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死ぬリスクと生きるリスク

ジェームズ・スキナー氏の講演の中で、興味深い話があった。

医学が日進月歩に進み、やがて癌が克服されるようになると、

人の寿命は、一段と伸びることになるだろう。

そうすると死ぬに死ねない。

「自分で死ぬ時期を決める時代が間もなくくる」

というのである。



最近、生命保険等の勉強もした。

日本人の多くは、掛け捨ての定期保険に入っている。

安いからだ。



生涯かけて多額の掛け捨て保険金を払って、

わずかな死ぬリスクに保険をかけている。



20歳から45歳までの死因の1位は自殺である。

50歳まででも2位が自殺である。

なんともやるせない統計だが、まず50歳までに死ぬ確率は、かなり低い。

この期間にせっせと保険金を収めている。

掛け捨てだから、ほとんど捨てている。

60歳の定年になって、生きていれば、何も残らない。



いっぽう、平均寿命は、男80歳、女86歳。

定年延長が図られているが、65歳定年として、平均で男15年、女21年を生きる。

医学が進むとあっという間に、定年後25年から30年生きる。



現在の物価で、夫婦二人で、どうにか生きていくのに、毎月30万。

年間360万。健康が前提だ。

病気や要介護になると、もっといるだろう。

それにしても、男80歳の15年としても、5400万円必要だ。

これが最低レベル。


少しましに余生を送ろうとすれば7000万円。

妻はさらに6年生きる。


医学の進歩で、平均が90歳になったら最低1億円がいる。

普通の人の死亡保険金の何倍ものお金が、生きるために必要だ。

さあどうする。


年金はあてになるのか?

支給金が減り、支給年齢が上がり、いまの50歳以下は、払った金額より、もらう金額が少ないという。

収入の道がなく、老いてしまうと、退職金等の資産を食いつぶしていくことになる。

食いつぶしてもまだ生きてる。

生き地獄じゃないか?

こんなはずじゃなかったと・・・



若いうちに、老いても稼ぐ力をもち、収入の道を確保しておかないと、

大変なことになるよ。

ボクも、もっと若いうちに勉強しておくべきだったと後悔しています。

日本では、お金のことを「汚いもの」「卑しいもの」との風潮で、義務教育で、まともにお金について教えてもらえません。



まあ、教える教師が普通の人間だったら、それ以上にはなりませんしね。

結局は、自分の努力。


老いてから、「年金しかありません」「貯金を食いつぶしています」では、

悲惨な老後ですよ。

いくら途中がよくても、人生の最後が負けなら負けですよ。



最後が、良ければ途中の苦しみは、楽しい思い出になります。

大変な人生を歩んできた母親には、最後は、最高の人生にしてあげたいですね。

お金は稼げば、また手に入りますが、時間は戻りません。

定年になって「しまった」と思ったのでは、もう遅い。

親も自分も、アッという間に年老いてしまいます。



30歳、40歳、50歳。

節目の年には立ち止まって、よく考えましょう。

口ではいいことを言っても、誰も助けてはくれませんよ。

みんな自分のことで精いっぱいなんですから・・・

かけた恩も仇で返される人間ばかりですから・・・


ではまた。

★10年前に書いた記事です


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