君は今、どうしてるかな
〈薄暮〉
目が覚める。頭の中に、嫌な霧の名残が動めいている。
それが徐々に引いていくのを感じながら、荒い息を繰り返す。
もう大大夫、もう大丈夫だ。
ケータイの画面の明るさを上げるように、視界が段々クリアになって、のっぺりと一面化していた世界に、立体感が戻ってくる。とともに、自分を取り巻く世界の雰囲気みたいなものが少しだけ戻ってきて、確かに自分が今、ここに在ることを認識できた。
良かった
そう思うと同時に、何を為すでもなかった時間がのしかかってきて、何かが頬を伝った。
これ