境”に飛び込み続ける〜

今回は琉球コラソンで主力バックプレーヤー兼キャプテンとして活躍される、東江太輝選手の第2弾です。

投稿第1作目としては、東江選手の小学生〜中学生時代を振り返っていただきました。
今回は高校〜大学編です。

トップレベルの選手はどんなことを考えてプレーしているのか、その思考の片鱗が覗ける作品となっております。

トップレベルの選手といえど、順風満帆ではありません。度重なる逆境にどうやって立ち向かい、どう乗り越えてきたのか。
ぜひお楽しみください。

*本記事内容を許可なく第三者へ公開すること、また本記事の内容を転載することは禁止しております。場合によっては法的措置を取らせていただきますのでご注意ください。


高校編 【1~2年生】


那覇西高校に進学してからは、春休みから練習に参加していた事もあり、1年生の4月からレギュラーとして試合に出る事ができました。
6月には、すぐにインターハイ予選があり、準決勝で興南高校と対戦する事になりました。
その頃の興南高校は3年に棚原・石川・東長濱、2年には1つ上の神森中学の全国制覇メンバーの最強世代です。(この年に選抜・インターハイ・国体全て優勝し、全国三冠を達成しています。)
一方、私たち那覇西高校はスタメン7人中4人が1年生というチーム。
勝つ確率はほぼ0%ですが、私達は1年生らしい怖いもの知らずの勢い、まさにイケイケドンドンで、奇跡的に前半リードの展開でした。全てがうまく行き過ぎて、少し勘違いする所でした。笑
後半はしっかり力の差を見せつけられて、逆転負けをしてしまいましたが、高校入学早々にとても自信になる経験をさせていただきました。

ライバル校の興南高校に凄い先輩達がいる。さらに、私もすぐに試合に出してもらっていたこともあり、
『自分には何が足りないのか』
『どういうプレーが通用するのか』

『どうしたら勝てるのか』
というようなことをとても考えるようになりました。
環境にも恵まれましたが、ほとんどの人が日々なんとなく,先生や監督、コーチにハンドボールを教えてもらっている中で、私はいわゆる"じりつ"が他の人よりも早くできていたのではないかと思います。

4月の入学から6月のインターハイ予選までは、チームを作るために戦術練習が多かったイメージでしたが、インターハイ予選が終わってからは、高校の練習の厳しさを味わうことになりました。
元々、沖縄県の中でも厳しい練習で有名な那覇西高校でしたが、私達の頃も毎日毎日走りっぱなしでした。ボールを触るまでが本当に長かった印象です。笑
合宿の時なんて朝の5時から走っていましたね。寝起きの身体にインターバルやサーキットトレーニング、いつ終わるかわからないダッシュトレーニングなど、本当にキツかったです。科学的に良いとか悪いとか、それで身体が強くなったかどうかなんてわかりませんが、精神的には絶対に強くなりました。笑

今では無茶苦茶な練習や、非科学的なトレーニングはできなくなってきていますが、昔は昔でそれも良い経験だったなと思います。

また、私は部活以外でも個人的にトレーナーさんの所で自主トレをしていました。
今でもお付き合いのあるトレーナーさんですが、この方の下で、私の身体の基盤を作っていただきました。とにかく体幹・股関節周り・肩周りのトレーニングをひたすらやっていましたね。
自分に何が必要か考え、トップレベルで活躍するためにできる事はなんでもやっていました。下手すると今よりもストイックだったかもしれません。笑
おかげで、高校時代はU-16・U-19日本代表に選んでいただくことができました。そこでまた大きな刺激を受け、トップレベルを常に意識する事ができました。
特に、同級生で、現ジークスター東京の信太選手にはとても大きな刺激を受けましたね。
同級生にこんなスゲー選手がいるのかと、圧倒されたのを覚えています。それと同時に、負けたくないというライバル意識も芽生えました。

話を那覇西高校に戻します。3年生が引退してから新チームになると、沖縄県では常に決勝で興南高校と対戦する事になりました。
中学編でも書きましたが、1つ上は中学時代の全国制覇メンバーです。その全国レベルのチームを常に意識して練習していた事もあり、私たちは沖縄県2位ながら、九州大会を勝ち抜いて、春の全国選抜大会に出場することができました。結果は全国ベスト8。神奈川の名門、法政二高に最後の最後で逆転負けしてしまいましたが、この時はスタメンがほぼ2年生のチームだったので、なかなか健闘したと思います。(優勝:藤城紫水高校、準優勝:法政二高、3位:興南高校、愛知高校)
この経験から、全国でも戦えるという自信をつけ、まずは県内で勝つために打倒興南高校をより意識するようになりました。県内の大会で試合をやる度、徐々に点差を詰めていきました。しかし興南は春の全国選抜で3位だったのが相当悔しかったのか、夏のインターハイ予選では今までで一番強く、私たちは過去最高の10点差くらいで負けてしまいました。この年、興南はその勢いのまま全国制覇を果たしています。

さて、ここまでは私が2年生までの話です。

高校編 【キャプテン就任~大学入学】

ここから先は

3,355字

¥ 480

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?