虹がかかる日 by 吉田真澄
電車と路線バスを乗り継いで、関電トンネル電気バスに乗った。
長くて薄暗いトンネルを駆動用モーターとリチウムイオンバッテリー4パックを搭載した電気バスはゆっくり進む。
車内は満席で、その目的地は観光放水が始まったばかりの黒部ダム。
80人ほどの観光客がバスから降り立ち、目の前の看板を見ている。右に行くと220段の階段を上って、最も高いところから黒部ダムを一望できるダム展望台に。左に行くと60段の階段を下りて、ダムのえん堤に直接出ることができる、と書いてある。水をせき止め