親の不倫① 心の矛盾を抱え続けて

私の母は、父と離婚するまでの間に2度不倫した。

幼少期、母の不倫相手とのデートに連れて行かれることが度々あった。
1度目の不倫相手と葛西臨海公園で散歩して、海を眺めた記憶。幼い私は、母の不倫へのネガティブな感情以前に、ただ単純に母達とお出かけできることの楽しさを感じていた。人見知りもなく、人と関わることがとても好きだった私にとって、母の不倫相手は、自分と遊んでくれる優しいお兄さんで、すぐに懐いた。

一方で、何か悪いことをしてしまっているという罪悪感もあった。それはおそらく、母から彼氏のことを口止めされていたことが関連していると思っている。父には誰と遊びに行ったのか言ってはいけない。幼心にもなんとなくいけないことなのだと解った。

今考えると、私の心はこれらの矛盾を抱え、ふんわりと苦しさを感じていた。ただ、自分はこの母しか知らない。私にとっては普通の出来事。
母のことが好きで、母を悪者にしたくないと庇う気持ちが大きかったように思う。

私が小学校低学年の頃、母は1度目の不倫相手と別れた。そのことを聞かされた時、私は泣いた。
母への同情?
お兄さんともう会えなくなることの寂しさ?
罪悪感から解放された安心感?
複雑な感情だった。


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