見出し画像

オースティン・オスマン・スペアのタロットデッキ─『Lost Envoy』を読んでいます


オースティン・オスマン・スペアという画家・魔術師が作ったタロットデッキ(通称AOSタロット)についての本、『Lost Envoy』を読んでいます。と言っても英語の本なので、2〜3日で1ページというかなりゆっくりしたペースです。
なぜ読んでいるかというと、AOSタロットのデザインがめちゃくちゃかっこいいから。

(左)AOSタロットの外箱
(右)AOSタロットより魔術師のカード

右は大アルカナの魔術師のカードで、マルセイユ版を元にしたデザインのようです。AOSタロットの特徴である人物の周りを取り囲む電磁波のような線が描かれています。また、AOSタロットは自己学習用に作ったもののようで、全てのカードの上下に正位置・逆位置の意味が書かれています。
左の外箱にも魔術師のカードと同じく、人物と、それを取り囲む電磁波のような線が見られます。これはダイヤのエースのカードに描かれているデザインです。
AOSタロットの小アルカナは、トランプのようにハート・ダイヤ・スペード・エースで構成されています。
他のカードもかっこいいので、興味のある方は「austin osman spare tarot」などの単語で検索してみてください。

また、AOSタロットはStrenge Attractor Pressのサイトから購入できます。

タロットデッキ単独と、『Lost Envoy』の本がついているデラックス版が2種類(ペーパーバック付きとハードカバー付き)あります。
松竹梅だったら竹を選ぶ心理で、真ん中の値段のペーパーバック付きを購入したのですが、AmazonでKindle版が出るので本についてはそちらを購入した方がよかったな…と思いました。

Kindle版の方が機械翻訳がやりやすく挫折率が低くなるので洋書はKindleで買いたいんですが、なんせ高いし(電子書籍で6千円…)もう紙の本を買っちゃたしで、少しずつ読み進めています。

まだイントロダクションの途中で序盤も序盤ですが、おもしろい記述がありました。
スペアとウェイト・スミス版タロットの絵を描いたパメラ・スミスには共通の知り合いがいたようです。その人物が、サフラジェットのシルヴィア・パンクハースト!
パメラ・スミスは婦人参政権運動のポスターを手掛けていたので関係があるのは理解できますが、シルヴィア・パンクハーストはスペアの親友(close freind)だったと書いてあり意外でした。
シルヴィア・パンクハーストは画家を目指していたようなので、その繋がりでしょうか。

また、スペアは若くして芸術界で成功しており、大衆紙では「天才」と評されていたとの事でした。ただ、その後は振るわなかったようで、スペアの伝記を書いたフィル・ベイカーは、

彼は物議を醸すウェストエンドの有名人として人生をスタートさせ、サウスロンドンの地下室で無名の人として人生を終えた

『Lost Envoy
The Tarot Deck of Austin Osman Spare』p.13

と評しています。
パメラ・スミスもキャリアの初期には本の出版や雑誌の作成などしていましたが、晩年はお酒を飲むようになりお金に困っていた様なので、なんとなく似た印象を受けます。

『Lost Envoy』の後半にはAOSタロットのカードに書いてある意味についても解説されているようなので、本を読み終えたらAOSを使って占いをしてみたいと思っています。

ちなみに最近、東京アストロロジー・スクールの「徹底研究!ウェイト=スミス版タロットの世界」というイベント講座を視聴しました。パメラ・スミスの人生についての解説や、当時の女性差別問題を踏まえたパメラ・スミス研究の話が聞けて面白かったです。

江口之隆氏の登壇パートで黄金の夜明け団の文書の原本やアーサー・ウェイトの死亡通知書が見られます。値段は高いですが、一見の価値あり。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?